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2023年7月30日日曜日

盛夏の庄川本流と一色川渓流釣行

 

昨年から渓流釣りを始めた同じ職場のAさんです。

今年は業務が忙しく、
なかなか釣行に出かけられない日々が続いていました。

そんな彼の今シーズンの初釣行は5月の中頃でした。

「初夏で雨上がり、このチャンスを逃したら、もう、後悔しますよ・・・」
巷ではよく聞かれるセリフです。

それを繰り出すペテン師(小生)に乗せられ・連れられ?
馬瀬川上流へ馳せ参じたのですが見事にAさんは全く釣れず、
乗せたペテン師もお外道様が一匹という、とんでもな結果・釣果でした。。。


あれから2か月、季節は廻り早 盛夏。

忙しいスケジュールの中、
ようやくにも時間が作れたAさんから、
「今週末なら大丈夫だよ」のお言葉を頂いたのですが・・・

タイミングが悪いですね。
暑さ厳しいこの季節、先週末の庄川上流は「放浪の末の貧果」でした。

さて、Aさん手持ちの最長は6m竿で、
ご納得のいく釣果を得るにはどの渓流にするべきか?

先のペテン師の汚名、それを返上するかの如く、
「出来る?水先案内人」、
彼は経験と情報から行先河川を選ぶのであります。

もちろん、今回の渓流釣行はメチャ厳しいですよ、の言葉を添えて。


<蒸し暑かった車中泊>

先週末から引き続き、飛騨荘川の天然記念物は「治郎兵衛のイチイ」、
その駐車場で迎える土曜日の早朝でした。

ここ連日の夕立に一縷の期待を寄せて、
先週末とは違い寝苦しかった車中泊の翌朝も、
朝もやの庄川本流は若干の減水程度で水温18℃。

これなら「どうにか・こうにか」なるのでは??

早朝で陽が浅く川面からの反射が眩しい中、
ハリス早替え仕様は、Aさん製作の仕掛け「奥三河」で始められます。

この辺りから川幅が絞られる庄川、
6m竿でも対岸の深場・懐深くを探る事が。


「書を捨てよ、川に出よ」。

・・・ここに書いてある内容は、ほんの入り口は参考程度、
あとは川があなたに、自然に渓流釣りを教えてくれる・・・

”最新渓流釣りマニュアル”(つり人社 1997年)の冒頭ではないですが、
本日の「出来る?水先案内人」は余りでしゃばる事はせず、
ポイントの選択のみで後は成り行き任せに。


連日の猛暑ですが流石にここは荘川です、
早朝は朝もやの川辺に降り立てば抜ける風も涼しく心地よく、
暫し行く夏を堪能できます。



<Aさん、彼は絶対に、何か持っています!>

小生も仕掛けを張って、ぼちぼち釣りを始めます。
水温から恐らく、お魚の活性・食い気は低いのでは?

水の入れ替わりが早いであろう早深瀬、
流すスジを決めて、幾度か・しつこく、仕掛けを流します。

小生が7寸ほどのニジマスを挙げた直後、
突如、10数mほど上流のAさんから叫び声が!?

振り向けばAさんの6m竿が大きく弓なりに!?
ピ~ンと張った0.4号糸、
その先の水中は川底で翻る、朝の斜陽で鈍く光る大きな銀影。

「何じゃ、あれは・・・恐らくは尺上!?」

お魚が下流に走り、小生の目の前の川底に。
上流では竿を必死で立てるAさんです。

・・・さて、仕掛けが持つだろうか?

設計者だからわかる仕掛けの長所と短所、
ハリス早替えが利点の「奥三河」、その長さは40cmしかなく、
極小ハリス掛けには糸コブでの接合です。

でも、「どうにか・こうにか」、
そこは初心者Aさんの腕前?成るように成ってしまいました。。。

「本当に、これは合法の麻薬だね。
 掛かった大きな魚を引き寄せて、釣りあげるって・・・」

興奮が冷めやらぬAさん、
彼の手の中で光るのは、丸々とした夏ヤマメでした。

Aさん、おめでとうございます!

でも・・・マジで参りました。
ほんの数回の釣行で尺上を釣り上げるって。
小生はそこに至るまで苦節数年、掛かりましたよ。。。


<庄川本流を釣り上がって>

その後、庄川の本筋をさかぼり、次なる早深瀬のポイントへ。

川の対岸には民家が並び、
早朝での川の流れとの対峙も、
幾分かの安心感・安堵感が感じられます。

やりにくい枝木下のポイントへ挑むAさん。
ここでは5寸ほどの小ヤマメを追加されます。

ペテン師な水先案内人も、ここで6寸程度のイワナさんを頂いて。

渓流釣りともう一つ、写真撮影が好きな小生。

本ブログもいつもは川とお魚の写真ばかりなのですが、
複数釣行の良い所、
それは自分以外の他に「被写体」があることですね。

(基本、自撮りはしない小生なのです。
 とても、お見せできる容姿風貌では無くて・・・)

小ヤマメを掛けたAさんです、
曲がった穂先と、濡れて張った釣り糸、
渓流釣りの臨場感、それを感じて頂けたなら・・・


<河岸を変えた一色川・・・ここは厳しかった>

一通り登れるところまで登った庄川本流、
お時間もまだ早かったので場所替えは一色川、
林道深くまで赴いたのですが・・・


標高が高くなり期待はしたものの、
表層水温は庄川本流より高い19℃と意外に。

Aさんと小生共々、
僅かなアタリは得られるものの、残念、針掛かりには至らずでした。





最初に「厳しい釣果」を植え付けて、蓋を開けたら「どうにか・こうにか」。
この「どうにか・こうにか」を、素晴らしい結果に見せる手口!

如何にも、ペテン師・詐欺師の常套手段かと・・・

もちろん、尺上を引き当てるAさんの強運もありますがね。

何はともあれ、夏の庄川に感謝なのです。



<データ>
7月29日 庄川・一色川
エサ    :ミミズ、ブドウ虫
竿     :6m 渓秀
仕掛    :針 吉村7号
       天井糸 0.6号 0.7m 
       水中糸 0.3号 4.5m
       錘 1~B1号
釣果    :ニジマス   7寸    1
       イワナ  6    1匹
気温    :20~27℃  
天候    :晴れ まま曇り
表層水温  :18℃
月齢    :11.4