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2021年8月15日日曜日

古老マジック~庄川渓流釣行

 

・・・今日も激しく雨が降り続いています。
くれぐれも、お気を付けを願います・・・


荘川町の惣則地区。
「治郎兵衛のイチイ」という巨木、国指定の天然記念物があります。

庄川に近い丘の中腹、そこにそびえる立派な木。
古くから土地の人々に祭られ、治郎兵衛の名前まで授けられて。
近くのササユリの群生地と相まって、ちょっとした名所となっています。


夏の飛騨は雨上がり、宵の口は深い霧に包まれて。
お盆休みの前半は混雑を避けての場所選び。
この名所の駐車場で一晩のご厄介、車中泊としました。


<お早いことで・・・>

雨上がりと言うこともあり、涼しい夜で良く寝られました。
翌朝の日の出前、未だ霧が晴れない内から釣行の準備を始めます。

小生のハスラーだけが停められた広い駐車場。

お行儀悪くも車外で立ちながら、カップ麺をズルズル啜っていると、
直ぐ隣に岐阜ナンバーの白いワン・ボックスが入ってきました。

車から降りてこられたのはご老体、風貌からご同輩の様子です。

「ところで、渓流釣りかね?アユ釣りかね?」

初対面は見知らぬ者同士です。
朝のご挨拶の後、ご老体からのお問いかけ。

聞けば小生のご近所は岐阜県岐南町から来られ、
釣技はエサ釣り、目の前の庄川は今少し上流から入渓したいとのこと。


・・・まあしかし、川は小生を含め皆様のモノ。

それに小生はこれからまだ朝食を食べ、洗顔・お勤めの後、
車の寝台を直して身支度を整えての出陣、
と、まだまだ時間を要します。

オマケにこのポイントは初めてです。
今少し下流から入渓してもさしては構わず、
そんなところもあり、彼の申し出を了解しました。

「では、お気を付けて」

ご老体の装備は至って軽装、あっと言う間の準備にご出立です。


<早朝の瀬釣り>

ご老体から遅れること約30分、
駐車場から庄川へ続く田んぼのあぜ道を分け入り、
彼が入られたであろうポイント、それより下流から入渓します。


つい先ほど日の出を迎えた庄川。
川の上流から雲間なのか霧の間なのか、夏の朝日が差し込んできます。
雨の心配は無さそう。
加えて都合よく雲か霧か、夏の厳しい日差しを遮り、心地いい朝です。

庄川の本流ですが、この近辺は川幅も狭まり、竿は7mもあれば十分。

瀬の流れの弛み、落ち込みの白泡、川中の岩の前後・・・
それらしいポイントに振り込みます。

しかしながら・・・
先回の馬瀬川上流と同様、アタリはあれどノルこと叶わず。
かろうじて、運の悪い小ヤマメさんが一匹だけ。

仕方なく上流に向けて歩みを進めます。


<ご老体の装備と釣果>

草木が川辺まで張り出し、川通しが効かない場所。
一旦は水から上がり、岸から木立を迂回します。

迂回のついでに河岸の高所から上流を眺めれば・・・
意外にもすぐそこに、今朝のご老体が居られます。




さて、お別れしてから、どうでしょう?二時間は経過していますが。
ご老体も小生に気付かれた様子、近づいて釣果を伺うことに。

・・・探偵・公安が生業(なりわい)の小生は職業病?
いつもの悪い癖、ご老体の装備諸々をチラ見します。

竿は5m以下でしょうか?庄川相手にしては短竿です。
また、白い長靴では深場への立込み、それは不可能かと。
でも、お腰の緑は竹製の小物入れ?古風で何とも小粋です。

「どうです?釣れましたか?」

小生の貧果を申し上げた後、こちらからお尋ねをします。
お話からもっと上流から釣り始め、釣り下りを為されてきたとのこと。

「今日は水が高うて、上手く行かんわ。」

でも、友バックの中身を拝見すると・・・

6~7寸のヤマメとイワナが既に3~4匹ほど、
「おじいちゃん、そりゃマズいよ」的な小魚が多数ですが、
意外や意外(失礼)、総じて結構な釣果、パっと見で軽くツ抜けです。

しかも、仕掛けを拝見すると糸は0.6号以上、
フナ釣りの如く、カミツブシ錘にヨリモドシが付され、ハリスもかなり太め、
極めつけは、エサはイクラのみ・・・


「竿が短こうて、ほんで長靴だで、今日は思うように届かせん。
 あんたの竿なら届くで、早よう上へあがりゃ~せ。
 わしゃ、もう、車で他に移動しますわ。」

・・・広い川幅に対しての短竿、それは絶対に不利です。
長ければ長いほど、探りを入れられる領域・深さも広がります。

いや、ごく手前のポイントになると、ヤリづらくもありますが、
高水・増水の今日の庄川、まずは長竿が有利のハズ。
どうも、そこは、ご老体も認めています。

しかしながら・・・
ここまでの釣果、完全にご老体に軍配が。
しかも、装備その他の条件も当方に有利なハズです。

もうほんと、摩訶不思議なご釣果??
はたまた、下手くそな小生のお点前?


