金曜日の雨は夕方少し前に上がりました。
日中もさほど気温が上がることも無い雨の一日、
降り方も若干の控え目でした。
その金曜日の晩は車中泊、今週末は郡上白鳥のあゆパークにて。
翌朝の行先は積算降水量30数mmの石徹白川です。
夜中も雨が降ることは無かったのですが、少しだけ冷え込み。
長袖に長ズボン(ズボンって言わないか、最近は。)を着て、寝袋での就寝です。
寒さを感じることは無かったのですが、翌朝のハスラーの窓は露だらけ、
ドアを全開にした状態で朝食を頂きました。
「さあ、がんばって峠を越えるか。」
日本海へ注ぐ九頭竜川の上流は石徹白川、細道曲道の分水嶺は桧峠越え。
ハスラーのギヤをスポーツ・モードに変えます。
<石徹白橋は曇り空>
昨年の石徹白川釣行も朝方は曇り空でした。
その道中も小雨が降っていましたが、本日は深い霧が立ち込めています。
石徹白橋からの眺めは今年も残念、遥か遠方に臨む青い山々はお預けです。
でも目論見通り、石徹白川は増水はしていますが、然したるものでもなく。
途中、峠川のC&R区間では早くもご同輩の駐車を拝見します。
今年も、こりゃ、イケそうです!
石徹白川の西側を走る林道。
舗装のされていないその道を、4WDはゆっくりと北へ進みます。
今年もやってきました、昨年と同じポイント。
藪を漕ぐのは危険です、前回同様、枯れ沢を伝って入渓します。
対岸の少し下流にはキャンプ場が。
深山幽谷な石徹白川、人の気配が少しでも感じられるものがあると、
一人っきりでの渓流釣りです、薄暗い早朝は何となくの安心感がありますね。
<朝一番、一投目はご用心>
対岸は護岸壁、その直下は深さもあり、流速も良い案配です。
エサはミミズさん、目印下を1.5mくらいにして。
ブ~ンと本流竿を振り込み、うねった水面に仕掛けを投入します。
お空は曇っていますが、東の山からはお日様がちらほら。
朝一番は川面を走る風も心地よく涼しいですが、
流石に6月も下旬は夏至の前日、日中は暑くなるかな~。
そんなことを考えていたら、
上流に振り込んだ仕掛けが真横を通過した辺り、目印に変化が。
すぐで返す手応えは、どうだろう、6寸程度かな?
しかし・・・お魚は走り出します。
上流へ下流へ、次いで護岸壁へ、取って返して手前へ。
「違う、こりゃ、6寸程度じゃない。」
ピ~ンと張った0.3号糸。
お魚に馬力はありますが、でも、それはこの糸の範疇です。
手前に走ってきたお魚の上半身が水面上に。
目の前で刹那に伺えた大きな胸ヒレ、そりゃ泳力もあるわ。
目測8寸以上は間違い無し、よっしゃ!
お腰のたも網に手を掛けたその瞬間、
急に無くなる竿からの手応えと、視界から消えるお魚の上半身!
何じゃ?
チモトが切れたか??
いずれにしてもバラシです・・・
くっそ~、良いサイズを。(汚い言葉ですね、ご容赦を。)
でも、水中糸の結び、目印、錘と、
上から順番に確認しても針先まで異常はなくて、
無いのはエサのミミズさんの半分だけ・・・
針ハズレ?
あれだけ、縦横無尽に走られて??
