2020年9月27日日曜日

今シーズン最終は秋神川釣行

 


「なんじゃ、こりゃ?・・・もう、滅茶苦茶!」


<ああ、小市民のため息・・・>

一年ぶり、降りしきる雨の中で訪れた飛騨 秋神川。

そのランド・マークとも言える堰堤が跡形もありません。


(上の写真は昨年の今頃・・・)

今年7月の豪雨、それはここでも酷かったと、民宿から暑中見舞で知らされていましたが、まさか、これほどとは。

堰堤の上下流には、ここで釣ってくだされ的な人工護岸があったのですが、その一部は崩れ去り、対岸には大岩小岩・土砂が堆積して。

気候変動が叫ばれる昨今、改めてですが、川の流れが怒り狂った時、その恐ろしさ、すさまじさを感じます。

「ええんかしゃん?地球環境の将来は?世の中、人類はこんなんで?」

・・・一人の小市民たる小生が、そんなことをポツリと名古屋弁で言ったところで、何が変わるものでもなし。

せめて釣行は軽自動車で安全省エネ運転で、キジ打ち(小)はやむをえずとも、ゴミ・クズ糸はお持ち帰り、7寸以下の小魚はお持ち帰りしない・・・

くらいかな?出来ることって。でも、出来ることから・・・


<秋神川の袂に立って>

今朝は早朝から本降りの雨でした。

道の駅 あさひ での車中泊。

既に昨夜から雨の気配、諦めの臭いがプンプン、もう目覚ましのセットを6:00と遅めに。

その後、高根の日和田川まで様子を見に登りましたが、降りしきる雨、国道と山斜面に挟まれた狭い渓谷に降り立つことに怖じ気づき、本日のお宿に近い秋神まで引き戻った次第です。


・・・冷たい秋雨。

地球環境も去ることながら、コロナのきょうび、おちおちと風邪も引けません。

・・・して、本日の戦略は?

雨中釣行は極力で控え、午前中のみでもがんばったら、もう、お宿へ直行!

良い意味ではとても慎重、はっきり言えば軟弱な小市民は小生なのです・・・


桑之島の集落はその外れ、崩れた堰堤から数百mの下流、川は大きく蛇行します。

その辺りからの入渓。


昨年も雨の中、このポイントで竿を出したのですが、ここも大きく景色が変わってしまっています。

樹木に覆われていた中洲は消え去り、そこには岩が広範囲に堆積。

エサ師にしてみると、枝木の無い開けた頭上は振り込みやすく、また、釣りやすく。

結果、砂地にはたくさんのご同輩の足跡が。

荒れた渓相を見ていると、この夏の平湯川、蒲田川を思い出しますが、何が一体違うのか?ここ秋神川では「ドロ臭さ」を感じません。

こんな条件が重なると、言わずもがなの方程式、釣れるは小アマゴさんばかりナリ。

・・・でも、お魚が居るだけでも、ね、ヨシとしなきゃ。



そんな中、ひときわビックな引き加減のお魚が!

こりゃ、尺に近いのでは?

雨で増水の流れに乗られると細糸の当方、不利・厄介です。

慎重に、慎重に・・・緊張のやり取り。

雨で視界が霞む手元のたも網、そこに収まったのは・・・

また、今年も君か、お外道くん!

と言うことは・・・

渓相は大きく変わってしまった秋神川ですが、相も変わらず、お魚の楽園と言うことです。



雨がますます激しくなってきました。

枝木の漂流物に濁りも濃くなった様子。

残念ですが、本日はここまで、お宿に向かいました。


<午後からは日帰り温泉&情報収集>

民宿に向かう途中は西洞川、とても流れが濁っています。

その出会いより上流は本筋、秋神川の加減は笹濁り程度。

濁りはここからか・・・明日も出会いより下流はペケかな?


お宿に早々と入り、女将にご挨拶です。

必然と話題はこの夏の豪雨になり・・・

今見てきた西洞川が荒れに荒れ、これより遥か上流のお宅では、増水で玄関先にイワナが泳いでいたとのこと。

女将も川から岩と岩がぶつかる音、雷のような音を聞いたそうです。

・・・今回の釣行、帰路は鈴蘭高原越えで飛騨小坂へ。でも、いつもの県道は通行止め、う回路はこの西洞川沿いで鈴蘭峠に至ったのですが、何か所もの片側交互通行、土砂・倒木で埋まった堰堤など、酷いものでした。改めて、災害の大きさを思い知りました・・・