<いざ、落穂拾いの釣行へ!>

・・・自称、中級者の小生です、こうなりゃ、負けとれまヘン!
ご老体とお別れした後、彼が竿を出した上流に挑みます。


そのポイントから上流は渓相が変化しました。

単調な瀬は終わりを告げ、
巨岩が形成する落ち込みに淵、流れの複雑な早瀬が中心に。

・・・雰囲気は深い山中の渓流そのもの。

しかしこれ、一層に短竿では攻略が難しいような。
あの釣果はご老体のマジックなのか?
一体全体、不思議です。


対岸の岩懐、反転流の渦、深場の底さらい・・・
長竿だから出来る芸当でもあります。

その甲斐があってか、ぽつぽつとですが、小モノでも釣果を重ねて。



増水の本日、渡河できるポイントが限られます。

一旦は上流に至るも、こちら岸では先へ通れず、
下流に戻っての浅瀬の渡河、その対岸をまた釣り登ります。

・・・ゆっくりと歩みを進める、高水は盛夏の庄川の本筋。
冷たい川の水と川面を流れる優しい風、それだけは熱い心を静めてくれます。


行き着いた遥か上流、
そこに大きな落ち込みと淵が見えて来ました。

対岸に渡ることも叶わず、こちら岸はセリ出た巨岩が通せんぼ。
これ以上の上流への遡行は不可かと。

さすれば、ここを枕に、本日は最後の一戦を。


大淵のポイントです。
ここだけを狙うなら、7m竿では短く10mは欲しいくらい。

それでも無理のない程度、ギリギリまで高水の庄川に立込み、
どうにかこうにか、エメラルドの淀みから、お出ましを頂き・・・

どうでしょう、本日は都合4時間ほどの釣行でした。
それでも残念、2時間でのご老体の釣果には一歩及ばず、です。



・・・飛騨の巨木は荘川、治郎兵衛のイチイ。

樹齢2000年とも言われていますが、
長い時間を掛けて庄川での出来事、人々の生活を見てきたことでしょう。

ご老体と小生の腕前、その違い。
治郎兵衛のイチイのように歴史・時間、そこでの経験の差でしょうかね?


<データ>
8月11日 庄川 
エサ   :ブドウ虫、ミミズ
竿    :7.0m  天平 
仕掛   :針 吉村7号 
      錘 1B号
              天井糸 0.6号 1.5m 
                  水中糸   0.3号 4.5m
釣果   :ヤマメ 6寸        1
      イワナ 6寸        1匹
                  小ヤマメ              数匹
                全リリ~ス
気温   :18~24℃ 
天候   :曇り
表層水温 :18℃
月齢   :20.26
















4 件のコメント:

  1. こんにちは!
    短竿だけに丹念に、また、丁寧にポイントを攻めた結果ではないでしょうか。
    長竿は、どうしても点でなく、線の釣りになるのでポイントを雑に攻めがちになります。
    長さに頼ってしまい、細かいポイントを置き去りしてしまう……私は、よくやりますね。
    いつも、反省しています。

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    1. アサシンさん、こんばんは。
      丁寧に一点一点のポイントを攻める・・・なるほど!
      確かに・・・いつも長竿での「線の釣り」に小生はなっています。
      「点の釣り」はシーズン初期、「線の釣り」が今の季節での作法、という頭の固い概念ですね。
      まだまだ奥が深い渓流釣りです。
      でも、最後に訪れたあの大淵、あそこは10m竿で引っ掻き回してみたいところで・・・色気づいちゃ、ダメですね(笑)。

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  2. こんばんは
    鮎釣りでもそうですが、お爺さんが全然動かず
    その場で座ってながらでも、けっこう掛ける(^_^;)
    そんな光景は、よくあります
    自分は動き回っても、釣れない時なんかは��
    でも、じっとしてられないんですよねぇ~(笑)
    やっと雨が降ったから、今週末は良いのでは!?

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    1. もっさんさん、こんにちは。
      アユ釣りでもそうですか・・・亀の甲より年の劫、ほんと、手品ですね。マス釣り大会などで、人様のお作法を拝見するのですが、あまり、自分と、変わらないような。この差が判らないあたりが、小生、まだまだなんですよね~。
      今週末は良さげな雰囲気ですが、川の荒れ具合をテレビで見ると、少し気が引けちゃいます。

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