2016年11月5日土曜日

小牧 大山川

ご諸兄各位殿


「オレ、今度、引っ越しするんだ。」
幼稚園に通う幼い頃、近所で仲良しだったケンちゃんの言葉。



名古屋はその下町、
B29の焼夷弾が狙い損ねた
堀川は山王橋界隈。

ケンちゃんや小生の
生まれ育った場所です。

今は無き小生の生家も、
取り壊す時には
築80年過ぎの木造・・・


人情あふれる、イヤ、ともするとお節介が先に立つ、味のある下町でした。

そのケンちゃんが引っ越した先は愛知県は稲沢市奥田。
後日、母親や弟と名鉄は中日球場前駅(現 山王駅)から電車に揺られ遊びに。
そこはカエルが合掌する水田に囲まれ、送電線が走るのどかな「いなか」でした。

幼い当時、それがうらやましく思えたような。


「いなか」と言う言葉に、皆様も様々なイメージ・脳裏に浮かぶ風景があるかと。
郷里の風景、緑の山や青い川・・・

町育ちの小生の場合は・・・
ズバリ、この幼いときの記憶から、送電線・鉄塔のある風景なんですね。



20年ほど前から移り住んでいる尾張北部の丘陵地帯。
ここにも、たくさんの送電線・鉄塔が山々や田んぼにそびえ立っています。

渓流釣りシーズンが終わりを告げ、晩秋から次シーズンの春先までの週末、
体力維持を目的に、この、のどかな風景の中を小生は歩き回ります。

今週は大山川を「市民 四季の森」まで。


自宅のある丘を下ると、そこには尾張広域緑道が南へ延びています。
この緑道の地下には木曽川から名古屋市に上水を送る、
太い配管が走っているそうです。

文津を越えて暫くすると、緑道は大山川と交差。

ここからは、
この大山川に沿って
川をさかのぼります。

帰路は小牧コミュニティー・バスを使う予定。
「市民 四季の森」発は
10:34。

何せ一時間に一本のバス。
それまでに到着しなければ。
所要一時間半の散歩です。



小牧市の東部。
この辺りは水田と野原、工場と倉庫が大山川沿いに並びます。


今朝の大山川、水量は若干多め。
このところ晴天が続いているのに、ナゼか薄茶色く濁った水。

・・・渓流釣り師の性でしょう、川を見るとついつい、水量・濁り加減が目に。

本庄、池之内をかすめ、川は水田地帯を山に向かって流れます。
この辺りからは工場、倉庫群も見えなくなり・・・

畑の中、籾殻をいぶす煙が晩秋の雰囲気に輪をかけます。


歩き始めた当初は朝の冷え込みの中、若干寒く感じられたのですが。
ここまで、およそ40分。

陽もすっかりと登り切り、少し汗ばんできました。


野口の交差点を過ぎると、小高い山が迫り風景は本当に「のどか」となります。
里山、里川のある景色。

川ではおばあさんが、何やら洗い物を。
この近くは桃花台。
どんぶらこ、どんぶらこ、川をモモが流れてくると絵になるのですが・・・




この八幡社を越えれば、四季の森まではあと僅か。
大山川の川幅は狭くなりましたが、残念ながら「渓流」の趣には至らず。


でもこの川、
この辺りの上流は水も綺麗で、毎年の初夏にはホタルが乱舞する光景が見られます。

先の川の案内図が示すように、近隣の住民から大切に扱われ、お手入れされています。

小牧市民、憩いの川、大山川。











もう既に、ここは目的地、市民 四季の森の北口。
バス停のある東口まで、ぐるりと大山川沿いを歩き続けます。

発車時刻まであと15分。
しかしまあ、乗り遅れたとしても、今日はさしたる予定は無し。
次のバスまで一時間、公園内を散策するも良し。
また一時間半かけて、歩いて帰っても良し。


瓦葺きの農家さんの脇にある柿の木も、青空との対比が綺麗なオレンジ色。
郷愁を誘います。

そして、川から外れて丘の道を登り切れば・・・そこは公園の東口。


小生の「いなか」を感じさせるシンボル、送電線の鉄塔に看板が掲げられ。

「いなか=田舎」・・・田んぼと家屋。
決して無人の山奥では無く、人が住み生活の香りがする領域。
ほんと、漢字はそれを上手く表現したモノです。

・・・人情味があり、お節介が先に立つ。
今も昔も、そんな空間に身を置いて・・・好きなんです、ハイ。