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2019年12月29日日曜日

冬の渓流巡り~遠州 気田川




家事やお仕事と慌ただしい12月でしたが、
ど~にか・こ~にか、逃げ切りまして、よ~やくお休みです。


ここ最近、出歩けなかった反動からでしょうか?
風もあり少し寒いですが、抜けるような青空とお天道様、
眺めていると家でジっとしていられなくて・・・

それに長らく拝顔が叶わなかった「川のある風景」。

今年はシーズンOFFの9月末以降は竿も振れなく、
手の震えは禁断症状、ついにここへ至れりです。

そんなこともあり、お休みの初日は浜松まで、
初めて気田川に足を運びました。



<気田川のニジマス釣り>

忙しい最近でしたが、時間を見つけては情報収集を重ねて。
・・・この冬の時期、どこかの川で・思いっきり、竿を振れないか?

毎年の遠征先、信州犀川は時すでに遅し。
いえ、ちゃんとした「厳冬の装備」さえあれば問題ないのですが。


そんな中、ネットで見つけた情報がこれ。

遠州は天竜川の支流 気田川で新年早々ニジマスが、
しかもメチャクチャに大きなサイズが解禁となると。

もう決まりです!
「病気の治療」と様子見を兼ねて渓流巡りへ。



第2東名を浜松浜北ICで降りて天竜川沿い、
二俣城跡を横目にR362をさかのぼります。

さすがは茶所にミカン所。
朝方の尾張北部は寒かったのですが、
ここは山間部ですが13℃、とても暖かいです。



事前に漁協さんに電話をしてお話を伺うと、
正真正銘!元旦から釣りOKとのこと!

どこか釣り券を扱っているお店を尋ねたところ、
春野にある種鮎屋さんをご紹介頂けました。



<種鮎屋さんで>

「日本一・きれいな川」と切り揃えられた垣根のサイン。
この奥にある国道沿いに種鮎屋さんがありました。


お店の前には丁度、主と思しきご老体がお一人、縄を縛って何やらご準備中。
早速にもお声がけ・ご挨拶を。

「こんにちは。
 あの~、漁協さんから聞いてやってきたのですが。」

「ああ、そうですか。遠いところをご苦労さんで・・・」

お歳の頃はどうでしょう、70代前半かな?
縄を結ぶご老体の、日に焼けて固そうな指先。
察するにご同輩、それもかなりの熟練者かと。


お話を伺うと・・・

ニジマスは懇意にしている岐阜県河合からの養殖もの。
きれいな水での飼育は折り紙付きです。
50~60cmクラスを中心に、中には80cmものも!
・・・こりゃ、たまりまヘン!!

明日もしくは明後日に川へ放流して、
お魚が落ち着いた2~3日後の元旦から竿出しOKと。

またエサですが、放流から時が無く、ミミズを避けイクラがオススメ。

そして釣り方は、盛期での仕掛けを流すお作法は封印、
重めの錘を使用して、仕掛けを「置く」要領で。
・・・どうも「線の釣り」ではなく「点の釣り」のようです。

「今年は水が少ないで、魚が見えたら鼻先にエサを置くだわ。」

確かに、
付知川での寒さが残る三月はアマゴ釣り大会、
そこでの猛者はミズスマシの如く、ポイントを絞った「点の釣り」、
移動・移動の繰り返しで釣果を上げていました。

