ご諸兄各位殿
夜半、車中泊のハスラー号の屋根を叩く雨足は、激しいものがありました。
奥飛騨上宝は野菜直売所の駐車場。
5:30にセットした目覚まし時計より、10分ほど早く目が覚めて。
憂鬱な小雨の朝は未だに薄暗く、釣場へ出立する準備、その手が鈍ります。
朝食を車内で食べて、小雨の中、車外で朝の一服。
ひんやり、しかし、今朝は残念、湿った朝の空気。
しかし、遠くに高原川の激しい流れの音。
この朝の一服は車中泊の楽しみの一つです。
<高原川の魅力>
一服の最中、一台の名古屋ナンバーの黒い軽自動車がお隣に。
・・・お年は小生より一回り上?
見るからにご同輩。
アユ師さん?エサ師さん?
どうやら、おトイレのご様子です。
お急ぎの節には武士の情け、お声掛けは差し控え、
一仕事を終え戻られたときにご挨拶します。
聞けば、小生と同じくエサ師さんで、
本日は尺モノ狙い、蒲田川へ向かわれるとのこと。
小生も本日は尺モノ狙い、この近所で竿を出すと言えば、
もっと上流に向かわないと、今年は難しいよ、とのこと。
・・・どうも、かなり、ここ高原川に通われているご様子です。
オオモノが釣れる・釣れないは、技量以外に、その日の天候、
果ては運や不運もあるでしょう。
足しげく通われるリピーターの多い、ここ高原川。
期待される釣果、すばらしい景色、温泉に山の幸。
幾度訪れても飽きることのない渓流としての魅力。
川釣師を魅了する要素が、きっと揃っているのでしょうね。
<高原橋の袂で>
当初の予定通り、高原川本流で竿を出します。
雨の中、カッパを着て。
川には少し濁りが見られます。
それでも雑魚釣には好都合の範疇。
今日は尺モノ狙い、少し厳しめ・激しめの流れに、
大きめのガン玉で仕掛けを沈めて。
本日、この「少し厳しめ・激しめ」が存外に曲者。
増水の高原川。
少しでも流すスジを誤ると・・・グイウ~。
お外道様は雨の本日も元気。
ドンのピシャッと決まれば・・・ヤマメ~。
しかし、尺には遙かに遠く。
中洲に渡り、激流は荒瀬、その遥か下流を眺めると、
流れが落ち着き岩肌の岸壁下、うねるような深い流れが。
・・・好きです、斯様なポイント。
ガン玉はB3号へ、目印下を長めの2m程度に調整して・・・
流れが落ち着く少し上流、対岸の岩肌はその直ぐ際、
顔を出す岩が作る反転流に仕掛けを馴染ませ、沈ませ・・・
ゆっくりと。
小ヤマメさんに20cmクラスが混じります。
期待した流れでしたが、ここにも尺様は居られず。
岩に囲まれた水たまり、そこに友舟を収めます。
先ほどは流れ出る心配は無かったのですが、
今見ると友舟は「出航」してしまいそう・・・
川の水位が上がった証拠です。
ここは中州、こんな時には長居は無用。
雨の中は安全策を取って、高原橋まで戻ります。
<本日のハイライト>
高原橋の直下、瀬が川中央付近でエグれ、少しだけ深くなっています。
流れも本日は早め、無理のない程度に川へ立ち入り、そのエグれを探ります。
2回、3回・・・同じスジを丹念に。
と、素直なアタリです。
お!
アワセに返す手応えは重量級!
押しの強い流れがプラスされ、
本日の特別仕掛けは0.3号9mのトオシ、
その真価が問われます。
川底に張り付く先方。
と思いきや、急に右へ、左へ。
浮いたと思えば、すぐまた潜り、底に張り付き。
当方はスレ針。
糸は張り気味、でも、張り過ぎず。
走りたいときは少し緩めて走らせて、停まったら即、キツめに。
とにもかくにも、なるべく動いて頂き、無理せず先方の疲れを誘います。
一瞬、水面まで浮きましたが、すぐまた水中に。
良いですね~、目測では尺ジャスト?でしょうか。
く~、久々の時間を要してのやりとり、
待ってました!
スリリングな、おチビりタ~イム!!
素直に立てた竿の戻り力。
竿に伝って雨水がカッパの裾から腕筋に入ります。
でも、冷たい、の感覚は一切ナシ・・・一所懸命。
その戻り力に徐々にあがなえなくなってきた先方。
水面に顔を出します。
水上を滑らせ、ゆっくり、無理なく、慎重に引き寄せて。
あと3mほど・・・ん?
