2020年8月30日日曜日

今期初で最終の奥飛騨 高原川釣行



お盆も過ぎたのに、雨の降らない暑い日が続きます。
涼し気な渓流での水の流れ、それで一服の涼を感じて頂ければ幸いです。


・・・でもこの写真、双六川なんですが、撮っている本人は汗だくでした。。。


いつものように、一日のお仕事を終えてから、かなり遅めの出立は、
夕食と銭湯のあと、暑さの残る夜道を一路、奥飛騨へ。

いつものように、当初は上宝の農産物直売所での車中泊を予定していたのですが、
日中の厳しい暑さとお仕事の疲れ、そしてほんと遠いです、奥飛騨は・・・

50の坂を転げ落ちるおじさんは耐えられず、
飛騨古川から神岡へ抜ける峠道、それを越えるまでが限界!

トイレだけが併設された、山の中は寂しくも、ぼんやりナトリウム灯が光る、
路肩のパーキングで崩れ落ちたのであります・・・




<朝靄の高原川は渇水>

翌早朝、農道からR471へ折れる手前、高原川に掛かる橋を通ります。
待ちに待った、一年ぶりは川の風景。

ところが・・・高原川が無い!?
いえ、正確にはあるのですが、
橋から覗いて見えるのは、白く大きな岩ばかり。

肝心のお水はと言えば・・・
控えめも控えめ、僅かに細くチョロチョロと。

それは、まるで、お歳もお歳、
ここ最近は回数はあれど、誠に出の悪い小生の「小」のような。

「まいったな・・・
 こうなりゃ、朝一番は駒止橋とするか。」


小生の拙い高原川での経験ですが、
駒止橋から浅井田ダムまでは、ダムの導水路の加減でしょう、
どんな渇水でも、何がしかの流量が確保されています。

それでも、流石にこれまでに無いほど本日は水面が低く。
幸いにもご同輩のお姿は見られませんが、
川の両側に堆積した白く乾いた石が、本日の苦戦を予想させます。


流れの本筋は対岸寄り。
手前側から攻略の手を伸ばすのです。
しかしこれまで、このポイントで、斯様に川中央へ分け入ったことは無く、
それが可能な今日の流れ。


10m竿に珍しくも糸11mは長手尻の本日・・・

いえ、何のことは無し。
粗忽・ぐ~たらの所以、チョイスした仕掛け、
それがたまたま、一昨年は犀川での「残り物」なだけ。

慣れない長手尻での振り込みです。

背後の白石の山や足元の水面に、
ご奇特にも、針先のブドウ虫・ミミズを勢いよく叩きつけ、
気が付きゃエサ無しで仕掛けを流している粗忽者。。。


でも、「残り物」には福がある、と申します。

何度かの振り込みの後、
遥か遠方の流し切った仕掛け、それを挙げてみると手応えが。

これが結構な引き具合、すわ!!
と、思った次の瞬間。
天にも見放される痛恨のバラシ。

・・・挙げた仕掛けに、たまたま掛かっていた、
それじゃ、寛大な神さまだって・・・だよね~。

今回の奥飛騨釣行、ハラ・ドキしたのはこの刹那を含め都合2回のみ。

ほんと、きびし~!
酷暑・渇水の高原川です。


<双六川はアユ師さんばかり>

格式高い料亭?の高原川が振るわないとき(いつも、ですが)、
気軽な行きつけは小料理屋、双六川が小生の隠れ家です。

今回も小粋な「若女将」のお相手を期待して、
そろりそろりと入川口を下ります。


行きつけの双六川、これくらいの渇水は過去にも。
ポイントさえ上手く捉えれば「若女将」との御目文字も。


エメラルドの流れ、すがすがしい朝の渓流の香り。

・・・しかし果たして、川に「香り」があるのだろうか?
ワンコのように鼻の利く小生、間違いなくあると思います。
実は今回の釣行、ここが大きなポイントだったような・・・


少し上流に先行者がお見えです。
首にはエサ箱は無く、腰で「待ってました!」とばかりに上を向くたも網。
あの出で立ち、間違いなくアユ師さんです。

本日は高原川から少し上った双六川、そこにもアユ師さん達が。

大雨に長雨だった今年の梅雨、その後は晴天・渇水続き。

結果、本流は高原川でのアユ釣りはパッとせず、
各支流に流れ込まれているのでしょう。

・・・初めてです、双六川でアユ師さんを見るのは。


若女将を期待しての瀬、淵、落ち込みでの釣りですが、
残念ながら、次から次へ、挙がるのは小ヤマメさんばかり。

・・・これじゃあ「小料理屋」ではなくて無粋な「チャリンコ倶楽部」。
(この表現、お解り頂けるのはご近所さんくらいかな?)