・・・寒さが厳しいこの時期、お魚も積極的にはエサを追わないのでしょう。



主な釣り場は「日本一・きれいな川」のサイン、
この直ぐ上流の橋から、次の上流の橋までが主戦場とのこと。

「元旦は、そりゃ、たくさんの人で賑わうで。」

・・・ありがとうございます。




<気田川 その流れ>

種鮎屋さんを後にして、ご老体から頂いたポイントのランド・マーク、
その確認に気田川をさまよいます。

・・・のんびり、さほど冷たくもない、遠州の北風に吹かれながら。



川の感じ・流れの様子はどうでしょう・・・

ご老体より水が少ないと言われた本日、幅の広い河原に対して流れは細く。
標高の低い山々の間を、気田川は蛇行しながら流れます。

・・・行きつけの河川で知る限りでは、
揖斐川の支流 根尾川、樽見より下流がこのような感じです。




本日は誠に快晴、青空が目に沁みます。
その川面からの照り返しも、またとても眩しくて。


















良いですね、こんな冬の日の「川のある風景」も。
心が癒され、洗われます。



<最後は秋葉神社でお礼参り>

春野の気田川を後にして、帰路は秋葉神社へ立ち寄ります。


今年一年、良いことも辛いことも、いろいろありました。
また来年に希望を託して、神妙にお礼をば申し上げ・・・


その神社前の気田川の河原、
今のチョットしたブームは冬季のキャンプです。


冷え込みが厳しい夜、きれいな星空の下での焚火。
酔狂な気がしなくもないですが、
これもまた、良いかもしれませんね・・・









2019年12月14日土曜日

年賀状を書きながら




今年も早いもので、もう師走も中旬です。


毎年で年賀状を60枚ほど、
近しい友人や仕事でお世話になっている方々へ送っています。

残念ながら、今年は喪中のお便りが多いです。

一昔前はお知らせがあったとしても、
それは会社関係は歳の離れた上司や諸先輩の親御様のご不幸が主で、
その数も僅かでした。

でも、今年を含めて昨今は、
枚数もですが友人・同世代は身内・自身のご不幸が増えています。


今日は午後から母親と、母親の姉を見舞いに病院へ。

以前から調子の悪かった叔母ですが、
一か月ほど前に大きく体調を崩して入院に。

気丈にも笑顔で病室ではご挨拶を頂き、
聞いていたより元気そうな叔母で何よりでしたが、
久しぶりに会ったこともあり、やつれた感じは細身に見えました。

・・・病室の什器には、新婚当時の叔母と、
今は亡き叔父の若かりし頃の写真が・・・


実は同行した小生の母親も、
昨年に両股関節を人工セラミックスに変える大手術を。

自動車の運転は出来るのですが、歩行は杖を使ってのゆっくり。
本日は道のわかる小生宅までは自分で運転、
そこから先は叔母の入院先には小生が代行運転でした。



川の流れのように、時の流れも早くて一方通行、
誰にも止めること、あがなうことは等しく出来ません。


・・・そうか、小生もそんな歳なんだ。

振り返ると、いろいろ、あったよな~。
それでも、どうにか、前に進まなきゃ。


その年の出来事に、
物思いにふけってしまう年末。



その昔、暫く赴任していた東欧の国。
住んでいた近くには世界遺産登録された、
中世から続く古い石造りの町がありました。

アドリア海に面したその町は海側を高い城壁に、
反対の背後は1,000mを超す急峻な岩山に囲まれ、
冬の間は町中が日陰となり薄暗く、とても陰気な感じでした。

そのためでしょう・・・
冬場は「心の病」にかかる方が多く。

その代わりの反動でしょう、来る春への喜びようは大変で、
