2015年6月6日土曜日

秘境 郡上大和 内ヶ谷釣行

ご諸兄各位殿

木曜日のお昼でした。
仕事で郡上に行く用事があり、その途中、
コンビニで買ったサンドイッチを美並の道の駅で食べていました。

長良川が望める屋根の付いた休憩ベンチ、そこで一人楽しく昼食。
昨日の雨から打って変わり、今日はピーカンで乾いた風が吹いています。
いつ見ても良い川です、長良川。
流れゆく川面を眺め、一人で悦に入っています。
今週末はどの川に行こうか・・・そんなことを考えながら。


いつもはカヌーの練習をする若者が川に居るのですが、今日は減水、
さすがに、それらしき姿は見えません。

ふと、灰皿を挟んで対面、一人のご老体がタバコを吸われています。
そのおじいさんが突然、

おじいさん 「あの~、○○○(小生の会社名)の方ですか?」

ロゴの入った工場の作業着での所用、知ってる身内の人なら解ります。

・・・げ、まずい!ウチの関係者??
               昼食とはいえ、油を売っているのがバレた?

小生     「は、はい、そうです。」
おじいさん  「ご苦労さんです、ワシも定年前まで働いちょりました。」

・・・な~る、奇遇にもウチのOBさんか、少し安堵です。

最近の業績のお話から始まって、昔の自分の上司の名前が出たり、
他社への出向時の苦労話とか・・・共通の話題、話が弾みます。

小生     「ところで、今日はどちらまで?」
おじいさん  「今、釣りの帰り。アマゴ釣り。」
・・・え? またまた奇遇!渓流釣りをするんだ!
       確かにキャップを被り、釣行帰りと言われれば、そんな格好です。

聞けば御年71歳、数年前の再雇用定年前からエサ釣り転じてテンカラへ。
同じ場所にたたずむアユ釣りはやらず、山奥を歩き回るアマゴ一筋・・・
何とも、小生と嗜好までもが似ています!

おじいさん  「今日も内ヶ谷まで行ったけど、人が多くて・・・」
        「それに風が強くって釣りにならんかったよ」
        「釣れたのは20cmが2匹に15cmが1匹」

その内ヶ谷、確か昨年の今頃ですが、一回だけ単独で行きました。
郡上で釣りをされる方は、その地名を聞かれたことがあるハズです。
今は誰も住んでいない、携帯の電波も届かない寂しい谷。
大和から標高1,000mの峠を越えてしか入渓できません。

実はその時、非常に怖い思いをして・・・
釣りの途中、背後の笹林が突然、大きくガサガサと波立ち・・・
                              熊に間違いありません。

そそくさと竿を納めて糸を丸め、魚裁き用のナイフを片手に。
見晴らしのきく川の浅瀬を中央突破、バシャバシャと軽巡まで退却・・・
そんときゃほんと、ビビリました。

トーゼン、その日の釣果はボーズ。。。


それ以来、釣行のときは小生の腰元では熊鈴が鳴っています。

・・・チリンチリンと股ぐらを奏でる熊鈴。
       歩く都度、腰を振る都度、くしゃみする都度、ちりんちりん・・・

その姿、師匠ノンタンさんの小学生のご子息に笑われました。
「キャッハッハ、なんか、たぬきのキ○タマみたい・・・」

少年よ、笑わば笑え、この姿・・・
大人にはイヤでも腰振り努めを果たす時がある、耐え忍ぶ時があるのです。
キミにもそのうち解るときがきっと来る! 
・・・ま、この話はこれくらいに。

小生     「でも、内ヶ谷って、熊が怖くはないですか?」
おじいさん 「そうのう。足跡も見たことあるし。まあ、でも、あそこくらい、
         居場所が無けりゃ、熊も落ち着かんじゃろ・・・
         自分の居場所を鈴ででも知らせておけば大丈夫だて」

内ヶ谷をホームグランドにしている我が社のOB、大したモノです!
まさに渓流の強者!百戦錬磨!怖いモノ無し!

別れ際にあいさつを。
小生    「また、どこかの川で会いましたら、その時は是非にもご指導を。」
おじいさん 「まあ、ムリせず気いつけてなあ。」

おじいさんを見送ると、彼は自家用車へ・・・が、何と!!
その車はゴージャスな最新型のトヨタはランクル!?
・・・今時の定年族はまったくにもって優雅です・・・

比べて・・・現役世代の小生は軽の「ネイキッド」・・・しかも15年落ち。
真夏のR156を窓全開でヒーヒー言いながら週末の郡上へ釣行です。
だって、エアコン入れたら走らないんだモン。。。

巨大な四駆で平日に天気を選んで渓流へ釣行・・・
            仕事で郡上に赴く身の上、早く左様にあやかりたいです。

・・・今週末の行き先は、これで決まりました。