と!
小ヤマメさん特有のひったくる魚信と違い、
若干で重厚・落ち着いたアタリが!

来た!若女将か!?
手応えから20cm後半、川底を勢いよく走ります。
・・・これが今回の釣行で2回目のハラ・ドキ!

ムリをせず、走らせるだけ走らせて。
お疲れのところを、慎重に慎重に寄せます。
水面から上半身だけ上がり、白いお腹がこちら向き。

たも網に納まったのは・・・


・・・「若女将」ならぬ、残念「チーママ」!?。

しかし、この胸ヒレの大きいこと。
お外道様ですが納得の引き具合でした。。。


<酷暑、午後は標高の高い平湯川へ>

陽が昇るにつれて、双六川の谷底ですら暑くなってきました。

日向では白く焼かれた丸岩、その照り返しが強烈です。
もっとも、この辺りも山中ですが、標高はさほど高くもなく500mほど。
・・・日中、とても身が持ちそうにありません。


午後からは避暑も兼ね、もっと上流、新規開拓は平湯川へ転戦です。

その途中のR471は3か所で片側交互通行が。
酷い所は国道が川側の一車線、崩落しています。
ここでも7月の豪雨は凄まじかったのでしょう。

・・・その被害の様相は高原川の上流、行けば行くほど明確に。

宝橋を右折して高原川(平湯川)沿いにR471は登ります。
途中、新平湯温泉を越えた辺りで国道は通行止め、
う回路として福地温泉の街中をバイパス。

・・・並走する平湯川は随所で災害復旧・護岸工事が。

その平湯川、福地温泉の畔に降り立ちます。



初めての平湯川、パッと見た目は良い渓相、イワナ釣り向き。

しかし・・・
至る所に倒木・流木が。


そして・・・
今回の釣行での気付き、川に「香り」はあるのか・否か。

この平湯川の「香り」なんですが、
地元の方々にはごめんなさい、はっきりと泥の香りが。
渇水のハズですが、ナゼか水も笹濁り、川岸の浅瀬には泥が堆積。

恐らくですが、その原因は7月の豪雨の爪痕かと。

上流で復旧工事中、はたまた砂礫が流出し続けているのか、
明らかに午前中の双六川とは「香り」だけではなく、様子が違います。



拙い経験の小生ですが、案の定・・・
ここは!
の鉄板ポイントでも、小生の腕前では魚信すらなし。
以前にもドロの香りがする木曽 西野川はペケでした。

普段の姿が伺い知れぬ初めての川です、暑さもあります。
無理は控え釣りは諦め情報収集、のんびりと渓流を散策します。


良い川なのでしょう、自然災害とは言え残念です・・・



<2日目の朝一番は蒲田川、でも・・・>

栃尾温泉のいつもの民宿で一夜を過ごし、
翌早朝は2度目の訪問となる蒲田川へ。

しかし昨夜は暑かったです。
今まで使用したことのない、部屋のエアコンを付けての就寝でした。

そして・・・
新コロナの影響で、民宿にも変化、細かなルールが。

チェックインでは検温を、混雑時の温泉入浴は控えて、
食事はグループ間で距離を取り、かつ、静かに頂きます。

結果、人との出会い・語らいは皆無。

いえ、気は使いますが、返って静かに旅情に浸れるような。
「With コロナ」での新しい宿泊作法なのでしょうね・・・


どこかで見たことがある、有名な眼鏡橋の風景。
朝一番で降り立った蒲田川ですが、ご同輩は誰も居られずです。

何となくですが、その理由、ここも昨日午後の平湯川と同じ、
前回は感じなかった、川からのドロ臭さを覚えます。


ご多分に漏れず、流れは笹濁り、川底の浅瀬に泥が堆積。

河原に降り立つ前、河岸の段差を降りるのですが、
崖っぷちの崩れかかった砂礫、乗った瞬間に身の危険を感じました。
・・・川が削り取っていったのでしょう。

川に降り立って、近づいて初めてわかる状況。


昨日の平湯川での先入観、それが早めの見切りをさせます。

ポイントらしき場所で魚信が無く、
河原の岩も最近で座を得た為なのか浮き気味で怖く、
残念ですが、ここは即、撤収としました。



何年か前ですが、馬瀬川も渓相が大きく変わる酷い水害が起きました。
こんな自然災害が、ここ最近は全国の至る所で毎年で起きています。

釣行で訪れる小生なんかは、
釣れる・釣れない、で一喜一憂する程度、
誠にノ~テンキ、呆れるくらいにお気楽です。