3月上旬に行われる春祭り、そのパレードは華やかでした。


来週末は冬至。
そこから先は少しずつですが、陽も長くなります。

早く暖かくて眩しい春にならないか・・・
来春が待ち遠しく感じられる年の瀬の一日でした。


<渓流写真は春の一色川から>









2019年12月1日日曜日

人間ドックの顛末~2019宇宙の旅




「検体に血液反応がありますね。」


年に一度、会社から受診する病院での人間ドック。

お酒が全く飲めないゲコな小生、それでも喫煙だけはイッチョ前。
加えてお歳もお歳なこともあり、毎年での秋、必ず受けています。

毎年、そこでの決まってのご診断は、

「胆のうに小さなポリープがありますね。」
・・・これ、ストレスが原因だそうです。

「それから心電図に微細振が。」
・・・そりゃ、タバコを吸っているから。

「しかし、血圧も低めで血糖値も範囲内だから、まあ、様子を見ますか。」
・・・ありがとうございます。

この繰り返しでした。


でも今年は若干、先生のありがたいご診断にオマケがついて、
二日間で採取した検便の片方に、血が混じっているとのこと。

お尻の強度が低い小生。
心当たりはあるのですが、ここ最近、そっち方面は大丈夫でした。
もちろん、採便でも気付くこともなく。

「まあ大事をとって、専門医で検査を受けた方が良いですね。」


・・・毎年の晩秋、渓流釣堀や犀川C&R釣行で楽しい季節なのですが、
今年は残念、老朽化が著しい我が艦内の漏水検査で潰れそうです・・・


そんなこんなで、川の流れに沿うかの如く、
家内からも強い要請、お話は進んでいきまして、
その昔、そっち方面でお世話になった胃腸肛門科へ。


<旅の始めは出口近辺のお取り調べ>

診察台ではあられもない格好で横になり、
膝を抱えて、先生の「触診」を待ちます。

・・・こんな時、決まって看護師さんは綺麗なタイプ(涙)。

百戦錬磨の小生なんですが、
こう、なんと申しましょうか、毎度、
見えない後ろからの攻撃は気が抜けません。

「ハイ、お腹の力を抜いて」
背後からの先生のご指示に従えば、
何やら小生の出口から入り込むモノが、クっ!

「良いよ~、チョットだけ、力を入れてみて」
恐る恐るですが、下っ腹をリキんでみます、フっ!

・・・長いようで、実際は短いお時間。
まるで渓流釣りは、尺モノとのやり取りのような。


「痔の付近ですが、異常は無いですね。
 後日になりますが、内視鏡で中を見ましょう。」

まだまだ序の口、道半ば、でもホント、疲れます。


<旅は道連れ、世は情け>

検査の前日は、三食を繊維質の無い、腹持ちの軽いお食事で我慢します。

その当日の検査事前準備室では・・・
お歳の頃はどうでしょう、小生より少しお若いご婦人が既に。

お話を伺うと、便に見た目で分かるくらい血が付いていたから、
先生に勧められて内視鏡検査とのことです。
ご本人曰く、恐らくは「切れ痔」。

暫くすると、こちらもまた小生より若干お若いであろう、
ネクタイにスーツ姿の紳士が入室されます。
この方も、小生と同じく人間ドックで引っかかって。


三人ともお互い、素性を知らない全くの赤の他人ですが、
これから待ち受ける「試練」に覚悟を決めると、
何となくミョ~な連帯感が生まれます。

人によっては痛みを伴う検査とのこと。
検査前、まずはお腹の中を、きれいに空っぽにする必要が。

看護師さんのご指導の下、少し濃いめのポカリ・スエット、
そんなお味の下剤液を15分毎にコップ一杯、
繰り返すこと約数回、都合で1リットル以上!
それを延々と二時間ほど掛けて飲み干します。


