2022年8月7日日曜日

夏ヤマメと夏アマゴ~庄川本流釣行

 


飛騨荘川の天然記念物は「治郎兵衛のイチイ」。
今シーズンは2回目、先々週に続きその駐車場での車中泊でした。

庄川が作ったのであろう河岸段丘、その中腹にある駐車場。
その位置から庄川は伺えませんが、せせらぎの音は良く聞こえます。

涼しい曇り空の早朝です。

昨夜は到着の前まで雨のご様子でした。

眠りに着く前は車外での一服、
見下ろす雨上がりの暗い田んぼ、その中に小さく白く光る点が幾つか。
ホタルでしょうかね?

今週末の車中泊はとても良く眠れました。


<ご同輩の居ない庄川本流>

雨上がりで曇り空、とても涼しい朝です。

今日は好条件が重なって、きっと釣り人で混み合うのでは?

そんな覚悟をしていましたが、
意外にも庄川のこの辺り、ご同輩の影は全く無くて。

しからば・・・
河原が広くてアユ釣り向きの本流、
釣り下ってもお魚に悟られる心配はないでしょう。

まずは本日一番の本命、暫く上流に登った大淵を目指します。


川は笹濁り・増水していますが、これくらいは渓流釣りなら許容範囲内。
ポイントを選べば渡河もできる程度です。


♬このカーブ曲がれば、別々の明日が見える・・・♬

見えて来ました、朝霧に陽が差し込む大淵が。

この上流の落込みは激流音、岩と木立に囲まれた大淵に響きます。

そんな中、朝霧を切り裂く本流竿での振り込み。
落ち込み後のうねった水面、その上を静かに目印が移動します。


・・・毎週末での小さな旅は、小生の渓流釣り。

もちろん、
お魚が釣れないよりは釣れた方が楽しいのですが、
非日常は前夜からの車中泊、そして早朝の山の中の流れ。

川面を伝う風はとてもやさしく、
釣りに集中すると、せせらぎの音は限りなく静寂、
その中に身を置くだけでも、十分に楽しくワクワクするのです。


・・・何を今さら、改まって、そんなことを?

いえ・・・

実は、本日一番は本命として訪れた大淵なのですが、
先ほどから、朝霧を切れども切れども、音沙汰が無いのです、お魚の。。。

全くの無反応かと言えば、そうでも無くて。
でも、お出まし頂けるのは小ヤマメさんばかり・・・

お!これは!
たまの場合でも、残念、6寸どまり・・・

諦めの悪い小生、
え~い、落ち込みの白波まで仕掛けを入れるんじゃ!
とばかりに、腰のあたりまで立ち込んで。

・・・ウエットの下は下着のおパンツ、水が染みてぐっしょり。
でも、夏の渓流釣りです、濡れてなんぼの商い!
帰路の着替えはイチイの駐車場、そこでストリップを演じるだけ!

それでも、
一時間ほど粘りましたが、
雨上がりの朝の大淵は、清涼感のみ、得られただけで退却です。


ここから上流は大岩が通せんぼ、
一旦、R158に出るか、釣り下がるかのみ。

ご同輩の気配が無い本日、
流れの太い本流でもあります、
予定通り、治郎兵衛のイチイに向け、中小場所ネライで下ります。



<出ない大場所、出る小場所>

曇りがちな本日ですが、陽はかなり登ってきました。

まま雲間から覗く、夏の青空。

この近辺はアユ釣りのポイントなのでしょうが、
この時間でもナゼなのか、本日、アユ師さんの姿もなくて。

夏のこの季節、
そのアユ師さんとのバッティングを嫌い、
渓流釣り師は庄川の本筋、そこを避ける傾向にあります。

その加減なのでしょうか?
育ちに育った釣り残り??

こんな岩際は流れの弛み、油断をしていました。

結構な引き・走り具合は重量級、
良い面構えをした泣き尺ヤマメさんでした。

好条件のハズな本日。
早朝からがんばって、ようやくの納得はその一匹。

でも、小場所なだけに、ここ、お後は続かないでしょう。
お魚を撮影して友舟に納め、
お茶と一服を所望の後は、引き続きで川を下ります。


<で、中場所は桃源郷!?>

もう暫く下ればイチイの駐車場。

ここからは平瀬が一色川の出会いまで続きます。

その平瀬の上端は落込み。
昨年はここで、岐南からの古老より、マジックを見せられました。

開けた場所に何の変哲も無い、中場所は小淵です。

そんなことから、昨年は竿を出しませんでしたが、
本日は最後のポイント、ここにトライしてみます。


川にせり出すボサをかき分け、屈曲した流れの中心に鎮座します。
お空は曇り空、いい案配です、自分の影が川面には薄く反映して。

8.5m竿を大きく振りかぶり、白波に仕掛けを投入、
高速で移動する目印、
白波が収まる対岸はボサのギリの手前、落ち着きます。

ゆっくりと流れる目印。
水面がウネリに変わった水域で目論見通り、アタリです。

アワセに返す手応えは先ほどの小場所同様、
イイ感じの良型か、尺は無いかな?

仕掛けは0.3号、
ムリせず適度に泳がせたら、お魚のお顔だけを水面に。


・・・お魚の全身が水中で無理をすれば、
そこは彼らの住む世界、全力で泳がれては糸切れです。

とは言え、このサイズです、
「抜き」は全体重が細糸に掛かります。
この場合、上半身だけ出した「お嬢様の半身浴」が宜しいようで。


お目文字が叶ったお魚、
それは薄く朱点が残るアマゴさんでした。

この子もイイ面構え。

本日の中場所は、このポイント・・・出ます。

ウロコの剥げかけた猛者ヤマメ。

パーマークが薄く残る半銀チャン。

ここ子は完全な銀チャンです。


ウネリの川底を凝視すると、まま幾つかの黒い影が動きます。
レーダー?には、何がしかの「水中艦隊」の存在が。

針掛かりすると、その中の一隻が大きく転舵、
ギラリと光る川底の銀影、黒い水中艦隊に乱れが生じて。


でも、この一隻は今までと違いました。
引き具合が超ド級、銀影・黒影のサイズも段違い。

いつもの持久戦、そして最後はバラシ。

しかし、仕掛けの先の針は健在、
掛かりのみ浅かったか・・・痛恨です。



<イチイの駐車場で>

釣りを終えて川から上がり、駐車場で昼食を頂きます。

いつもなら暑くてとても長居は出来ないのですが、
本日は少し湿った心地いい風、それが河岸段丘を抜けていきます。


腹七分目の軽い昼食。
食後はそれでも眠気が誘い・・・

ドアを全開にして、抜ける夏の風の中、暫しのお昼寝です。


<データ>
8月6日 庄川
エサ   :ミミズ、ブドウ虫
竿    :8.5m  渓峰本流 
仕掛   :針 吉村7号 
      錘  B2号
                    天井糸 0.7号 3.0m 
                    水中糸 0.3号 4.5m
釣果   :ヤマメ 29cm 1匹
          27cm 1匹
          7寸   1匹
          6寸   3匹
      小ヤマメ     数匹
      アマゴ 27cm 1匹
          6寸   1匹
気温    :18~24℃  
天候    :曇り
表層水温  :18℃
月齢    :8.4