しかし、そこで実際に生活されている方々を思うと。

今の馬瀬川は数年前の姿を戻しつつあります。
復旧工事もあれば、自然そのものが持ち合わせる治癒力も。
確かに、そこに至る時間、それはとても掛かりますが・・・


民宿の女将から「また来年も来てね」の一言に、
厳しい暑さの残る奥飛騨で、うなずくだけの小生でありました。



<データ>
8月28日 高原川・双六川・平湯川
8月29日 蒲田川・双六川
エサ    :ミミズ、ブドウ虫
釣果    :●28日
       高原川 ボ~ズ
       双六川 小ヤマメ ツ抜け
           お外道ウグイ様 2匹
       平湯川 ボ~ズ
       ●29日
       蒲田川 ボ~ズ
       双六川 ヤマメ 6寸 1匹
           小ヤマメ ツ抜け
       毎度、全リリ~ス
気温    :20~33℃
天候    :晴れ まま曇り
表層水温  :22℃(双六川)・・・ほんと?? 










2020年8月22日土曜日

夏の夕暮れは徒然




「ねえ、さっきから風が変わったよ。少し涼しいよ・・・」

夏の夕方、
ベランダに干してある洗濯物を取り込む家内から。

一服かねがね、小生も玄関から外に出てみると、
そこは家内の言う通り、少しだけ涼やかな風が吹いています。

今日も日中は厳しい暑さ、愛知県の尾張北部は猛暑日でした。
その蒸すような暑さ・刺すような陽射しから一変、
遠くは黒雲の中、音は無く静かに稲光が。

東の空を見上げると・・・へ~、薄っすらと虹です。


近所では降っていませんが、スマホの雨アラームが鳴っています。
確認すると・・・どうも犬山から北、
岐阜県・長野県にかけて激しい雨が降っている様子。


早いですが、移ろい行く季節、夏の終盤を感じます。


・・・・・・
今年の夏休みは控えめな渓流釣行でした。

暑さ厳しく乾いた日々が続いた今週、
とても小生ごときの腕前では勝負にならず、と静かに家で過ごす週末です。


お盆休みの元を取ろうと、次週辺りは秋神川を予定したのですが・・・
いつもの民宿に連絡を入れると、女将からは残念なお知らせ、
次週末は急遽のご都合、お休みされるとのことでした。

7月の豪雨ではその民宿の近辺も大変であったとのことです。
それでも幸い、電話口からはお元気な声が聞けました。


それに秋神川と言えば・・・常連は名古屋のヨシダさんです。

しかしながら・・・
電話での女将の話では体調を崩されて、今年はまだ来られて居ないとのこと。

暑さが残る昨秋の釣行では、再びにも偶然に民宿でご一緒に。
その際に5月のGW明けの週末、
ヨシダさんから秋神の源流を尋ねるお誘いでしたが、
当時は新コロナの件もあり、叶わぬ初夏の釣行となってしまいました。

暑さ厳しい昨今、くれぐれも、お早いご回復を願うばかりです。


・・・・・・
4年とチョット、夏の酷暑の中、がんばる我が軽巡ハスラー号。
とうとう、走行距離が100,000kmを越えてしまいました。

エアコンを掛けながらの運転は、出だしで若干「熱ダレ」の感が・・・



晩夏は夕暮れ、箱庭からコオロギの音、雷光遠雷は暑さも一休み。
今週末の本ブログ、暑さのためか?取り止めのない内容、ご容赦を願います。

<渓流写真は秋神川から>

















2020年8月16日日曜日

蜂退治とアマゴのフォイル焼き




故あって、いつもは朝5:00起床の小生。

流石にお休みの昨今はそんなに早起きする必要も無いのですが、
あまり遅くまで寝ていると、休み明けがツラいので6:00には起き出します。

・・・もちろん、お歳もお歳です、床に就く時間も早めに。


早起きは三文の徳 と申しますが、
折角の早起きです、早朝の涼しいうちに済ませたい諸事を片付けます。

釣行の翌日は竿、エサ箱、友舟のお手入れ、
釣りエサは飼育ミミズさんのお世話、
で、今朝は箱庭に水やりです。


伸び放題の箱庭の夏草ですが、今年は釣行の回数も少なく、ままお手入れも。
お盆休みに入ってからは猛暑続きで、アジサイも若干しなびています。
本日もピ~カンの猛暑日予報、朝の涼しいうちに水やりします。

