2016年2月17日水曜日

映画「オデッセイ」

ご諸兄各位殿


雨が降りそうであった先週末、予報では午後から春の嵐。
師匠ノンタンさんと管釣の予定でしたが、嵐ではせっかくの釣行が台無し。
金曜日の夕方に電話で話し合い、今回は潔く早々と中止にしました。

その代わりに先週末は、ゆっくりと映画を見てきました。
あまり映画館を訪れない小生。
行くにしても、もちろん渓流OFFシーズンのみ。
どうでしょう、約一年ぶり?

久々の大スクリーンで見た映画からなのか?見ごたえのある作品でした。
映画の邦題、意味は冒険旅行・・・あるホンダ車もこの名前。
で、原題の「Martian」はナゼか火星人?
双方とも全く脈絡が無い感じですが、内容は宇宙飛行士の火星サバイバル。

・・・ようやく、な~る、です。

時代設定はもう少し先の近未来?
一人で火星に取り残された者が如何に地球へ生還するか。
水なし、空気なし、食べ物なし、おまけに通信手段も限られて。
そこは遠く離れたお星さま、次のお迎えは数年後。
身近に残された僅かな物資、知識、技能を駆使して・・・


映画を見ながら思った小生、「渓流釣り」と「火星サバイバル」の比較。
こちらも一見、何の脈絡もなさそうですが・・・

他の釣りと違い、居着くことなく深い山中、その川沿いを渡り歩く渓流釣り。

双方で似ている部分は、まず「ひとり」というところ。
もちろん、渓流釣りも仲間とワイワイ出かければ一人ではないのですが、
基本的に釣りに興じているとき、川と対峙しているときは、おのおのひとり。

特に小生など、そのほとんどが単独釣行。
気が付けば一日、ご同輩のどなたとも出会うことなく川をさかのぼることも。

そしてもう一つ、渓流の周囲は美しくも厳しい大自然。
火星のように赤茶けた極寒の大地が延々と広がる、とまではいきませんが、
変に気を抜くと危ない世界には変わりません。

宇宙服ならぬウエーダーを着用し、携帯とお財布はタッパに入れて腰ベルト、
ペットボトルのお茶と僅かですが食料も持参です。

予想されるアクシデント(天候、野獣、疲労)に備えて準備万端で入渓、
釣りの最中も常に周囲には気を配ります。

そして、何か事があってもひとりで決断、ある物で解決、無事帰還が基本です。

では、双方での大きな違いは・・・

映画の主人公は好き好んで火星に残った訳でもなく明らかなる他責。
だから周囲も万難を排して救援に。

翻って渓流釣師は自ら好んで、ある意味でのリスクを背負い込む自責。
危険を冒してでも、得たい・見たい・感じたい何か、それが渓流にはあるから。

・・・こう考えると、渓流釣りは人様に迷惑、心配を掛けることなく、
無事に川からあがることが釣果以上の大きな責務にも感じられます。

マズいっすよね、自分のお楽しみで他人にご苦労かけちゃ!


主役のマッド・デイモンが、この手の映画で現れやすい悲壮感を漂わす事無く、
彼持ち前の役柄、ポジティブに問題をひとつひとつ解決して前進していく様。
・・・さすがにオレっち、あんなにカッコ良くはいかないけれど。

まもなく始まる渓流釣りシーズン、今年もまた無事安全を願って。