2017年12月9日土曜日

犬山 継鹿尾観音 寂光院(もみじ寺)

ご諸兄各位殿


「もう、お天気が良い中、一人だけ川に行って楽しんで!」


冬の渓流巡りをした先週は土曜日の夕食時。
天候に恵まれ、紅葉も楽しめたことを告げると、家内から斯様な恨み節が。


確かに、家内も風邪を引いたり、家事都合が重なったりで、
先月の白川郷以来、週末のお出かけはご無沙汰です。

どこかへ、近くでも良いから・・・

それじゃあ、と言うことで、先週末の日曜日は午後、
お隣は犬山市、木曽川河畔にある継鹿尾 寂光院へ行ってきました。


前日に引き続き、お天気は快晴、暖かい小春日和でした。


この寂光院、地元では「もみじ寺」として親しまれ、
晩秋から12月上旬の初冬までが紅葉の見頃な名刹、
寒かった今秋では今週末辺りがその刻限でしょうか。

毎年、結構な参拝客で麓の駐車場は満杯。
過去にも何度か訪れている経験から、車は少し遠方の成田山に駐めて。

モンキーパークのちびっ子達を横目に・・・中年夫婦は歩きます。


本堂は継鹿尾山の中腹にあり、麓から階段を登ると息が切れます。
少しひんやりとする薄暗い紅葉のトンネル。
でも、見上げると陽に透かされた赤と黄の見事な天井。

成田山から歩いたこともあり、途中はフーフーのハーヒーです。




本堂への登り階段の横には、昨今、小型のモノレールが設置され。
しかし、そんなモノを使っていたら、参拝の御利益が薄まります。

信心深い家内もそのことは承知・・・中年夫婦は登ります。


ようやくお寺の本堂がある山の中腹に。
回廊を潜れば・・・眼下は木曽川、遠くに犬山・鵜沼の町並み。


快晴の青空の下、今季最後は紅葉の山々が広がります。



夫婦揃って神妙に本堂でお参りをして、次なるは「鐘つき」です。


日本の鐘は ”ゴ~ン” の ”~ン” で、この余韻に浸ることがミソ。
ガンガラと打ち鳴らす西洋のそれとは ”ワビ・サビ” 、
味わいが違うのです。

・・・我が家内、大きく振りかぶって!

流石は酉年生まれ、その守護神は不動明王だけあって力強く、
「ゴ~ン!!」と大きな音色が継鹿尾の山々に響き渡ります。

まるで日常、旦那を叱り飛ばすが如く!



が、反動で突き棒が大きく引き返し、返す勢いでまた鐘へ。

ここでヒモを保持して、再突入を防ぐのがキモなんですが、
既に仕事が終わったと、家内は手を放している始末・・・

二度打ちで、結果、「ゴ~ン、ごん!!」

・・・聞きようによっては、これ、和洋折衷、
鐘を打つ順番を待つ周囲の皆様のお笑いを誘います。
いつも見せ場を演じてくれる、流石は我が家内・・・



ひとしきり境内を散策、別院もお参りした後は、
先ほど登ってきた階段を、今度は下って山を降ります。


時刻は15:00ころ、既に初冬の陽は大きく傾き始め、
西日が紅葉を鮮やかに照らします。

・・・行きの登りとは、また違った趣です。



階段を降りきると、そこには一風変わった丸い石の置物が。
・・・七福神が描かれています。


「あの石を回すと良いことがあるそうよ。
 でも、煩悩が多い人は回せないんだって・・・」
どちらかのご婦人が、ささやかれます。


そんなことを聞くと、試してみたくなるのがウチの家内、
ハリキって挑みます。

・・・僅かでも、もらったばかり冬のボーナス。
その使い道で、頭がいっぱいのハズな我が家内。
さしずめ、年内いっぱいは、その煩悩の塊・・・

”ムリだって、回せないって、きっと・・・”
と、恐れ多くて口には出さず、密かに心でほくそ笑む小生。


案の定、家内が阿修羅、いや、不動明王の化身が如く形相で、
リキんでも、フンばっても、ピクりともせず。


「ちょっと!ニヤついていないで、ヤって見せてよ!」
と、今度は小生に八つ当たり。


いや、もちろん、小生にも人並みに煩悩があります。

”年末ジャンボ、いや~、ミニもあるでよ~。”(名古屋弁で)
”来季は40cm、いやいや、その前に長良川でサツキマス!”
”寂しい頭上、もう少し生えてこないか・・・ああ無情。”

でも、そこは男の体力と筋力。
これくらいの石、どうとなく、弁財天に手を掛けて・・・フン!


・・・冷え込む昨今。
小春日和とはいえ今は冬、油断は禁物なのです。
若干、丸石が回ったその瞬間、腰の辺りにピリっと電気が・・・

我が所業、観音様はお見通し・・・南無阿弥陀仏。