ホースの先端は放水ノズル、それを絞って勢いよく散水です。

ヨド物置に水が当たると大きな反響音。
早朝のこのお時間はご近所迷惑、注意しての散水です。


毎年の秋に花が咲くキンモクセイ。
ミミズさんの土の入れ替えで生じた古い土を根元に捲いた為でしょうか、
今年は葉の成育がとても良いです。
きっとこの秋には箱庭中が匂い立つくらい、花を着かせるでしょう。

その下には土がレンガ床に流れ出さないよう、土止めに置き石が。
花壇への水やり、その石が形成する軒の陰に水が当たった拍子、
黄色と黒色のマダラな物体が数匹、突如に舞い上がりました。

あかん!
アシナガバチです。。。
置き石の影を遠間から、よ~く観察すると・・・


やっぱりありました、アシナガバチの巣です。

おっかなびっくり。
何はともあれ、一旦、箱庭から玄関まで退却です。
さて、どうしたものか・・・一服がてらの思案。

お盆の殺生は憚られますが、
箱庭のベランダでは毎日で家内が物干し、
何かの間違いで刺されようものなら、こりゃ大ごと。

・・・くわばら、くわばら。
間違いなく、家内から何かの「とばっちり」が小生に来ます。

「先日の六厩川のアブ対策で使用した防虫ネットをかぶり、
 長袖、長ズボンに履き替えて、ご近所さんが起き出す前に、
 ここは一戦を交えるか・・・」

一本のタバコを吸い尽くす前に、軍議は決しました。


戦(いくさ)道具を並べ立て・・・


重厚なる鎧兜に身を包み・・・いざ。

渓流釣りと同じく、戦作法は先制奇襲攻撃が肝要、
そろり・そろりと置き石に近づきます。

しかしながら、勝負は誠に呆気ないものでした。
最初の放水で飛び立った蜂達はお留守、空き家の巣だけが残る状態です。

・・・丁度「旅立ちの朝・巣立ちの朝」だったのでしょう。

念には念を、キンチョ~ルを噴霧して、放水で巣を飛ばして。

お盆の早朝、そこでの無益な殺生?をすることなく、
結果、近江商人よろしく、三方良し!でした。


早朝の蜂退治は一件落着、
午後からは溜まったアマゴさんのお料理です。

とは言っても、サバイバル料理?しか出来ない小生、
本日のレシピはメチャ簡単、
オニオン・ドレッシングによるお魚のアルミ・フォイル焼きと参ります。


まずは下準備から。
矢作川、小坂川で釣った丸々としたアマゴさん、
昨夜の内から冷蔵庫で解凍して、流水でヌルみと鱗を取り去ります。


洗った後は頭を「関の孫六」で落とします。
その後は夕方まで水切りを兼ねて冷蔵庫にて保管です。


夕方はお散歩の後、調理再開です。

アルミ・フォイルにお魚を置き、お腹には刻みネギと塩コショウを。
周囲にはエノキ、プチ・トマ、ブロッコリーにて彩りを。


オリーブ・オイルを回しかけ、最後は「みなさまのお墨付き」、
近所のスーパーで購入したオニオン・ドレッシングを掛けます。


フォイルで食材を包み込み、電子オーブンで予熱200℃の20分。
出来上がりです!


実はこの調理方法、家内がいつもはサ-モンの切り身で行うのですが、
同じサケ・マス科のお魚はアマゴさん、イケるんじゃないの?で初トライ。

してして、お味の方は・・・
少しお魚が大き過ぎました、塩加減が今一つです。
う~ん残念、午後の戦は負け戦!

