2024年10月27日日曜日

秋の信州 犀川殖産釣行

 

数年前から晩秋の季節に通っている信州 犀川です。

昨年の秋は諸事都合で訪問できず2年ぶりとなります。


思い起こせば・・・

初回は渡世の厳しさ?為す術も無く全くのボ~ズ、
2回目はイヤになります、取り込みの粗相でこれまたボ~ズ。

そんな粗忽者も場数さえ踏めば何とかなるモノでして、
3回目と4回目は幸運にもそれぞれ2匹づつの釣果を頂けました。

正直な印象として・・・
釣れても僅かな匹数、さも、難しいは犀川釣行、なのです。

では、なぜ、彼は毎秋も懲りずに、
250kmも彼方へ引き寄せられるのか?

僅かな釣果も掛かればオオモノ。
晩秋の北信は犀川と紅葉の素敵な風景。
熱くもなく、ヌルくもない、心地いい不動温泉・・・

はて?これだけか?
挙げた自分も考え込んでしまう、
数寄者や傾奇者にしか理解できない、
いずれ特殊な嗜好が作用している犀川釣行なのかも知れません。


<東電 平発電所はダダ漏れ>

R19を松本から北上します。
犀川殖産のポイントに至るには、必ず通る発電所のダム。


初回と先回は今回同様、激しい放水のご挨拶でした。

個人的な判断なのですが・・・
このダムの放水、無い時の方が好釣果なのです。
さすれば今回、チョット厳し目かな?


せめてもの救いは緑色の濁りが濃い流れ、
背景の色づき始めた紅葉と絶妙なバランス、とても綺麗です。

大岡の道の駅にはお昼前には到着。

これも犀川釣行のお楽しみの一つです、
道の駅の食堂で天ザルを早めの昼食として頂きます。

昼食後に様子を見るは、道の駅裏手の流れ。

やはり、先ほどの平ダムと同じ、濁りが濃そうです。
これまでの経験と比較すれば水位も高め。

さて、如何したものか・・・

この時、プランは2つありました。
一つ目は、先回、先々回と実績のある川口橋の上流でがんばる。
・・・でも、あまり面白味が無いような(それは、上級者のセリフ!?)

二つ目は、全くの深耕開拓。
毎度、とても平和な国は日本です、
エエ歳をしたおじさんが地図とにらめっこ。

川の屈曲と狭窄、等高線の入り具合から、
更級橋の上流は和田の集落近辺。
恐らくは川幅が絞られ、複雑怪奇な流れ、なのでは??

・・・ネットからオススメなポイント、
それを探すことも可能なのですが、数寄者は小生のみに非ず!?
ここに至る途中もご同輩で満員御礼の犀川でした。

それに、いずれのオススメも、
釣技のメインは遠投の利くルアーかフライのご様子、
如何に本流竿と言えど高々10m程度、「探り」の範囲は知れています。

濁りが入り水位の高い状況、
ここはもう、己の読み・技量を信用して「プラン2」を採択です!


<確かに、複雑怪奇・・・>

集落の細道を安全運転で分け入り、着いたポイントが斯様な案配。

押しの強そうな本筋の勢い、
それが対岸の波消しブロックを直撃、
跳ね返った流れで反転流を形成しています。

その上流は、これまた押しの強い早流れは直線流。

まずはこの、複雑な流れの反転流にて様子見します。

いつもの本流釣りは0.7号糸を使う小生も、
ここ犀川だけはご用心、
1.5号の太糸を「半ひねりぶしょう付け」で穂先に結わえます。

成育が思わしくなかった今シーズンの飼育太ミミズ、
それを吉村渓流8.5号に付けて、いざ!

