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2016年9月4日日曜日

初秋の南飛騨 小坂川渓流釣行

ご諸兄各位殿


渓流魚は水の中、手だれた忍術使いです。

先の双六川での粗相。
友舟に入れ損ね、逃げたアマゴさんは川の中、岩陰で頭隠して尻隠さず。
逃がすモノか!と、たも網片手に背後から近づくと・・・
目にも留まらぬ早さで消え去ります、お見事!

・・・実は小生、似たような忍法を持っています。

金曜日の夕刻、ざわめく職場の中、一人静かに己の気配を隠し・・・
終業のベルが鳴ると、誰もが気付かぬうちに静かに、
喫煙所→ロッカー室→駐車場へ・・・それはまさに風の如く。

・・・渓流釣りの奥義とは?
それすなわち、木化け石化け・・・川でも職場でも、日々是、鍛錬!

いつもの訓練の成果、秘技「雲隠れ」が今週末はスッポりと決まりました。
そんな次の日にゃ、早起きして渓流釣行は遠出に限ります!!


南飛騨は小坂川、5:30に到着です。


早くもGW以来の小坂川、その南岸に沿う山中の遊歩道、30分ほど歩きます。


木々に囲まれた朝の静かな山道。


腰にぶら下げた「熊鈴」の音、
眼下の小坂のせせらぎと共、
山の中に響き渡ります。


日中はまだ暑い初秋ですが、
朝に限ってはここ南飛騨、
とても涼しく心地よく。







ヤブをかき分け、河原に降りると・・・今日の小坂川、いつもより水量は少なく。



それでもやはり小坂川、その流れの「押しの強さ」は今日も健在。
エメラルド色の勢いある流れに期待が持てます。

10m本流竿に0.6号トオシ仕掛け、スーパー山女魚8号とガン玉はB2。
対岸は樹木下。
まだ日影な状態、速く、しかし白波の無い、うねった流れに馴染ませます。

穂先先行、仕掛けは目の前を通過。
もう少しで落ち込み、その手前は岩の波受けで目印に変化が。

アワセると・・・
来ました!良い引き具合です!
川の流れが相手方に加勢して一層の引き具合!
竿を立てて徐々に引き寄せます。
たも網ですくい上げ、お目もじが叶ったお相手さんは26cmのアマゴさんでした。




いつもなら開始早々の朝一番、
なかなか良い釣果につながらず、
タバコの本数、
風景撮影のカット、
それらばかりが増える小生。


しかし今日は珍しく、
朝一番から20cm台後半の良型が。

さすがは小坂川!
本日は期待が持てます!




気が付くと今朝の川の中、やたらと浮かんだペットボトルが目に付きます。
けしからん!
・・・と思ったのですが、どうもこのペットボトル、訳ありのご様子。
よくよくその周囲を観察すると、仕掛け網が川中に。
ペットボトルはその「浮き」のお役目のようです。

26cmを釣り上げた後、友舟とリュックの置き場に戻ると、
その近くの水際でご老体がお一人、網を引き上げお取り込み中です。

小生  「おはようございます。」

突然の朝のご挨拶に、しゃがみ込んで作業をしていたご老体は驚き気味。
早朝の小坂川、集落から徒歩30分のポイント、まさか釣り人が・・・のご様子。

ご老体 「おはようさんです。」
小生   「どうです?掛かりますか?」
ご老体 「まあまあ、かのう・・・」

カゴ編みの中には20cmクラスのアマゴが3匹。
お取り込み中で網が絡まったお魚もアマゴさん、それも20cm以下か?

”ふっ。ご老体、悪いがこの勝負、オレがもらった!”
と、たも網に入った26cmを尻目に、一人勝手にほくそ笑む小生・・・
ほんと、我れながらに下賤で「男の器」が小さいこと!
でも26cm、嬉しいです!

小生    「それじゃあ、網に気をつけながら釣りますね・・・」
ご老体  「ああ、頼んますわ・・・」


ご老体に別れを告げた後、小坂川をさかのぼります。
今日の小坂川、ほぼどのポイントでも掛かります。
しかし、良型を狙うとなるとポイントが絞られます。


落ち込み後の速い流れ。
ここも白波は立っていませんが、水深が有り、水面にはうねりが。

河原から振り込み、まずは「早うねり」の手前側を流します。
・・・と、目印がほぼ目の前を通過時に魚信です。
今度も良い引き加減、0.6号を信じて引き抜くと24cmのアマゴさんでした。


”このポイント、幅があれば長さもある・・・まだ居るな、こりゃあ。”

ゆっくり、そして静かに、河原から前進、水に入り込み。
今度は流れの中央を流します・・・出てきたのは目測は20cm。
即、リリースです。

もう少し慎重に川へ入り込み、対岸の岸壁はその直下へ振り込み。
対岸に近いほど、流れはますます速くなります・・・競り出た枝に注意しながら。

仕掛けを流しきり、引き上げようとした直前、綺麗なアタリです。
アワセると・・・ド~ンとくる一発目の引き!

その後は波状的にグイグイ!
頭上では10m竿が全体に湾曲、川底では銀影が見えたり消えたり・・・

お相手さん、走ること、走ること!
当方は川の浅瀬で中腰になり、竿尻を右太ももに乗せ右手で竿を保持。
・・・暫しの対峙。

走りが鈍った頃合いで、徐々に徐々に引き寄せ、左手でたも網をスタンバイ。
すくい揚がってきたのは、ずっしりアマゴさんで後測定は28cm!

”ヒャホ~!またまたの「尺」由美子さん!”
と、揚げた直後は喜んじゃったのですが・・・残念!
でも嬉しいです、オオモノ!


その後にもう一匹。
これも結構な引き具合でしたが、お魚が水面に出た直後に針直上で糸切れ。
0.6号を過信しすぎました・・・

その後も小坂川をさかのぼります。






陽がだんだんと高くなってきて、日なたは強烈な暑さです。
空には雲はまばら、眩しく厳しい青空が広がり・・・こればかりは未だに夏。

川の南岸、遡行するにつれ、護岸と樹木が川幅を狭め、
それらが作り出す日影の存在が救いです。



でも、その代わりに本流竿が使いづらく・・・小継竿に持ち替えて。
やっぱり斯様になると、お相手さんは小アマゴさんばかりに。


時刻は12:00。
少し早いですが、朝が早かった本日、これで帰参とします。
本日は存分に楽しめました!

赤沼田の集落に向けて、朝に来た遊歩道を戻ります。
その山の中腹を走る遊歩道、木々の間から覗く小坂川。
朝も同じカットを撮影したのですが、ここからの眺めが小生は好きです。





<データ>
エサ    :ミミズ、ブドウ虫 
釣果    :アマゴ 28、26、24cm 各1
        他小アマゴ数匹
気温    :20~29℃
天候    :晴れ 午後から風
表層水温 :16℃ 川の水温は秋です。  



やっぱり南飛騨、早くも稲穂が。