「良いわね~、あなたは毎週、涼しい渓流へ釣りに行けて。」
「お肌の曲がり角」をとうの昔に超えてしまった我が家内。
可哀想なことに、夏場は直射日光の元での外出はダメな様子です。
今住んでいる、故郷でもある尾張北部ですが、
いえ、彼女にしてみると郡上・飛騨の気候でさえ、
その日差しと蒸し暑さで、外出はしたくないとのこと。
数年前に訪れた夏の北海道は道東、
涼しくて指す日差しも穏やかでした。
この知床に釧路の旅が家内には良かったそうで、
毎年、夏になると繰り返される冒頭の台詞の続きが、
「ねえ、また行きましょうよ・・・夏の北海道」
そりゃ、アンタ、行けたら行きたいけれど。
決してエンゲル係数が良い値ではない我が家、
そう簡単にハイハイとは申せませぬ。
しかし・・・
毎年の夏で、事あること、釣果が良かった時なぞ、
斯様に呪文のごとく繰り返されては、
週末の密かなお楽しみ、我が渓流釣りの釣果に悪影響です!?
そんなこんなで、春先からの計画にて、人生で二度目の北海道へ。
ただし・・・
行き先は大自然の道東ではなく、
洞爺湖に小樽と札幌、そして富良野と、
ショッピング大好き、イン・ドア派の家内向き。
そして毎度・・・
釣り竿の持参は御法度です。
<プランにムリが・・・>
今回の旅行は宿泊先と訪問先のチケットをお世話を頂けるパック旅行、
レンタカーをお借りして、モデル・ルートに沿って巡ります。
あえて・・・
大手の旅行代理店様のお名前は申し上げません。
予定では新千歳空港から、一件の名所巡りの後に昼食は洞爺湖にて。
ただ、空港到着が10:30で昼食が13:00の予約、
その移動距離が約140km・・・名古屋~京都と同じ。
一件立ち寄る??
そりゃ、無茶でしょ。
加えて・・・
空港でレンタカーを借りるのに長蛇の列、これに一時間を要しました。
乗車してカーナビが示す洞爺湖の予定到着が14:30となれば、
この段階で致し方なく、食堂へは遅れる旨を連絡です。
お借りした車はダイハツの「ブ~ン」は土屋太鳳さん、
これで道央道を120~140km/hでカっ飛ばし、
旅行代理店様よりご立案での一件に立ち寄る事もなく。
・・・見よ!!
郡上・飛騨への渓流釣行で鍛えた、名古屋者の見事な走りっぷりを!
<碧い洞爺湖>
それでも遅めの昼食は、とても美味しい「ちゃんちゃん焼き」でした。
これをたらふく頂きまして、
その後での夕食は洞爺湖河畔のホテルでバイキング。
・・・小生は若干で胃もたれです。
お肌は曲がり角でも、胃腸の丈夫な我が家内は大丈夫そう。
ハイボールを片手にご機嫌、海の幸は海鮮・山の幸は地元野菜を。
・・・うらやましい限り、でも、何よりです。
その夜はのんびり、温泉に浸かって、ゆっくり腹ごなし??
翌朝はとても良いお天気、遊覧船からの洞爺湖の碧が望めました。
正面に温泉街の背後は有珠山、左の突起が昭和新山です。
<小樽の人情、名古屋人気質>
洞爺湖の遊覧船を下船して、
お昼到着を目指して洞爺湖から小樽へ向かいます。
本日もハード・ドライブ、これも120km近い移動距離です。
しかも、高速道路を使うことなく下道で、
それでも所要2時間チョイで到着します。
さすがは信号が少なく、直線・整備された道路は北海道。
いえいえ、「鍛え抜かれた」我が運転技術です??
お昼過ぎに到着した小樽の町。
観光客で賑わう名所での「あるある」は、駐車場は常にどこも満車。
それでも、一か八か、
とある細長いコインパーキングへ頭を突っ込んだのですが、
奥の奥まで見事に満車でした。
・・・さあ、如何したモノか、参りました。
仕方なくバックでゆっくり狭い駐車場を出ていると、
出口で一人のご高齢な婦人からお声がけを頂きます。
「良かったら、ウチの駐車場を使って下さい。
今日は仕事もお休みで、これから出かけますので。」
パーキングのお隣は店舗でしょうか?