これでは打つ手なし、かえって諦めが付きますし、
良い手応え、楽しませて頂けました。
<その後は快調!>
川に沿った長~い護岸壁です。
2~3回仕掛けを流したら10mほど上流へ移動して、その繰り返し。
その間、6~7寸のヤマメ、アマゴさんが間を置くことなく。
楽しいです、ありがとうございます、石徹白川。
<上流は林道側にも、似た流れが>
ひとしきり探りを入り終えた後、キャンプ場脇の護岸壁から移動、
その上流のガレ場にて本筋を渡河します。
木曽の末川、飛騨の秋神川でも感じるのですが、
一抱え程度のコケ蒸した岩が多く、滑りやすい上に大岩と違い軽くて、
粗忽者には非常に難儀、慎重な遡行が要求されます。
そんな湿った小岩の集団は生き物の楽園です。
さあ、ようやく渡河も終わり、上流にまた護岸壁が見えてきました。
<快調!その第二幕>
時刻は9:00を過ぎて、まま雲間に日は隠れるのですが、
高く上ったお日様に照らされて、川面がとても眩しいです。
もちろん、そんな時は背中もジリジリと・・・
先ほどのキャンプ場脇の流れと同様、
ここも護岸壁の際、良い流速と深さを併せ持つポイントが。
同じく、数回の振り込みと10m間隔の平行移動、
その繰り返しの間にポカリとタバコを所望する、
小生の自称「カニ歩き戦法」を展開します。
昨年の漁協の巡回さんからのお話では、
ここ数年はアマゴの放流は行っていないとのことでした。
でも本日は挙がるお魚の概ね半分は、良いサイズ・2~3年物のアマゴです。
放流されたアマゴさんが居ついて、きっと繁殖しているんですね。
それにしても、昨年も今年も、いわゆる小アマゴさん、
10cmに満たないような新子には御目文字が叶いません。
・・・釣り人にしては「弱い者いじめ」のように後味が悪くなく、
釣りエサの消費も抑えられ、とても良い傾向なんですがね・・・
引き続き、粗忽・不器用・加えて色気なしのオジサンにも、
良いサイズのヤマメ・アマゴさんが飽きることなく掛かります。
<さあ、今週も新天地へ!>
時刻は11:00です、まだ多少のお時間が。
この上流は未だに未開拓なのですが、確かまた遡行が難儀なガレ場があったような。
まあ、無理のない範囲で、行ってみますか新規開拓へ!
楽しませて頂きました、護岸壁よ、ありがとう、そして、さようなら~。
ガレ場の流れは複雑です。
よ~く観察をして、深場・急流は回避して、上流へ上流へ・・・
遥かに望む白雲と青い山々。
緑の木々と眩しい水面(みなも)。
これぞ石徹白川!
遠くまでやってきた甲斐があります。
・・・よく見ると、川岸にはご同輩がお一人、フライさんです。
こりゃ時間的にも、粘ってもあそこまでかな?丁度いいや。
それに恐らく、退渓口もあるハズです。
よし、この落ち込みを本日の最後としましょう。
その前に、腹ごしらえを・・・
< 内緒の話は あのねのね>
・・・その昔、幼稚園でこんな童謡を習いました。
♬ないしょ ないしょ 内緒の話は あのねのね・・・♬
教えて頂いたのは、きれいなきれいな「すみれ先生」でした。
(しかし我ながら、そんな古いことを覚えているね~。)
「コロナが怖いから、手をよく消毒してから、お昼は食べてよ!」
そんなこんなで、
家内から手渡された消毒用アルコールは「手ピカ・ジェル」です。
ランチ・パックをパクつく前に。
しかしながら・・・
ミミズの針掛けで、手の爪の中は真っ黒です。
果たして、アルコール消毒をしても、意味があるものなのか?
加えて・・・
そんな汚い指先で、絞めたお魚の解体処理です。
真っ黒な人差し指で、お魚の背骨に沿って血合い抜き。
夕食で、おいしい美味しいと、お土産のお魚を食べる家内。
彼女もミミズ、イモ虫が釣りエサなことは承知ですが、
ここまでに至る「工程の詳細」までは知りません。
・・・いやそれに、
毎週毎週で旦那が、川の深みにハマって危機一髪だったり、
落ちたら死んじゃうような岩崖をよじ登っていることなぞ、
彼女は知る由も無く。
家族へも話せない「秘密の出来事」が繰り返される渓流釣り。
♬ないしょ ないしょ 内緒の話は あのねのね・・・♬
ほんと「罪づくり」なことです、渓流釣り。
昼食の後、先ほどの落ち込みで頑張ったのですが、
既に先行するフライさんがお上手だったのか、
無釣果で根掛かりが2回でした。
・・・きっと何でも知っている、山の神さまからの思し召しです。
「もう今日は十分に楽しんだじゃろうに。
早よう帰って、あげたらどうじゃえ??」(ナゼか名古屋弁)
年に一回の石徹白川釣行ですが、今年も楽しめました。
<データ>
6月20日 石徹白川
エサ :ミミズ、ブドウ虫
今年もミミズに軍配でした。
竿 :8.5m 渓峰本流
仕掛 :・針 吉村7号
・錘 B1~B2号
・糸 天井糸 0.6号 3m 水中糸 0.3号 4.5m
釣果 :アマゴ 7寸 2匹
6寸 3匹
ヤマメ 7寸 1匹
6寸 5匹
*全リリース
気温 :13~23℃
天候 :曇り後晴れ 風
表層水温 :13℃