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2016年8月9日火曜日

夏の渓流釣り~上村川 達原渓谷

ご諸兄各位殿


暑い日が続きますが、暦の上では8月7日は立秋。
余りピンと来ませんが、早いもので秋の始まりです。

先週の馬瀬川は渇水で厳しい状況でした。
欲しいのは大地を潤す雨。
でもこの時期、台風でも無い限り、まとまった雨は期待できません。
そんなとき、小生が頼りにするのは夕立です。

先週は会社から帰ると毎晩、ネットの雨雲レーダー岐阜県版とにらめっこ。
http://weathernews.jp/radar/#//c=49
これ、毎日見てると面白いモノで、何となくですが規則性が伺えます。
先週だけで見ると、郡上は夕立が在ったり無かったりの雨量はそこそこ。
降るときにはメチャ降るのは下呂近辺。
で、毎日毎晩、ほぼ欠かさず降ったのは東濃方面、付知に上矢作。

・・・そんな理由で、先週末の日曜日は奥矢作は達原渓谷へ行ってきました。




矢作川の上流、上村川が形成する達原渓谷は谷が深く、
山々から谷底に雲が垂れ込めます。

5月の下旬にも訪れていますが、ここの良いところは・・・

A.惚れ惚れするような渓谷美!(もう、佐々木希さんです。)
B.標高600mと真夏でもそこそこ涼しい。
C.アユ師さんを含め、マズ、ご同輩とバッティングしない。

でも、森羅万象、物事には良いところもあれば、その反対の側面も・・・

1.数釣りが出来ない。(そりゃ、小生だけかも・・・)
2.入退渓のポイントが限られる。
3.巨岩が多くて遡行が大変。

上記で何とか解決したいのが、小生的には実は「2.」なんですね。


いつも明治用水水源林、その手前の橋から入渓しますが、
達原トンネルの手前まで欲張って足を伸ばした日にゃ、
ここまで、また巨岩居並ぶ河原を戻ってくることは、体力的に至難の業・・・

いつも、途中ののり面・崖を草木にまみれ、R418へ這い上がってくるのですが、
これもまた、特に夏場は滑りやすく・崩れやすく・・・危険この上ない退渓。
よって今回はまず、適切な退渓口を探しました。

トンネルの入口脇に車を駐めて、その横から川沿いに伸びる旧道を、
草や木が生繁げ垂れ下がる舗装路を徒歩で探索します。
やがて旧道が崩れ去り、これ以上は進めない・・・といったところ、
すすけたカーブミラー横から、河原に向かって見通しが効く降り口が。

”ど~だろう?水源林の橋から約2kmか?結構な距離だな~。
まあでも、安全には替えられないっか・・・歩こう!ここまで、河原を!”
・・・作戦が決まりました。


今日の上村川は昨夜の夕立効果か、水量はいつもより多め。
淵横の砂地が水に隠れています。
日も雲も低く、うっすらと霞が立ちこめ・・・雨後の朝の渓流です。

ここでいつもなら、まず一匹目・・・なのですが、今日はそれらしいアタリは無し。
いや、アタリはあるのですが、この手応えはマズ小魚。。。
竿を上げること無く流し続けます。
一回、二回、三回・・・やっぱりダメな様子です。


徐々に日が登ってきました。
上流の東向きの流れでは、
山影が少しずつ無くなり始め。
日影のここから覗く光りの対比、
とても向こうが眩しく感じられ。








落ち込みの直下、泡の切れ始め、少し緩めの流れ、岩影・沈岩。
ポイントと覚しきところは丹念に探るのですが・・・残念ながら手応え無し。


一回、大岩の間の落ち込みから、掛かったのですが直ぐにバレ・・・
手応えから20cm台前半?


残念ながら今日ばかりは、
一本松の弁天様、
そのご加護も薄く。。。

淵からは5cm程の小アマゴ。

夏の渓流釣り。
難しさ、ここに至れり。



でもまあ、モノは考え様・・・
雨後のしっとり・爽やかな朝の渓流を、はるばる満喫しに来たのと思えば。
・・・負け惜しみに聞こえますです、ハイ。

この一本松の弁天様が鎮座する大岩。
いわゆる「通らず」を形成しています。
岩の左側から登り口が見られますが、これを登っても上は行き止まり。

これより上流へ至には、ちょっとしたコツが・・・

竿を一旦仕舞い込み、水に浸かって、あの岩に足を掛けて、右手で・・・
紙面上では説明が難しい「沢登りの術」、小生だけのヒ・ミ・ツ!

しかしまあ、さしたる流れでも無く、しくじっても溺れることは無さそうな。
ご諸兄、お越しの際はご留意かねがね、慎重に挑戦してみて下さい。

本日もこの弁天様の下までは、昨夜の夕立前に来られたのでしょう、
ご同輩の足跡が随所に。
しかし、これより上流ではその痕跡は皆無。


陽が高くなってきました。
青空に入道雲、まま谷間を走る風が目印を揺らし。
釣りには不都合ですが、頬を伝わるそれは心地よく。
炎天下では救いの風です。









弁天様より上流は一層、岩が大きくなり。

落ち込み横の岩影に仕掛けを流し・・・
久々の良いアタリ!
揚げてみると・・・イワナさんでした。














その後はもっともっと上流へ・・・大岩を、登り、乗り越え、幾千里。
この辺りはもう未知の世界です。




涼やかな木陰の下でコンビニの
おにぎりを頬張ります。

う~ん、お茶が美味しい!









川の左岸崖上は木々の間、もうそろそろ旧道のカーブミラーが見えるのでは?
・・・暫くして発見、退渓口を確認、一安心です。

そうと解ればこの辺りでもう一踏ん張り。


今日の最後はこの滝の落口で・・・残念ながらアタリは遠く。
釣れない釣り人を嘲笑するのか、トンボが流しの竿先に留まります。


時刻は12:00少し前。
朝6:00頃から歩き出し、
釣り始め、川をさかのぼり。

釣果は貧しかったけれど、
夏の渓流を十分に堪能して。

そしてどことなく、
次の季節を感じるような。





<データ>
エサ    :ミミズ、ブドウ虫 
        掛かりはブドウ虫のみ
釣果    :目測20cm弱イワナ1匹
        小アマゴ1匹
         後にも先にもこれ限り・・・全リリース
気温    :19~27℃
天候    :曇のち晴れ 風が若干 
表層水温 :19℃  


帰路の途中、木の実トンネルのこちら側、岩村城近くの木陰で昼寝。
峠を下りて恵那の街・・・その暑さ、気温の違いに驚きました。