ご婦人はそのオーナーさんの様子です。
「ありがとうございます、助かります。
あの、これ、少ないですが駐車代として・・・」
と野口英世を差し出すのですが、
「いえ、そんなつもりでは無いので・・・」
と、ご婦人は頑なに受け取りを拒まれます。
無理強いをして、お気を害されては申し訳なく、
まずはありがたくお心だけを頂きます。
丁寧にお礼を申し述べて。
小樽の港町を半日かけて、ゆっくりと探索。
・・・ここが、家内のこの旅での本命です。
ステンドグラスにオルゴール、
赤煉瓦の運河と前近代の建築物群。
その昔、北海道ではお米が作れず、
遙々と東北地方から船で搬入したそうです。
・・・いまでは米所の北海道ですがね。
そのため穀物商が小樽の町では盛んになり、
当時の系列銀行が軒並みに支店を開店、
その名残が古い前近代的な建物と。
良いお味を出しています、北の古い港町は小樽。
本日、渓流釣りに比べると、
距離にしてはさほどに歩いていないのですが。
なにせ、すごい人・ヒト・ひと・・・
慣れていないのか、とても疲れました。
さあ、今日の宿泊地は札幌へ向かいますか!
・・・帰りにご婦人の店舗の郵便ポストへ、
黙ってこっそり、お礼の言葉と茶封筒に入れた野口英世を投函して。
<富良野はファーム富田>
最終日は札幌から富良野へ。
これもまた約150kmの道のりです。
滝川まで道央道を走り、そこから空知川沿いにR38を。
あえて・・・
大手の旅行代理店様のお名前は申し上げません。
そのモデル・コースでは一旦、
旭山動物園(チケット代は込み)を見てから美瑛の青い池、
富良野はファーム富田まで、その後に新千歳空港へ。
絶対に・・・
そりゃ、無茶でしょ、あんた。
ファーム富田はその昔、北海道へ入植された福井県出身の方。
近辺は香料としてラベンダー栽培が盛んになったのですが、
化学が進歩して一時期は衰退、一件だけ残られました。
・・・何事も、諦めずに、続けるべきですね。
夏のこの時期はラベンダーは盛りの後。
代わりに色とりどりの花が咲き誇っていました。
相も変わらず・・・
ここでも家内はショッピングです。
二人して、ラベンダーのソフト・クリームを頂きます。
<空知川>
申し訳ありません、
今回の旅、目的柄・同伴者柄から河川の写真は一枚も無く。
ただ、本日の空知川は下から上まで、その変化を拝見できました。
北の大河 石狩川へ注ぐ支流。
富良野までは本日、茶色に濁った、のっぺりとした流れでした。
どうでしょう・・・
木曽三川は長良川、その岐阜市以南の流れを少し細くしたような?
しかし富良野から上流はとても良い感じ。
落差は余りなく蛇行が中心、馬瀬川は大原近辺でしょうか?
途中、ウエーダーを履いたご同輩も。
攻めるなら、ここらかな~?
・・・でも、ヒグマが怖いッス。
<最後の最後まで・・・>
ファーム富田を後にして、さあ、岐路は新千歳の空港へ。
またしても、その距離は概ね150km。
借り物はレンタカー、これを返納して搭乗時刻に間に合うよう。
19:30の飛行機に余裕を持たせて、14:30に富良野を出立します。
空知川沿い、金山トンネルを抜けて占冠へ。
ここから道東道で夕張を抜けるのですが、
あろうことか、高速道路が事故渋滞!
占冠から乗ってすぐ、トンネル内はノロノロの、まま停止。
時間ばかりが過ぎ去ります・・・
カーナビのレンタカー屋さん到着予想が17:30、
この時間が飛行機搭乗の限界です。
しかし、家内なのか・小生なのか、誠に悪運が強い!
予想到着17:33を示した辺りから、車が流れ出します。
もう、ここから先は、カーナビの到着予想時刻との競争!
毎度の如く、名古屋者の下品・アコギな走りっぷり全開!
17:31、17:39、17:42・・・表示が変化!
で、どうにか、
レンタカー屋さんには17:20に到着、さすが!
でも・・・お話は続きます。
飛行機の搭乗手続きまでは順調でしたが、
今度は乗る間際になって空港の地上員、
かわいいおねえさんのアナウンスが、
「本日、台風10号の影響で名古屋行きは離陸後に、
中部空港の状態によっては、ここ新千歳まで引き返す可能性が・・・」
頼むに~、おみゃ~さん!(名古屋弁)
車の運転は小生の努力?で危機回避できましたが、
こと、この飛行機の運航・気象状況に至っては・・・
仮に引き返された日にゃ、翌日は台風で「絶対に」飛行不可。
以上を持って小生のお楽しみ、お盆休みは「おじゃん」です。
え~い、ままよ、なすがなせ、トロくせ~!
新千歳を離陸した飛行機は一時間半後、
中部空港の上空で30分の旋回空中待機です。
風向き・風量、その機を見計らって、いざ、着陸強行突入!
こりゃ、揺れる、揺れる、客室後方から悲鳴が。
でも、家内は隣でお眠り・・・やっぱ、太いな~。
・・・うらやましい限り、でも、何よりです。
北海道に引き返すことも無く、予定よりかなり遅め、
午前様にて、自宅に無事、帰り着きました。。。
次回は絶対に、
家内が何を申されようが、竿を持参ですね、北海道!!