午後からは雨の中、たまにはいいですね、やることなし。

女将に近所の日帰り温泉を紹介いただき行くことに。


この温泉、最近で設定された秋神川のC&R区間、そこから上流に位置しています。

この辺りで糸を垂らしたこのが無く、温泉の前に川を覗き込むと・・・


雨は小止み、併設されるキャンプ場のお客さんが河原に。

・・・へ~、良い雰囲気じゃん。アプローチも容易で。

これ以上、雨が降らなければ、流量と言い、濁り加減と言い。

よし、決まり!明日はここで竿を出してみようか・・・


<雨も上がり、涼しい早朝>


この近辺は南北に流れる秋神川、まだ朝日は差し込んでいません。

昨日と違い良いお天気、遠くの山が朝霧で霞んでいます。

駐車帯には一台の高齢者マークの大型四駆、ご同郷は尾張小牧ナンバーがありました。

その主は見渡す限りではご不在の様子、ともあれ、始めて見ますか・・・



キャンプ場前の瀬では無反応、いい雰囲気なのに、おかしいな?

暫くすると、ご同輩はご老体が下から釣り上がって来られました。


「おはようございます。」と礼儀正しくご挨拶は小生。

「ああ、おはようです、今日は水が高こうて、難しいですわ・・・

 先ほど下って、もう、上に向かうところですわ。」

なるほど・・・それで、ここは無反応か。

職業病は小生の悪い癖(探偵じゃ、ないですよ)、チラ見でご老体の装備を。

竿は天平の5.3m、エサはイクラのみか・・・

こりゃ、我に勝機あり!

しかし、ほんと、イヤらしいなあ~、オレっち。


「エエですかの~?こっから下っちゃって?」と、心でほくそ笑む小生。

「ああエエですに。誰も下には居らなんだで。」と、ご快諾はご老体。

遠く飛騨 秋神で交わされる、お国言葉は名古屋弁。

・・・今週末も、アコギな”落穂ひろい”、その幕が上がります。


手前側に位置するポイント、そこはご老体がお手入れ済み、パスします。

難易度は高いですが、ギリ届く7m竿にて大岩の裏へ、ワイヤーと枝木を避け、慎重に狙いを定めて振り込みます。

この時ばかりは、小生、ものすごい集中力!

・・・とても粗忽者とは思えないくらいの!


して、その結果は・・・よっしゃ!8寸超え!

旧海軍のお家芸、アウト・レンジ戦法は、まだまだ続きます。

僅か数%の命中率だった当時の主砲弾。

きょうび、当方の命中率は70%くらい・・・もち、残り30%は”枝釣り”です(笑)。


<秋神川をさかのぼり>

キャンプ場前の瀬を後にして、さあ、秋神川を登ります。


9月も下旬、秋は本番を迎え始めます。

陽が差し込んできましたが、その感触は柔らかく。

山肌は未だ緑が支配的ですが、そこかしこに黄赤が混じり。


秋神川は初めてのポイント。

この岩の向こう側、木々の裏には、一体どんな風景が?

初めての場所はそんな楽しみと、一人で渓谷に分け入る怖さから、

歩みを進めたいような・無いような、複雑な心境が交錯します。

そんな中での釣行と釣果。

一人気ままな、でも、ちょっと不安な渓流紀行。

見通しの悪い林の中、腰に熊鈴・ままホイッスルを鳴らし。

お空の様子を注意深く眺めながら、少しでも曇りだすと増す不安。

「マズい、ここで降られて、川が増水したら、向こう岸に渡れないかも・・・」

不安と恐怖にかられながら、林を抜けて、広い河原に出てみれば、

そこは存外、近所の子供たち、その遊び場だったりして。

エエ歳をコイたおじさんの、そんなのんきな週末の冒険?

それも今シーズンは今日までです。


いつもシーズン終わり、渓流を後にする際に思うこと。


・・・コロナに水害、今年はいろいろ問題もあったけれど、

こんな感じで相も変わらず、一人で山の中の寂しい河原に、

降り立てられたなら、それ以上の幸せは無いような・・・



来シーズンは疫病や災害の無い、良い年でありますように。



<データ>

9月25、26日  秋神川

エサ   :ブドウ虫、ミミズ
竿    :7.0m 渓峰尖 
仕掛   :針 吉村7号 
      錘 2B号
      天井糸0.6号 1.5m
      水中糸0.3号 4.5m
釣果   :アマゴ 26cm 2匹
          7寸   3匹
      小アマゴ     ツ抜け
      イワナ 7寸   1匹
      小イワナ     3匹 
      お外道様     1匹                  
   ・地球環境を考え??寸表記はリリ~ス
気温   :15~20℃  
天候   :晴れ時々曇り
表層水温 :14℃