その途中、武田の騎馬隊は波状攻撃、繰り返される便意・・・

もうこうなりゃ、恥ずかしいも何も、男も女も関係ないですね。
おトイレへ、三者入れ替わりでのお務めです。

出てくるシロモノが「お水」になり、
かわいい看護師さんの、ナニの「目視検査」を合格すれば、
目出度くも、旅の準備は完了です。


最初にお許しを頂けたのは・・・ご婦人でした。
早速にも検査室へ。

残るは小生、それに、ネクタイの紳士。
この手の勝負、決まって負けは小生でして、
ご婦人の約30分後に、紳士が合格を頂きます。

2つしかない検査室は満員に。
遅れて合格の小生は厳しくも殿軍(しんがり)、
空腹とヒリヒリのお尻、我慢すること、それから2時間・・・


最初に検査室から出てきたのはご婦人でした。

麻酔しての検査を選択され、車いすにてのご退室です。
トホホ・・・麻酔が効いて目がうつろ。


次いで二番目、その30分後に紳士がご退室です。
この方は麻酔なしでの検査、シャキっと歩かれて。

「いや~、ポリープが見つかっちゃって。
 検査途中に採取したから、一晩の入院です。」

このすれ違いざまのご報告を頂いた後、
いざ!小生も検査室へ・・・


<2019年 秋 宇宙の旅>

検査着に着替えて、お尻に穴の開いた紙パンツを履いて、
まな板の上の鯉、検査台の上で横になります。

先日の触診検査と同様、先生と看護師さんは背後に。
視線を正面に向けると、目の前にはモニター画面が。

小生もネクタイ紳士と同じく、「麻酔なし」での検査を選択です。

「ハイ、それじゃあ、肛門に麻酔薬を塗りますね。」

お尻から、何とも言えない先生の指先加減が・・・
暫くすると、その感覚が無くなります。

「じゃあ、カメラを入れますね。」

モニターに目をやると・・・
最初はピンボケ画面でしたが、突入後は鮮明な画像が。
きれいな赤とピンクが主体の世界です。

それは、まるで、遠い彼方の小宇宙。
ドボルザークの交響曲、「新世界より」が脳裏に響きます。


大腸は太い部分と細い部分が幾重も連続する管、
少しずつカメラは内部へ進みます。

まだこの辺りは、痛くも無く、痒くも無く・・・


そして鬼門はS字結腸。
このクネクネの腸管へ、カメラは突入します。

・・・ここからが痛いこと、痛いこと。
カメラが腸壁に当たるからなのか、
大腸を膨らます空圧がキツイのか、
小生、不覚にもうめき声が出ます・・・

と!
そのS字結腸に入っての直ぐ、白い影は大きめ、1cmくらいのポリープが。
・・・残念、これで小生も、一泊二日の入院コースが確定です。。。

「ありますね~、これ、帰りに採りますから。」

先生は松尾芭蕉、奥の細道にカメラを進めます。
そして、行き着いたは、その奥の奥。

「ここが盲腸、この先が小腸で・・・
 拡大しますね・・・
 これ、栄養を取る絨毛です。」

先生から、旅のご案内が続きます。


ここに至る途中にも3個ほど、
S字結腸でのそれに比べると小さいですが、
白い影はポリープがありました。


「それじゃあ、ここから引き返して、ポリープを採っていきます。」

カメラは少しずつバックします。

最後に捉えた小さなポリープです。
カメラの先から青い液体を振りかけ、
ポリープと腸壁を区分します。

次に輪の形のワイヤーがお出ましに。
先生がそのワイヤーでポリープを引っ掛け次いで通電、
ジュっと煙が立ち込め、患部を焼き切りサンプリングします。


・・・モニター越しは、遠い世界・宇宙での出来事のようですが、
紛れもなく、これは小生のお腹の中での出来事、不思議です・・・


「あれ?S字結腸の一番大きなヤツ、どこに行った?」

先生は小宇宙での旅の途中、ロストされたご様子です。
カメラを抜く際も、ここS字は痛いんです、ハイ。。。

「ごめんね、我慢してね、また奥に引き返すから。」

再度でのレイテ湾への突入です・・・
これが繰り返されること、都合で3回!
た・ま・り・ま、へん!

「あった、あった!こんな所に隠れていたか。」

大きめのポリープ、クイっとワイヤーを引っ掛けて。
焼き切る際には、これまで以上に煙が立ちます。

・・・その白くて部分的に黒い焼け焦げた痕跡、
痛くは無いけれど、これ、軽いヤケドだよね・・・

切り取られたポリープを、
カメラの先端は小さなアクチュエータで摘まんで摘出。
見せて頂きましたが、赤くて丸いイボのような。

この後、良性か・悪性か、分析されるそうです。



<旅の終わりは・・・>

そして昨日、分析の結果を伺いに病院へ。
結果は全て良性とのこと・・・安堵です。

先生曰く、
「取るには良いタイミングでしたよ。
 放置すると悪いものに変わる場合があるから。
 3年後にまた検査をお勧めします。
 そのころ、案内のお葉書を送りますから・・・」


・・・お気になる所があるご諸兄。
どうも、早め・早めのご対応が、よろしいようで。


<渓流写真は根尾川から。今年はパッとしませんでした。>