2020年5月30日土曜日

矢作川上流渓流釣行





矢作川は三河湾に注ぐ河川ですが、その源は遠く長野県の茶臼山です。
南信州を下った川は暫く愛知県を流れ、すぐに岐阜との県境を成します。
その後は矢作ダムを形成して、豊田・岡崎・吉良を経てから海に。


・・・オラが県の愛知県。
宣言は解除されたとはいえ越県しての移動、
いわゆる「またぎ行為」は差し控えてほしいのご要請です。

三密とは程遠い、山の中での渓流釣り。
とは言え、ルールはルール。

移らない・移さないを念頭に、準備・道中は十分に注意を払い、
新規開拓、奥三河は愛知県内を流れる矢作川へ行ってきました。




<矢作川上流は中庸の流れ>

稲武を抜けて一山超えるとR153は野入川と並走します。

暫くすると並走するは矢作川の流れに代わり、
大野瀬トンネルに入る手前、恐らくは旧R153でしょう、
朽ちてはいますが、幅の広い寂しい道路が国道から分かれます。

洞門を超えた駐車帯にハスラー号を留めて。

初めてのポイントは矢作川本筋。
道路と川面の落差は大きいですが、なんの、焦ることは無し。
探せばガードレールの隙間から、木立を抜けて河原に降りられる道が。

・・・蛇の道は蛇。
この辺りのカンコツ具合、ご諸兄ならお解り頂けますよね。


河原に立てば斯様な流れ具合です。

渓流よりは川幅があり、本流にしては流量は少なめ、
ここは7m竿を選択して。

エサは川虫、開始早々、この落ち込みの底から。


久しぶりはお魚の手応え、ピ~ンと張った釣り糸。
そのためなのか、サイズの割には引き具合が良く思えました。

いい案配、幸先がイイです、矢作川!


朝方は若干の冷え込みが感じられましたが、
陽が昇るにつれ、お空はピ~カンに。
釣りジャケットの背中が熱く感じられます。




<手応えの無い巨岩近辺>

久しぶり・せっかくの釣行、本日はどっぷり・ゆったり「浸りたい」です。

即決の一匹目から、今日は釣れるでしょう!の楽天的な小生の思考。
加えて新規開拓は身軽を維持したく、6寸サイズは潔く即リリース。


・・・ところが。


その釣果から直ぐの上流、
この近辺は川底一面が一枚の巨岩で形成されています。

そのためでしょうか?
先ほどから、残念、全くアタリがなく・・・


不自由なウエーダーで巨岩を登り、滑りやすいその表面を慎重に渡河。
繰り返される結果の伴わない振り込み・引き上げ作業です。

苦難・苦渋の遡行が暫くの間で続きます。



ようやく巨岩の川底が終わりを告げ、
ポツポツと小岩・大岩が見えてきましたが、それでも寂しい魚信は続き。

・・・後の後悔、先に立たず、
重なるは我が人生の如く・・・

「て~い!何を後悔しちょるんじゃ!
 6寸を一匹、リリースしただけではないか!」

もう一人の客観的な自分が、まま顔を覗かせ、自身を鼓舞します。
山の中は寂しい流れ、毎度、その水際で繰り返す、一人漫才は独り言。

渓流釣りは、ほんと哲学です・・・



<しかし、状況は一変!>

こんなトロ場を抜けてから、遥か上流に良さげなポイントが。


慎重に、慎重に・・・
静かなトロ場を荒らさないようアプローチ。

落ち込みの白い流れ、その際からミミズさんで。
よっしゃ!


してして、同じスジから、またまた。
よっしゃ、よっしゃ!



6~7寸の塩焼きサイズですが、良い引き具合のアマゴさんです。



・・・やっぱり、いや、気のせいか、何の加減なんでしょう?
サイズの割に手応え・走り具合が抜群に思える矢作アマゴさん。
久しぶりの釣行だから、そう感じるだけ??

この落ち込みと続く淵、トロ場への駆け上がりから、
堰を切ったかの如く、小気味いい竿絞りの連発です。



<本日のハイライト>

ひとしきり探りを入り終えたのち、さらに歩みを進めると・・・
またまた、激しい落ち込みに続く、日陰・木陰には大淵が。


巨岩以降の本日の展開、
それからすると、絶対に居ます!ここ。

でも・・・
頭上をすっぽりと塞ぐ木立に枝葉。

加えてポイント中央、見事に場所を台無しにするかの如く、
デレ~ンと水面に垂れるつる草も。

この自然が織りなす悪条件。
さ~て、如何に、これを、料理するか!


「まずはチョウチン仕様、天井糸を外すとして。
 落ち込みの白泡の横に仕掛けを落とし、距離を稼いで流れに馴染ませ。
 つる草に至ったら、やむなし、竿先を水に沈めてヤリ過ごす。
 この刹那だけは、残念、アタリは読めないが・・・」

渓流釣りは、ほんと戦略です・・・


さ~て、大事なるは第一投目。

上流の落ち込みの際、着水した仕掛けが、つる草まで流れます。
ここで穂先を沈めて、その間、1~2秒の通信不可?
つる草を通過したら、穂先を水上に戻して・・・

と!!
戻した瞬間、竿から手応えが、しかも、ずっしり重量級!?

即座に竿を立てるのですが、周囲の窮屈さ加減ときたら、
ズームを縮めても、まさに頭上は余裕無く。

・・・く~、南無さん!




幸運にもお相手は下流に走ります。

大立ち回りでどうにか頭上の枝絡みを回避、
少しムチャですが細糸での誘導、淵底からお魚を捻り出します。

もう、糸が切れたら、それはそれ!
死中に活路を見出す、この一匹との勝負!

大口をこちらに向けて、ツツツ~と水面を滑るお魚さん。
緊張の場面もいよいよ最終、たも網に収まったお魚さんは・・・




でっぷり、お腹の張った大アマゴさん、尺は僅かに無いかな~。





小生の狭い友舟にVIPのご乗船です、
これまで溜まった8寸以下の各位には、川へお退きいただきます。


さあ、改めて・気を引き締めて!

・・・と思ったのですが、
残念、先の駆け引きで大淵の場が荒れてしまったのか、
掛かるは小さなお外道様が一匹のみで、それっきり・・・

やっぱ、哲学です。



決して近所ではない愛知県内は矢作川の上流。
漁協の案内図ではこの近辺、アユ釣りがメインとのことですが、
意外なアマゴの釣果に驚きでした。


宣言は解除されましたが、まだ暫くは「またぎ」はご法度・・・
来週末は、また、奥三河、かな??



<データ>
5月22日 矢作川 
エサ    :川虫、ミミズ
竿     :7.0m  渓峰尖 
仕掛    :・針 吉村7号 
       ・錘 1号
                   ・天井糸 0.6号 1.5m 水中糸 0.3号 4.5m
釣果    :アマゴ 28cm 1匹(これのみお持ち帰り)
           8寸   1匹
           7寸   2匹
           6寸   3匹
       お外道様3寸   1匹
気温    :14~23℃
天候    :晴れ 後に薄曇り
表層水温  :15℃













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