2021年5月30日日曜日

飛騨 万波川釣行

 

人里から遠く離れた初夏の高原、
そこには乾いた風だけが吹いていました。


前日は猪谷行の最終が出発する夜9時半少し前、
宮川釣行の定宿?は、高山本線打保駅に到着しました。

夜半はハスラーの屋根を叩く雨音が。

翌朝、朝一番の下呂行と共に、小生も雨上がりの駅前を出立です。


<初めての万波川>

打保駅前から始まる林道は、一路、白山神社に向かいます。

神社の脇を抜けてから早くも始まる湾曲路に上り坂、
自然吸気の我がハスラー号、
狭い道をゆっくり登坂、いつの間にか打保の集落全体が眼下に。

谷川沿いの濡れた細い林道を慎重に登ります。
それから30分程で峠の頂き、標高は1,000m、
そこから若干、下った先が万波川でした。


・・・初めての川は万波川。
職場の「強者」さんのご紹介ですが、その第一印象は・・・

川幅もさして広くない、チャラい浅瀬の流れ。

先の白川郷の庄川は彼の言う通り、大きなブラウンで好釣果でしたが、
さては、今回は冗談好きの彼に、こりゃ、一杯食わされたか??

でも、彼の釣技はフライとのこと。
エサの脈釣りには合わないだけなのかも。

いずれ彼のオススメに従って、万波川沿いの未舗装路を下ります。



<身支度をして林道を>

取水口の堰堤、その下流の橋を渡り、
細い林道は通行の邪魔にならない取水施設前、そこにハスラーを停めます。

さあ、ここから更に下流へ向けて、寂しい山中の林道行軍です。
毎度、クマ避けに防水スピーカーから行進曲を鳴らして、いざ!

昨夜の雨は上がっていますが、お空は何となくの心配顔。
それでもまま、朝日が木漏れ日として差し込みます。
大音量は行進曲「旧友」が山々にこだまして。

歩くこと30分くらい。
ムリなく河原に降りられる高さ、それくらいに林道が下がりました。

この距離から釣り上がれば、お昼前にには堰堤に戻れるのでは?
深いヤブをかき分けて、河原に降り立ちます。


<渓相が変わりました>

万波高原は入り口で見た万波川と、今ここで目の前に広がる万波川。
・・・違いの分かる男、彼には判るンです、その違いが。



川幅は広がり、いや、全般に渡河は可能な深さですが、
所々に深場も存在して良い案配。

頭上を塞ぐ枝木も、あまり気にはならない程度。
選択は6m竿、天井糸ナシ・・・これならイケるでしょう!


人里に近い渓流では安全・防災のため、
川の流れを阻害する物体は除去されるのでしょうが、
ここは人家も無ければ、川の流れが変わろうが、誰に危害があるでもなし。

その結果、大きな倒木が川の流れを、行く手を遮っています。

でも・・・
こう言う場所って、好ポイントなんですよね。

拡大写真ですが、お解り頂けるでしょうか、魚影が?
もう、サイト・フィッシングです。

人の手が加わっていない、荒れたら荒れっぱなしの川。

地質の加減でしょう、礫も尖った小岩が多く、川底には枝木も堆積して。
・・・そのお陰で根がかりが頻発です。

糸を回収しようと川に立ち入れば、
ポイントと思しき場所には必ず、サッと動く黒い魚影が幾つも。
ほんと、濃いです、万波川。


でもご諸兄、釣れるからと夢中になる事、ご注意ください。
行き過ぎてから、ハタと気が付く粗忽者は小生です。

ここは人の手が付いていない山の中、
あんな危険なガレ場の直下で、結構な時間を楽しんでいました(怖)。





<のんびり、お昼には堰堤まで>

ワン・ポイントで一匹、の自己規制を掛けて、

・・・と言いましょうか、小生、
騒がしい下手作法が故、同所で2匹目が続かず、
もう、♬諦めの夏、ならぬ、諦めの境地でして・・・

釣り上がってきた万波川、終点の堰堤が見えてきました。


先週の大雨に昨夜の小降りと、高水であったであろう万波川です。
その甲斐があってか、小生でも好釣果でした。

ただ・・・
水の少ない時期・季節は、きっと、とても難しいでしょうね。

はるばると険しい道のりを越えての釣行でした。
そう考えると、今回は運が良かったのでは?



<無人の万波高原>

釣りを終えてから、その昔、万波の集落があった場所に立ち寄りました。


「高原」と呼ばれていますが、四方を山々に囲まれ「盆地」の様子です。
・・・あの山の向こう側は、はるばる来ました越中富山。

Wikiによると戦前での離村とのこと。
それ以降はあまり人の手が加わらず本日まで。

平らな土地は雰囲気から、自然に出来た感じではなく、
人為的に馴らして年月が経過したのでは?
生い茂る草の背丈加減、区画された道の様子からも。


人の気配を感じない大きな野菜の集荷場。
何もない真っ平な草原、そこでひと際に目立つ存在です。

朝方とは打って変わり、吹き始めた初夏の乾いた風。
万波川のせせらぎと、この風の音だけが、いつまでも聞こえていました。


<データ>
5月29日 万波川 
エサ    :ブドウ虫、ミミズ
竿     :竿 6m  渓秀 
仕掛    :針 吉村7号 
       錘 1号
       水中糸 0.3号 4.5m
釣果    :イワナ 26cm 一匹
           8寸   一匹
           7寸   二匹
           小イワナ 数匹  
       ※寸表記はリリース  
気温    :12~20℃
天候    :曇りまま晴れ
表層水温  :12℃
月齢    :17.4