確かに、尺近くはありますが・・・
こちらを向いた白い魚体はそのお腹、水面を向かってきます。
先端に見える針の掛かったお口、下向きは「氷のくちびる」。
下目使いで、そのトボけた風貌、
いや~、まさか、やっぱり・・・
小生のチンケなたも網、直径27cm。
その枠を越える、大きな魚体です・・・
いえ、いいんデス。
お外道様、グイウ~さんでも。
そのよく育った巨体と引き加減。
久しぶりに、ハラハラさせて頂きました。
<午後は蒲田川へ、ところが・・・>
午前中はひとしきり、笹濁りの高原川は高原橋近辺で。
午後は途中、雨の降りが激しくなり、
道の駅で少しお昼寝。
今朝の挨拶、常連さんの言葉に引かれ、
夕まずめに蒲田川を訪れたのですが・・・
既にこの時間、蒲田川は濃い濁り・・・
人っ子一人、ご同輩を見ることは叶わず。
はてさて、今朝の常連さん、如何様な案配であったのか?
本日はここまで、早いですがお宿に入って温泉へ。
<翌日の帰路は都合7時間・・・>
お宿での一泊は快適でした。
しかし、その夜、外から聞こえるのは激しい雨音のみ。
こりゃ、今日はダメだろう・・・の憶測の元、
少し遅めの6:00起床。
都合4回目、トドメの温泉にゆっくり浸かり、
ダメ元でお宿のすぐ前、蒲田川を覗き込み・・・
濁流、撤退決定!!
ただ今回の釣行、この撤退路が長かったんデス・・・
費用削減は往き道と同じく下道を選択。
一旦、お宿の栃尾温泉から平湯峠へ登り、R158を高山市街へ。
(バ)カーナビ嬢は妄想くすぐる声色、お姉さんの案内に従って、
R41へ抜けるR361美女街道の手前、突然のご案内が。
「渋滞情報が入りました、ルートを変更します。」
見ればルートは高山市街を抜けて、せせらぎ街道は八幡方面へ。
・・・いや、普段なら賛成です、このルート。
でも本日は土砂降り、せせらぎ街道は・・・
しばらく美女街道を久々野へ走ると、
なるほど、R41は渚近辺で通行止めのマークが画面に・・・
何が渋滞情報じゃ!
渋滞(待てば通れる)と通行止め(待ってもダメ)は大違い。
ここでの再ルート検索結果は、朝日~秋神~鈴蘭峠~小坂。
・・・ホントかよ?
R41がペケだよ??
細道、鈴蘭峠を恐る恐ると登ります。
・・・倒木に耐える電線。
ホント~にホント??
行けるの??これ???
もう少しで鈴蘭峠の頂上。
その手前のガソリンスタンドで店員さんが「通行止め」の手看板を掲げ。
・・・案の定。
「峠までは行けるけど、小坂には降りられないよ。全面通行止めですわ。」
「名古屋方面なら、高山市に戻って高速道路、または平湯から松本だね。」
ご親切な店員さんに、今、その平湯から来たことを告げると、
哀れみを込めた眼差しが・・・
結局、今来たR361を高山市街へ、それから東海北陸道へ。
秋神川も斯様な状況。
いつもなら・・・
処置なし。
4時間の道のりが都合7時間、疲れました・・・
高原川は少し早め、今週末でシーズンを終えます。
毎年、2~3回しか来られませんが、いつも夢を見させてくれます。
もちろん、泊まりがけで来て、ボ~ズの場合も。
もっと酷いときには、今回のようにお天気次第、竿さえ出せない時も。
それでも、また来たい、と思わせる何かが、
高原川にはあるような、そんな気がします。
また来年・・・
<データ>
9月7日
エサ :ブドウ虫、ミミズ
竿 :10m SG LONG
仕掛 :針 吉村7号、
糸 0.3号 9m トオシ
錘 B~B3号
釣果 :ヤマメ 21~23cm 各1匹
以上はおみやげ
小ヤマメ6寸以下 数匹
泣き尺(もち、未計測)ウグイ 1匹
小さなウグイ 数匹
以上はリリース
気温 :18~23℃
天候 :ほぼ雨 一時強く
表層水温 :16℃
2 件のコメント:
こんにちは!
高原川は、雨の影響をもろに受けますね。
蒲田川の濁り程度なら過去に何度も釣りましたが、デカイのが、出る感じですね!
安全第一なので無理は出来ませんが……。
41号が止められるのは痛いですね!
宿を出る時にわかっていれば、安房トンネル経由で木曽から帰って来るコースが早いですが、渚ではね……(^_^;)
奥飛騨の釣りは、終わりましたが奥美濃はまだこれから楽しめますね(^^)
アサシンさん、こんにちは!
残念ながら、ご期待には添えませんでした・・・尺モノ。
いい線のウグイさんはイケたのですが(笑)。
高原川も蒲田川も雨降る河原には小生だけ。
ヤリたい放題の半面、カミナリ様が怖くって・・・
温泉へ逃げ込んだのが実情です。
二日目の日釣券は無駄となってしまいました。
実質の釣行は初日の午前だけ・・・
その元を取ろうと、色気を出して選んだ下道ですがハマりました。
長い釣り人生、こんな日もあります(笑)。
今年の小生の釣行を象徴するような、そんな奥飛騨の旅でした。。。
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