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2020年6月7日日曜日

郡上 吉田川渓流釣行




今年初めての車中泊は、道の駅 美並 にて。

長良川沿い、自宅から一時間ほどの距離です。
わざわざ車中泊をするほどの距離ではないのですが、
早朝のすがすがしい川の景色に触れるには、
そして、曲がりなりにもサツキマスを狙うには。

でも一番の理由は・・・
もう今となっては、小生にとって車中泊も渓流釣りの一部分、
狭い軽自動車での一泊は、Mな性分には?たまらないのです。

一泊が限界ですが・・・



<早朝の長良川>

サツキマス、と期待を持たせて書いてしまいました。
今朝の長良川、残念、ご機嫌が宜しくなかったようでして、
3時間での釣果はこちら様が一匹だけ。


周囲にはルアーのご同輩が一名、
小生よりも早くにポイントへ入られ、がんばって居られましたが、
タバコかねがね、遠間から伺った限りでは、あまり芳しくはなさそうでした。


梅雨入り前の早朝の河畔、爽やかな乾いた風が感じられれば、
しかし、それだけでも、朝早くにやってきた甲斐があります。


<吉田川 立光橋>

その後、美並の長良川を後にして。
予報では日中、風が出てくるとのこと。
長竿・本流は諦めて吉田川の谷底に向かいます。


せせらぎ街道は立光橋の手前、そこに大き目な駐車帯があります。
ハスラーを留めてから、せせらぎ街道の下を抜ける隧道をくぐり、
吉田川へと続く入渓路を下ります。

渓流釣りを始めた数年前の夏、このポイントに一か月ほど通いました。
今回もその当時の相棒、6m秀渓をお供に。


そのころは吉田川に続く小道も木立の囲まれ、鬱蒼としていましたが、
今ではその木立も切り倒されて、エコロジー・センターなるものを建設中。
むき出しの土斜面、川へ降りる経路もとても明るいです。

・・・薄暗かった数年前の入渓路。
渓流釣りを始めた当初、藪から蛇が出るのでは?
サルやクマが怖くって、と、釣りは橋直下のポイントばかりでした。

しかし、人は経験を積むと、未開の地・知らない事について、
探求心が湧いてきて冒険がしたくなります。

・・・それはそれで自然な心理なのでしょうが、
まま、困った結果を招くこともあります・・・


このポイントも橋の向こう側、
上流へ100mほど登った落ち込みも、今ではテリトリーです。

川に降りた直ぐのこのポイント。
ここ最近で人が居た気配もあり、アタリはあっても小物のそれです。

決断、上流に向かって・・・
崖の岩に這いつくばりながら、慎重に慎重に進むことに。


以前に行ったことのある落ち込みが、進む先に見えてきました。


<吉田川、谷底での怪>

その途中でした。
河原の砂地のある所から人の足跡が。
どうも、先行者が居られるようです、残念。


落ち込みに至り竿の準備をしていると・・・
直ぐ上流の岩場の激しい流れの中、一人のご老体が何やらしゃがみ込んで。



先ほどの足跡は、きっと彼のものでしょう。

しかし・・・
寂しい谷底、小生は躊躇うくらいの厳しい流れの岩場でご老体が一人。
その中央でヘラか何かで岩を撫で、何かを採取されています。
一見すると川虫採り?しかし、周囲には釣りのお道具は見当たらず。

これまでも渓流釣りの最中に、他の河川で地元の方が小魚採り、
罠を仕掛ける作業を拝見してきましたが、今回は少し様子が違います。


よ~く仕草を観察していると・・・


ええ、え~??
採取した川虫なのか、はたまた何なのか、それを口にされています!?

・・・距離があり、また近づけないくらい、激しい流れの中央です。
遠間での小生にはそのように、食べているように、見えました。。。

「いや、これ、ひょっとして・・・
 水木しげるの漫画の世界、ねずみ男系の妖怪じゃないの??」

気にはなりますが、いや、しかし、そんなことは。

いずれこちら側、下流に戻られてくるでしょう、その際にお声がけを。
それに新コロナもあります、あえてリスクを負わなくても。


落ち込みで良いサイズ、お魚が掛かりますが、あまり、その気になれなくて。
もう、即、リリ~スです。



ひとしきり、その落ち込みで探りを入れたのち、
それでもご老体は戻られてきません。


・・・ここから上流は小生は初めての場所となります。
少しおっかないですが、新規開拓、行ってみましょう・・・



<消えたご老体と深みにはまり・・・>

ある時は崖岩に足を掛けながら、ある時は押しの強い流れに贖いながら、
上流へ、上流へと進むのですが、不思議なことに、ご老体のお姿は無く。

・・・それらしい退渓路も、不思議、これまで見当たりませんでした。




奇々怪々な心境、それでも歩みを進めます。


暫く静かなトロ場を過ぎた辺りから、上流にまた良さげな落ち込みが。
釣り座は対岸、吉田川を渡河します。

流れのほぼ無いトロ場ですが、深さはありそうです。
でもまあ、イケるでしょう!イっちゃへ!

ゆっくりゆっくり前へ、徐々に徐々に深くなり。

あと2mくらいで対岸の岩場です。
すでに熊鈴は水没、深度はおへその辺り。

今、乗っかっている川底の岩、そこから先の川底は砂です。
偏光グラス超し、砂地と岩の落差は5cmくらい、かな?

えい!と砂地に足を進めますが、
意外にこれが落差があり、一気に水面は胸元まで!

いかん!
ハイチェスト・ウエーダーの脇から水が中に!

つま先立ちで歩みを進め、どうにかこうにか、対岸の岩場まで。
ウエーダーでの事故、聞くところによると転倒・水没が一番の危険とか。


しかし、この期に及んで粗忽者でアホな小生、
いの一番に心配、頭に浮かんだこと、それは・・・

「胸ポケットのタバコとライターは大丈夫か??」
もう、ほんとにビョ~キ、ニコチン中毒の末期です。。。

その後、このポイントで。





<撤退路は崖のぼり>

時刻は12:00、お帰りの時間です。
さりとて、先ほどのトロ場・深場は避けなければ。

背後の藪は入れそうにありません。
それに経験上、ここらのせせらぎ街道は高所を走っています。

となると、
ここの浅瀬で渡河して、あの岩崖を登るか・・・


写真中央は左側、斜めになった崖を岩登り、
しかし、これも、またムチャな・・・


・・・経験を積むと何が可能で・何が不可能か、
自分の限界点が少しづつですが分かってきます。

しかし本日の釣行はその点、頂けませんでした。
そもそも「危険」には近づくべきではなく・・・

趣味の渓流釣りです、事故はマズいです。
吉田川で覚えた渓流釣り、初心に帰って反省です。


でも、危険を顧みず、突き進めるのは・・・
それは、きっと「ねずみ男」だけですね。



<データ>
6月6日 吉田川 
エサ    :ミミズ
竿     :6.0m  秀渓 
仕掛    :・針 吉村7号 
       ・錘 1号
                   ・天井糸 0.6号 0.5m
       ・水中糸    0.3号 4.5m
釣果    :アマゴ 7寸 1匹
           6寸 3匹
           5寸以下数匹
       ウグイ 7寸 1匹(長良川)
                  ・全リリ~ス
気温    :17~30℃
       暑かったですが、吉田川の谷底ではそれほどでも
天候    :晴れ
表層水温  :17℃