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2018年9月30日日曜日

渓流竿納め~木曽 西野川釣行 旅は道釣れ

ご諸兄各位殿


「あの、釣りなんですが、駐車場をお借りして良いでしょうか?」



西野川から白川が別れ、暫く登った一軒宿の温泉。
河原に降りるには、この温泉宿の駐車場がベストと見て。

時刻は6:30、今にも雨が降り出しそうな薄暗い朝。
宿の玄関先から顔を出されるご老体、その主にお声掛けを。

「いや~、構わんですよ。
 多分、後から温泉代の数百円でも払っておけば。」

??・・・ご返答からお宿の主では無さそうな。


<お達者ですね>

聞けばこの温泉宿の宿泊客とのこと。
朝も早く、てっきり、お宿の方と思ったのですが。

「釣りですか?アユ釣りですか?」
「いえ、アマゴ釣りです。」
「ほ~、エサで釣られるんですか?」
釣りの支度の最中、お話しが進みます。

この方、お名前はオオキさん、御年87歳!
昭和6年生まれは小生のオヤジより3つ年上・・・


はるばる、小生のご近所は愛知県春日井から。
昨日は紅葉を求め、中央本線は木曽福島からタクシーで開田高原まで。
でもまだ時季が早すぎて残念、帰路、この温泉宿でタクシーを下車、
飛び込みで、ご一泊されたそうな。

失礼ながら、立ち振る舞いからも、とても87のお歳には見えず。
そもそも、お一人で電車に乗って、この山奥へ来られる辺り・・・
スゴいです、ハイ。


十数年前まではアユ釣りを為されていたそうですが、
さすがに、お歳を召され・・・
でも、一昨年前までは春日井の落合公園でフナ釣りを。
根っから、釣りが好きなんですね。

アマゴ釣りのご経験は無いそうで、
是非、小生の釣りを見てみたい、と一緒に河原まで。

・・・ギャラリーを背後にしての釣り。
別の意味で、今回もチビりそう・・・緊張です。



<捲土重来は木曽の渓!>

今季、何度も訪れましたが、大雨・濁流に見舞われて、
一度も釣り糸を垂れること無く、無念の撤退を繰り返した西野川。

初めての川。
他種目とは言え、年長は経験者の前で、良いところを見せられるか・否か?


案ずるより産むが易し・・・カッコウが付きました。
良い川です、西野川!


オオキさんとは後ほど、帰路はご一緒する約束でお別れをして。


その直ぐ後、雨が降り出しました。
雨具を着込んで・・・


<今シーズンを振り返り>

降りしきる雨の中、竿に張り付く細糸をシバきながら、
振り込みを繰り返します。

今年は空梅雨気味の初夏から一転、後半は雨続きでした。
今日もまた雨・・・しかも、大きな台風が接近中。
恐らく、午前中のみでしょう、釣りが出来るのは。


その雨も最近は、週末を狙ったかの如く、が多かったような。

宮仕えとは言え、お気楽な立場は小生。
土曜がダメなら日曜、
お疲れの月曜は根性で業務を乗り切る!
と、車中泊を織り交ぜ、融通を効かせてきました。

しかしご諸兄の中には、お天気はそのご気分次第、
泣く泣く、涙を飲まれたことが幾度か・・・
も、お見えになるのでは?

へんちょこりんな、シーズンでした、まったく。

来年は・・・
シーズン最後にいつも思うのですが、
全てのものに感謝、良いシーズンでありますように。



<竿抜けネライ??の絶壁下>

温泉宿から釣り上がり、西野川の対岸は岩盤をエグった岩壁が続きます。
急流・激流の向こう側、僅かですが白波の無い落ち着いた水域が。

・・・もう、ニオいます、プンプン。
幸い、竿8.5mなら、丁度の距離。


手前の白波に揉まれる事を想定、ガン玉は重めのB4号。
目印下は1.5mに調整。
狭い水域、対岸の岩肌にぶつけるくらいの勢いで振り込み。

繰り返し、繰り返し・・・
右側は上流に振り込むと、落ち込みの水勢、仕掛けが白波に飲まれます。
飲まれない程度に左側、下流を狙って。

良い具合!
飲まれず、吸われず、は反転流の中央に着水!
暫し、仕掛けがその場で滞留、馴染んでいき・・・

と、アタリです。
返す手応え、重量があり良い感じ!
慎重に浮かせて、白波はその水面を転がして。


8寸、あるかな?
お口の形状、頃合いからオスでしょうか?


よく見ると、その中にはミミズが・・・小生のエサはブドウ虫でした。
こやつ、先行者のエサを巧みに頂戴か??
はたまた、下ってきた天然ミミズを?

その後も、このポイントで6寸クラスを追加。


木曽のアマゴさん、いずれも朱点が鮮やかなオレンジ。
郡上のアマゴさんとは違い、それが全身を覆っています。
所変われば品が変わる・・・ですね。



<木曽路、旅は道連れ世は情け>

時刻は10:00少し過ぎ。
雨の降り方は、ますます激しくなってきました。

・・・チョっと早いけど、ここが引き際かな?今シーズンの。

B2号ガン玉仕掛けが根掛かりに糸切れ。
きっと、山の神様のお知らせです。


竿を納めて温泉宿に戻ります。

宿では既にオオキさんが主とお話しをまとめ、駐車のご了解と温泉の入浴が。

・・・降りしきる雨の中での釣り。
体が冷え切って、温泉の温かさが身にしみます。


その後はオオキさんを乗せて、名古屋方面へ雨の木曽路を南下。
山々に掛かる白い霧、少し肌寒さを感じる風景が旅情を高めます。


そんな中、オオキさんとの車内での釣り談義。
アユは昔ながら、短竿を使ってのお作法だったようで・・・
小生の8.5m竿、あんな長い竿は使ったことがないとの事。

庄内川は定光寺、古虎渓近辺での釣り。
アユは釣れれど、食べる気がしない・・・笑っちゃいました。
人目を忍んでのガリ釣り・・・時効とは言え、マズいっすよ、そりゃ。

そして、落合公園は冬、氷を割っての寒フナ釣り。

いつもは一人、貧果と渋滞に文句をタレながらの帰路運転ですが、
とても楽しかったです、ありがとうございます。



今年のシーズンも、これで終わってしまいました。
毎週末、「癒し」を求めての渓流釣り。
でも毎回、気が付けば、しゃかりきになっている自分がそこに。

もう少し、心に余裕を持って望んでも、イイのかも??

・・・データが示すが如く、
河川環境へのインパクトがミニマムな釣り師は小生。

そんなことを言っていたら、ますます来年は釣れないかも??



<データ>
9月29日 
エサ    :ブドウ虫、ミミズ
竿     :8.5m 渓峰本流
仕掛    :針 吉村7号
       天井糸 0.6号 3.0m 
       水中糸 0.3号 4.5m
       錘 B2~B4号
釣果    :アマゴ 8寸 1匹
       リリース
       アマゴ 16~18cm 3匹
       もろ、針を飲まれ・・・
気温    :15~17℃  
       流石にドライのウエーダー
天候    :雨
表層水温  :10℃
       流石に木曽の渓!冷たい!
       来年もまた、是非、来てみたいです。