2024年7月7日日曜日

梅雨の中休み 馬瀬川渓流釣行

 


<兵どもが夢の後>

時が経つのは早いもので、もう10年も昔のことです。


四十の手習いとして始めた渓流釣り。

駆け出しのおじさんには真夏の吉田川では結果が得られず、
そこからほんの30分程は峠を越えた向こう側、
馬瀬楢谷での釣果には驚いたものでした。

せせらぎ街道を赤谷沿いに走る林道に折れた直ぐ、
馬瀬川に掛かる橋の袂から安全素直な入渓で、
塩焼きサイズのアマゴさんがポンポンと。

その年の7月は毎週末、このポイントへ通うことに。

冒頭の写真は橋の上からの当時の渓相です。
曲がりくねった馬瀬川の流れ、橋直下の淵は絶好な釣り場でした。

その翌年だったでしょうか、
道の駅 パスカル清見の駐車場も浸水するような大雨が。

馬瀬川も大きく氾濫。
その直後のこのポイントの状況は判り兼ねますが、
翌年のシーズンに訪れた際には大規模な河川改修工事が為されていました。


暫くの年月、このポイントへは足が遠のいて。

それでも自然の治癒力は目覚ましいのもで、
工事の影響も落ち着いたであろう数年前、
渓相が大きく変化したここでの釣果、
7寸程度のイワナさんでした。


・・・ただ、以前のようにポンポンとは行かず。

ネットでもこの場所、
フライ釣りの好ポイントとして紹介されています。

初心者でもある職場のAさんを案内する際も、
まずここに立ち寄るのですが、決まって必ずご同輩のお車が既に。


午前中は曇り空、午後から雨の予報は今回釣行、
久しぶりに覗いてみたら、
幸か不幸か、本日はまだ何方の影も無く。

僅かに残る往時の渓相・面影を感じながら、竿を出してみました。



本日の馬瀬川、
巷の情報から増水と思っていましたが、
その流れも上流も上流、ここまで登るとそれほどでも。

日中は暑い昨日でしたが、
涼しいパスカル清見での車中泊は就寝中、
車の屋根を叩く雨音が短時間に幾度かありました。

涼しい朝の川面を流れる朝霧。
瀬は無理なく渡河が可能な流れ具合です。


以前は岩盤で形成された淵があったポイント、
今でも淵は存在するのですが、当時よりも流れが素直で人工的?

全てを飲み込み自然がまとめ上げた素直な淵の流れ、
残念にも本日はお魚はお留守のご様子、
何度も何度も仕掛けを流しますが、手応えが無くて。

瀬を登った護岸壁横の流れから、
僅かにアタリがあるも、ここも残念、針掛かりには至らず・・・


改めて自然の対応力は驚かされますが、
千客万来の釣り人には、
小生の「腕の無さ」も手伝ってか、
お魚達はお疲れ気味、なのでしょうね?


<毎度の如く、谷に潜ります>

懐かしいポイントを後にして大原へ引き返す途中、
いつもの土斜面から熊笹をかき分けて馬瀬川のV字渓谷に降り立ちます。


ウエーディング・シューズには軽アイゼンを装着、
登山用のステッキを使用しての谷への降下。

それでも雨が本降りになると「登り」が心配、
渓谷から覗く狭いお空、それに注意を払いながらの釣行です。


一旦は行けるところまで、河原を下流に向かって。

その昔はこの狭所も徒歩で抜けられたのですが、
それは今は昔の物語です。

右岸の岩場をおサルさんか蜘蛛の如く、
慎重にへばり付いて抜けなければ無理なのです。

でも今回、
よく見てみると・・・何と!
誰かが垂らしたのでしょう、岩盤に遡行用のロープが。。。

あの狭所・難所を危険を冒して抜けてくる傾奇者は流石に居ないのでは?と、
これまで掟破りと知りながら、ここまで下っていましたが、
これからは、ここで「お上りさん」と遭遇するやも!?

・・・これも「時代の変化」ですね。


<曲者な蜘蛛の巣>

人間様のロープでは無いのですが、
川に張り巡らされた蜘蛛の巣、
それが本日はすごい事になっていまして・・・

蜘蛛の巣があるということは、
ここ暫くでのご同輩の訪問は無かったという証。

それはそれで、好釣果が見込まれる良い兆候も、
流石に程度の問題があります。

小生が使用する0.3号糸、
それと同じような太さの糸が、そこらじゅうの木々に!

いずれ近眼に老眼の身の上は小生、
光の加減で気が付くのもは回避するも、
釣り糸が着水しない、で気づくが大体でして。

蜘蛛の巣が絡まった状態では後々のトラブルの元、
出来る限りで糸や穂先から除去するのですが、
どうにもならなと糸交換のハメに・・・

・・・そんな交換作業の傍ら、しかし、不思議なものです。

蜘蛛の巣の中には、川のこちら側からあちら側まで、
流れのある川面の上を移動しなければ張れない巣も。

地下鉄車両をどのようにして地下に居れたのか?
ではないですが、
一体全体、どのようにして、
あの小さな蜘蛛があんな大きな巣を張ったのか?

・・・考え出すと、夜も寝られないですね。



<それでも、どうにか>

見えない敵、蜘蛛の巣が邪魔して、
川幅の狭い区間では大きな振り込みが効きません。

止む無く、そんな区間は「小振り」で対応します。

モグラたたきゲームやトランプは神経衰弱では無いですが、
お魚が居そうな、竿抜けされていそうな、
小さな落込みをひとつづつ、
丹念に丁寧にチョウチン釣りの要領で探っていきます。

その甲斐があって・・・

細身ながらイワナさん、長さは9寸あるのでは?

ガツんとくるアワせへの返し、
小回りの利いた素早い走りは逃避行の後、
取り込みの際、大きく開かれた赤い口が印象的でした。

曇り空が優勢な本日も、
まま、時間によっては日が差し込む場面も。

そんな日差しの下ですが、
川面を流れる風は適度にお湿り、
とても涼しくて、気持ちが良いです。

蜘蛛の巣が無い、こんな開けた踊り場から、
気持ちいい大振りの振込にて。

この辺りのポイントはアマゴとイワナの混生区域、
昨年、一昨年とアマゴが優勢でしたが、
先のイワナさんにはこのアマゴさん、サイズが及びませんね。

もう一匹、小イワナさんを追加して。


<相変わらず、悪運だけは、宜しいようで>

いずれ蜘蛛の巣が凄くて「糸紬作業」に終始した本日、
先ほどまでは日が差し込む渓谷の世界でしたが、
狭いお空を見上げると、今は雲が優勢、
直ぐにも降り出しそうな厚い雲です。


「渋めの釣果だけれど、今日はこれまでかな」


入渓ポイントは退渓ポイントなこの場所、
急いで軽アイゼンを装着して、リュックの紐を締め直して。

熊笹に覆われた急斜面を慎重に登り切り、
ハスラーのハッチバッグを開けた段でポツ・ポツと。

パスカル清見でのお昼時は本降りの雨でした。



<データ>
7月6日 馬瀬川 
エサ   :ミミズ、ブドウ虫
竿    :7.0m  天平 
仕掛   :針 吉村7号 
      錘 1号
                天井糸 0.7号 1.5m 
                水中糸   0.3号 4.5m
釣果   :イワナ   8寸強    1匹
                                5寸        1匹
                   アマゴ 7       1匹
気温   :18~22℃ 
天候   :曇り
表層水温 :18℃
月齢   :0.2