お魚の水切りを十分に、塩コショウはもう少し多めに、
それに、オーブン途中でお魚を裏返すか・・・

負け戦の良い所は、
次回に向けて、顧みる事、多々あり、な所ですかね。








2020年8月12日水曜日

夏ヤマメ~庄川・六厩川釣行




庄川への到着は日が傾きかけた15:30、夕まずめ狙いでした。

つい先々週、梅雨は明けたのですが、暦の上ではもう秋。
ご挨拶も「残暑、お見舞い申し上げます」です。

それでも河原に降り立てば、日の当たる場所ではこの時間でも汗が。

西からの厳しい夏の斜陽。
それを木立が防いでくれる日陰のポイントでは、
流石にここは荘川です、川面を抜ける風が心地よく感じます。

遠くのセミ時雨とせせらぎが涼し気に聞こえる夏の夕方。



<土地の人にご挨拶>

いつも庄川では五連水車が目印、お蕎麦屋さんの裏手で主に竿を出す小生。
旧荘川村を流れる庄川、長い区間を有するのですが、いつも主にそこで。

この辺りならダム湖である御母衣湖からのサシモノも、
はたまた、
川幅があり川の対岸は深さ・速さもあり居着きのオオモノも。

和洋折衷じゃないけれど、
良いとこ取り・スケベ根性を駆り立てるポイントなのです。
こんな腕前の小生ですが、それでも、そこで過去に実績があり・・・


でも、今回の釣行は、あえてそこを外しました。

つい最近は7月にも伺っています。
また、機会が少ないであろう今年の漁期、新規開拓の心も疼きます。
それに、あそこはアユ師銀座でもあり・・・


いっそかなりの上流へ、と思って行ってみたのですが、
残念、この時間でもご同輩・アユ師らしき駐車車両が数台。

踵(きびす)を返してそこから下流へ。
毎度の如くは行き当たりばったり、何でもないあぜ道から庄川にアプローチします。
その途中、路肩は軽トラの横で農家さんが農具の手入れを。

・・・きっと、このあぜ道と周囲の畑の持ち主でしょう。
時節柄、かなり距離を置いて、お声がけのご挨拶を・・・

「すみません、魚釣りなんですが、
 そこに車を置かせて頂いて構わないでしょうか?」

「ああ、エエですよ、鑑札を持っとりゃ、エエですよ。」

こんな昨今ですが、ありがとうございます。
即でのご快諾、ご厚意に甘えて川沿いは土手の上、
納屋らしき建物の横、日陰にハスラーを停めさせて頂きます。



<落ち込み後の深場にて>

土手を降りての直ぐにある淵。
毎度、セリ出た木立・枝木がクセ者です。
竿7mに4.5mの水中糸のみを装着、チョウチン気味で開始します。

木立の向こう側から西日がチラチラ差し込みますが、
淵は日陰にとっぷりと隠れ、深い川底は見通しが効きません。


土手の上での着替えは汗だくでした。
でも、川に降りれば涼しい風が吹き抜け目印が揺れます。
お空には抜けるように青空が高く、まま、もくもくと入道雲が。

2~3投目かの後、セリ出た枝木を回避のため、
竿先を下げ、また上げた瞬間、アタリです!
・・・と言うより、既に掛かっています、お魚が。

頭上を過行く雲や頬を伝う爽やかな風に感じ入っていた手前、
少々、油断していましたが、これ、かなりの、引きの具合かと。。。

薄暗い淵底で翻る銀影、その加減からもオオモノです、いきなり!

短めの糸ですが、お相手の重量があるためなのか、
竿の全ズームともう一本を縮めて丁度の取り込み姿勢に。
河原にしゃがみ込んで、たも網を準備、水面を慎重に滑らせます。



納まったのは庄川特有、
スリムで長細く尾ひれの大きい、パーマークの無い銀チャン!

も~う、端正な顔つき、お久しぶりです。
きっと湖からの遡上モノでしょう、尺はあるかな~?

・・・でも、ごめんなさい、針はしっかりと飲まれて、お粗末!