・・・反転流なのですが、勢いのある流れ、
錘5B一個のみでは安定せず、5B+5Bの重量編成に。

繰り返される仕掛けの振り込みと引き上げ。
竿に伝わるは錘が川底の岩に当たるコツコツ感のみ。

ままこれが、
小魚のアタリに思えてしまうのが、
規模の大きな犀川、そこでの本流釣りなのでしょう。

残念ながら、複雑怪奇の反転流からは手応えナシ。
上流に向け、早流れは押しの強い直線流、それに視線を移します。

ここも本命からのアタリは皆無、
それが織り込み済みは心の準備も万端、
背中に陽の温かみを感じながらのシーケンス。

・・・これが小生の思う「犀川釣行」なのです。
少しずつ石河原を移動しながら結果の伴わない釣り。
数寄者や傾奇者にしか理解できないでしょう・・・

その上流はもう一つの犀川の屈曲点に至ります。

ここは対岸が自然の岩盤、
跳ね返りの流れも先ほどより一層、勢いがあります。

その反転流でも粘るのですが・・・残念ながら。


<実績ポイントの川口橋上流は・・・>


フライさんでしょうか?対岸ではご同輩のお姿が。


時刻も15:30を過ぎ、秋の陽は大きく傾いています。

日没まで時間がありません。
このポイントを諦めて、本日最後のワンチャン、実績のある川口橋へ。

ところうが・・・

2年前はここにも、いい案配の反転流が在ったのですが。

本日は水位が高い為なのか、はたまた、渓相が変わってしまったのか、
その流れは見ることは叶わず、至極単調も直線的な流れに。

・・・のっぺりとした、変化の無い流れ。
一体全体、どこを刺せばいいのか?
小生が苦手とする流れの一つです・・・

それでも、暫くトライしてみたのですが、やっぱり残念。。。


<さて、明日はどうしたものか・・・>

日暮れ前には竿を納め、本日のお宿に入ります。

いい湯加減はここの不動温泉、
それに浸かりながら、明日の策をひとり、考えます。


曇り空ながら雨の無い一日だったことから、
若干、明朝になれば濁りと勢いは納まるやも。

それに、引き続き明日にかけては曇天、
厄介な急な冷え込み、それは無いだろう。

少なくとも、
流れの変化が乏しい川口橋の様子より、
和田集落の狭窄ポイント、
本日夕方のポイントの方がベターなのでは?

何より、過去の犀川釣行を振り返ると、
初日はダメでも翌朝はグ~、なんてこともあったな・・・

よし!
今一度、自身の「読み・技量」を信用して。

・・・ひとりブツブツとお風呂の中、
ご同宿の方々には、その気味の悪さ加減、
この場をお借りしてお詫びを申し上げます。


<明朝、更級橋の上流にて・・・>

思った通りの明朝は曇天の下、
幸いなことに昨日のポイント、そこにはご同輩のお姿は無く。


暖かい朝です。

毎年はナイロン製のウエーダーを着込んでの犀川釣行なのですが、
今年は時期も少し早く、また、暖かい秋でもあり、
透湿ウエーダーでの出で立ちです。

・・・来年からは、いっそ、車中泊にしようか?


思惑通り、少しだけ水位は下がっています。
濁り加減は・・・難しいな~、判断が。
それでも悪くはなっていません。

昨日の午後と同じように、
2つの反転流を下流側から、犀川の狭窄ポイントを重点的に攻めます。

一つ目の対岸が波消しブロックの流れ。
・・・粘りますが、ウンもスンも無く。

二つ目は対岸が自然岩壁、一層に流れの強い反転流に。

水量と水勢、
共に強烈な流れから、
太い1.5号の糸なのですが、
油断をすると重錘でもあり糸が絡まります。

その糸絡み、一旦錘を外し、
チモトのほつれ、それを除くため針を付け直します。

エサのミミズも新たに付け替え、仕切り直しの一投目でした。

コツコツとした岩のアタリの後、
スっと吸われるようなアタリ加減が。

川底の岩と岩の間、
そこに錘が吸われると、同じような感覚なのですが、
今回のそれ、僅かに微振動が加わり・・・間髪を入れずアワせます。

返す反動はまんま根掛かり、
しかし、直ぐに移動が入り・・・来た、掛かりました!

ド~ンとした重い手応え、
それでもハッキリとした生命反応、
本流竿が見る見るうちに撓み始めます。

犀川の強い流れも重なり、未だ見えないお相手、メチャ重いです。
竿を懸命に立てるのですが、これがなかなか・・・浮いてきません。

少しずつ、少しずつ、当方も後退して水から上がり、
これで小走り・咄嗟の対応が可能となります。

浮きかけたお魚ですが、
またまた竿が大きくお辞儀を、川底へお魚は戻ります。

・・・これ、今までにない、手応え、かと。

長いです、対峙すること2分くらい?
ようやく、水面近くに浮いたお魚、
雷魚を思わす絵柄がくっきり、ブラウンです、目測50オーバー??

水上に顔さえ出させれば・・・もう少し。
その段で大きくお魚は顔を振り、再度で川底へ向かうご様子。

「させるか~!!」

恥ずかし気もなく、ひとり、河原で大声を。
一層に竿を立てたその瞬間、この期に及んで、何とバラシ!?

お魚はゆっくり、川に潜っていきます。。。

それと同時に脱力タイムズ!?
アドレナリンがス~っと、引いて行くのが判ります(笑)。


改めて、バラシ・敗因は何だったのか?
錘、糸、それに針、いずれも所定の位置にあります。

でも、バラシのあの瞬間、
糸が切れる「プツン」な感覚では無く、僅かに刹那「抜ける」ような感覚が。

よくよく、針を見てみると・・・

何と、針の懐、それが開いているじゃないですか!?
新品と並べると、それが良く判ります・・・

お魚が大き過ぎて、釣り針が耐えられなかった。
スレ針は吉村渓流、その最大は8.5号の限界だった!?

・・・世の中、逃がした魚は大きく見える、とは申しますが。



二日続けての犀川釣行なのでしたが、
己の「読み」は当たれど、終わってみればバラシのボ~ズ。

それでも、
最期はジェット・コースターの如く、アドレナリンが乱高下!?

・・・やっぱり、こればかりは、
そんなところにロマンを感じる数寄者か傾奇者は、
彼にしか理解できない、特殊な世界、なのかも知れませんね。



<データ>
 ●10月25/26日 犀川 
エサ    :ミミズ
竿     :9.5m SG パワースペックZR H+
仕掛    :針 吉村8.5号
       1.5号 9.5m トオシ 
                    5B+5B号
                    5B号のみ
釣果    :ボ~ズ
気温    :25日  ~19℃
       26日 13~18℃  
天候    :曇りまま風あり 
表層水温  :16℃
月齢    :22.3