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2016年4月27日水曜日

アメリカ・ザリガニ

ご諸兄各位殿


昔の名古屋テレビ、今のメ~テレ。
その場所の北隣に下茶屋公園という、木々に覆われた公園があります。
名古屋の中区、都心にしてはめずらしい、緑豊かな公園です。

その公園の森の中に、通称「ひょうたん池」という池があります。
この近所で育った小生、小学生の頃にはここへザリガニ釣りに出かけました。

実はこの公園、隣の学区。
小学校には、他の学区へは親御さんと一緒でなければ行っては行けない、
というミョ~な規則がありました。
昼間から悪ガキのザリガニ釣りに付き合うほど、うちの親はご奇特でもなく・・・
いや、親なんか居ると、かえってやりたいことも出来ませぬ!
そんな決まりはクソ食らえ、のカキクケコ!

ってことで、近所の同級生、サイカンくんとケイちゃんの3人で良く行きました。
野球が好きで運動神経の良かったサイカンくん。
知性派で勉強の出来たケイちゃん。
目立った特技はないけれど、理科と図工が好きだった小生。
・・・もう、映画「スタンド・バイ・ミー」の世界です。

新緑眩しい5月、GW(ゴールデン・ウイーク)のころから釣れ出すザリガニ。
「釣り」といっても、割り箸にタコ糸を結わえ、チクワやスルメで釣る作法。
朝はまだ寒い5月の初旬。
釣り始めてから直ぐに、サイカンくんが「オレ、ウ○チがしたい・・・」とポロリ。

当時、この公園にはトイレがなく、さあ困った・・・
と、言ってる先にズボンを下ろし事を始めるサイカンくん。
本人も、また小生も、ちり紙など持ち合わせるオシャれな小学生の訳もなく。
が、そこはしっかり者のケイちゃん、彼が持っていました。

池の畔で朝の冷気の中、湯気を立てるサイカンくんの出来たてう○ち。
「う○ちって、水に浮かぶんかな?」
和式トイレ全盛のあの時代、小生の素朴な疑問が口から出て。

すると、サイカンくん、割り箸でナニを突き刺し、お池の中へ放り投げ。
・・・ぷかぷかと、浮かび漂い流れていくサイカンくんのう○ち。

何だかとてもおかしくって、ただただ笑うだけの小生とサイカンくん。
「サイカン、お腹は大丈夫かよ?」はケイちゃん。

浮かび漂うそれに石をぶつけだし・・・しぶきの跳ね返りにまた大笑い。
ようやく、それにも飽きるとザリガニ釣りの再開です。


高校を卒業して近所の魚卸問屋に就職したサイカンくん。
進学校から関西の大学に進んだケイちゃん。
名古屋の学校を出て地元の製造業に就職した小生。

・・・その後、お二人との連絡は無くなりました。

今でも当時の小学校、中学校の仲間達と年に一回ですが忘年会を。
その昨年の忘年会、そこでケイちゃんが亡くなったことを聞かされました。
齢50年、人生のまだまだ途中、早過ぎます。

・・・お正月休みは初詣かねがね、柄にもなく、いろいろと考えちゃいました。
例えその時がいつやって来て、それまでに何をやっても尽くしても、
本当に人生をヤリ切った、って心境になれるんだろうか?
正直、今の自分には疑問です。

しかし、いまわの際に少しでも、後悔・やり残しを減らす事は出来るのでは?
そんなこんなでここ最近、お仕事に、そして釣り・道楽に、人生を傾けています。

新年に買った、あのバカ高い10m本流竿の購入も、この辺りの心境から??

・・・ああほんと、オレって小市民!
ケイちゃん、笑ったってちょ~だい!
冥土への長いようで短い人生という旅、未だその途中をのらくら。
子供の頃から相も変わらず、器が小さくて・・・


もうすぐGW。
職場の工場、その脇を流れる用水路。
アメリカ・ザリガニの赤い姿を見るたびに、40年以上前の遠い昔が忍ばれます。




2 件のコメント:

  1. アメリカザリガニはとんと見なくなりましたね。いるようなところに行かなくなったということが正解かな。

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  2. あの色とカタチ。
    子供心を魅了する存在でした。

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