<のんびり、夕まずめの庄川散策>

夏ヤマメ 一里に一匹、と言われます。

早々と今夕の勝敗は既に決しました。
あとは、のんびり、新規開拓の散策釣行です。


ゆっくり、夕景を収めながら、糸を垂れながら、川をさかのぼります。

これ以上の釣果を・・・
などという、イヤらしいスケベ根性は封印して。



その後、川から上がり着替えを済ませます。

帰路、あぜ道の途中では、先ほどの農家さんが草取りを。

「どうでしたか?」

その問いかけに遠間から、改めてのお礼と尺上一本の釣果(この時は未確定でしたが)、それを伝えて後にします。


庄川と一色川の出合い近辺。

日暮れ時の庄川。
東を向けば空の蒼が水面に映り込み、
西を向けば沈みゆく夏の夕日に照らされて。

・・・とても、きれいです。





さあ、翌朝は六厩川です。
今宵は持参したカップ麺を車内で頂きます。

陽がとっぷりと暮れてから、
ハスラーは車中泊サイトを目指して、
R158は軽岡トンネルを抜けるのであります。


<車中泊の翌朝>

今回もトイレだけが併設された駐車帯での一夜です。
標高が1,000m近くあり涼しい夜。
LINEでの家内情報では、尾張北部は熱帯夜とのこと・・・
申し訳ないです、ハイ。


寝るときは小生のハスラーが一台こっきりでしたが、
翌早朝、目覚めると春日部ナンバーのステーション・ワゴンがお隣に。

起き出してきたのは20代は中頃の青年でした。
洗顔で水場に向かう途中で話を伺うと、郷里の福井まで帰省の途上とのこと。
難しい昨今の状況、みなさん、知恵を絞っての行動ですね。


朝食を頂き、お勤めの後は、
小生にとっての秘境、林道深く六厩川へ向け出立です。


ここ4年ほど毎年訪れる車止めから奥への六厩川ですが、
斯様な辺鄙・辺境な山奥にもまず毎回でご同輩が居られます。
皆さま、概ねはこの車止め近辺での釣り。
でも、今年はその車止め、一台も駐車車両がありません。

・・・人の心とは誠に勝手なものでして、
居るとなると「しまった、先を越された」でして、
居ないとなると、これはこれ、さて、とても心細いもので。

いずれにしても、来てしまった以上、ここは、行くしかありません。
装備一式をまとめ、今年もまた単独での山河釣行です。


予報では雨の心配は無いとのこと。
まま雲が広がるそうですが、気温は正午で30℃近くに。

水や食料は十分、でも、無理は絶対に禁物の「一人世界」の冒険釣行、
退渓時刻は暑くなる手前、11:00と心に決め。

いざ!車止めのゲートを越えます。


<早朝の森茂六厩川林道>

例の如く、クマ避けには大音量で携帯スピーカーから行進曲を。
渓谷に「荒野の七人」「大脱走マーチ」「軍艦行進曲」が響き渡ります。
・・・繰り返しますが、小生、決して政治結社のメンバーではなく。。。

林道が大きく山側にカーブ、見通しが悪いです。
そんな所では秘密兵器!フォイッスルを吹き鳴らします。

・・・山間部での細道曲道、車の警笛と同じですね。
ポイントは、如何にクマさんに小生の存在を知らせるか・・・

そんな心配もありますが、そこは誰もいない山奥の朝です。
空気がとてもヒンヤリ、谷間を抜ける風も心地よく、
重装備ですが足取りも軽く快適です。

まま所望する、タバコ(もち、携帯灰皿で)とお茶が美味しいこと!


昨年の入渓ポイントまでは徒歩30分ほどで到着です。
今回はそれより奥、2年前にノンタンさんと一緒に訪れた、
更にここより15分ほどのポイントを目指します。


ぐんぐんと分け入る林道。
道と川面との落差が無くなる入渓ポイントに到着です。



<夏のオオモノを求めて>

昨日と同じく7m竿を選択、でも昨日とは違い1.5mの天井糸を装着。
川幅のある六厩川のこの辺り、思いっきり竿が振れます。


こんな岩場では本日、アブが執拗に追いかけてきます。
防虫スプレーを振り掛け、シャツの襟を立てて。

その岩場の上流・・・見えてきました!
2年前に20cm台後半のヤマメ、イワナを釣った淵が。


しかしながら・・・


何のこっちゃ!?
今朝はあり得ませんが、比較的に新しい、昨日あたりのご同輩の足跡が。。。

・・・車止めからエイこら、都合45分の歩行は努力でした。
もちろん、アマゾンは未開のジャングル奥地ではなく、
現実として小生もこの無人の地に至っています。

しかし、
あろうことか、ここまで歩かれたご同輩が、つい最近で居ようとは(落)。
う~ん、夏の秘境でのオオモノ釣り、暗雲が立ち込めます。


気を取り直して、淵に仕掛けを振り込みます。


ああ、やっぱり、掛かるは小ヤマメさんならぬ、小アマゴさん。。。


それに続くは小ヤマメさんばかりナリ。

「あか~ん、この淵、完全に手が入れられちょるわ。(名古屋弁)」


<六厩川 渓谷の旅>

さあ、ど~するか・・・
限られた時間です、これ以上に川を下れば帰路が遠くなります。
一抹の不安(後で見事に的中します)はありますが、
ここは定石通り、川をさかのぼります。


ザラ瀬はやり過ごし、落ち込み・小淵にのみ的を絞って。
エイコラ、エイコラ・・・歩きにくいを歩き。


それでも、知る限りの入渓点は退渓点でもあります。
途中、林道に登れそうなポイント、あったような・なかったような。
戻ることを考えると、躊躇と邁進、心が揺れます。




的を絞っての振り込み。
でも残念、挙がるのは小ヤマメさんのみ・・・


お!
良さげなポイントです。


日陰・岩陰に流れ込む落ち込み。
対岸の岩壁直下は深め・暗めで、いかにも、って感じです。

しかしながら・・・


いえ、先ほどから気付いてはいたのですが、一抹の不安はこれです。
ここにも、ご同輩の足跡が・・・

どうも小生、昨日あたりに先行されたご同輩、
その方と全くに同じ行動パターン、彼に従って川を登っているような??

結果、これまでも渋めな釣果???
きっと、お上手な方なのでしょう。。。

しかも、昨年の入渓ポイントが視界に入ってきちゃいました。。。
ほんと、よ~歩いたワ。

しかし、これで退路の心配は無用、邁進のみ!
再度、気を取り直して「落穂ひろい」に専念と参りましょう。


<落穂ならぬ銀シャリ>

納めていた竿を伸ばして、
糸をピ~ンとシバいて、
落ち込み横の反転流に振り込みます。

目印が流れに乗って、護岸の直下、最深部に至ったあたり、
目印に僅かな反応が・・・アワせます。

返す手応え、それは意外にもイイ感じ!
すわ、お相手は下流に向けて走り出します!
これが結構な速力&引力、オオモノだ、こりゃ!

糸が切れない程度に竿を制御、走らせ・疲れさせ。
しかし、このお魚、誠に元気です。

上へ下へ、浅瀬に深場に・・・
都合、30秒程度のやり取り、対峙も終盤、挙がってきました。
ムリせず、水面を頭だけ出して、つつつ~と、滑らせます。

当方も、しゃがみ込んで、たも網を水面に漬けて、受け入れ準備。
7m竿に6m糸、大きなお相手に竿を目いっぱい持ち上げて、ネット・イン!


8寸は余裕に超え、9寸弱程度、庄川系のスリムな夏ヤマメ。
胸ヒレの大きさが、引き具合を納得させます。
・・・「落穂」なんて言ったら、叱られちゃいそうです。

吉村渓流の7号針はお魚の口の縁にしっかりと。
良い掛かり具合でした、お魚へのダメージは皆無です。


時刻は10:45。
そろそろタイム・アウトのお時間です。
昨年の入渓点から退渓して、
30分の林道行進を「クワイ河マーチ」の調べに乗せて。


林道の遥か眼下を流れる六厩川。
まだ午前ですが、夏の日差しは容赦なく、まま現れる雲が助かります。

・・・木陰・木陰で休憩・水分を取りながら。
過ぎ行く夏、その景色を楽しみながら・・・


今年の六厩川での小さな冒険、これにて無事終了です。

ひとりこっきりの渓谷での釣行。
それでも、なんや・かんやと出来事が。

この楽しみ、また来年の夏に・・・



<データ>
8月9日  庄川 荘川地区
8月10日 六厩川
エサ   :ブドウ虫、ミミズ
竿    :7.0m  渓峰尖 
仕掛   :針 吉村7号 
      錘 1~1B号
              天井糸 0.6号 1.5m(庄川は無し) 
                  水中糸   0.3号 4.5m
釣果   :庄川
      ヤマメ 31cm 1匹
      小ヤマメ     数匹
     :六厩川
      ヤマメ 8寸超  1匹
          5寸   2匹
      イワナ 5寸   1匹
      小ヤマメ     数匹
      ・寸表記はリリ~スです。
気温   :庄川
      26~28℃
     :六厩川
      18~28℃ 
天候   :晴れ、まま曇り
表層水温 :17℃