「今から温泉に入られますか。」
初めての犀川釣行。
所用で自宅出立が遅くなり、夕方、暗くなってからの宿到着でした。
それでも、夕食後にまず一回目の温泉に入り。
”元は必ず取る!”がモットーの小生、二回目は寝る前に。
そこで偶然、お宿の主(あるじ)とご一緒になりました。
初めて宿泊するお宿。
漁協のHPにも記載され、日釣券を扱っているとのことで決めたお宿。
予約時のメールでは、渓流釣りだから翌日の朝食は結構です、
と伝えたら、代わりにおにぎりを用意しますよ、のご提案が。
旅館、民宿なら当然のサービスかも知れませんが、
建物の作り自体は「公共の宿」的なんです・・・
「もとは役所が運営していたんですよ。」
温泉に浸かりながら、主との会話で。
「でも当時は赤字続きで・・・そこで経営再建しました。
今は何とかトントンです。」
聞けばこの方、ご出身はこの近辺。
子供の頃は犀川での釣果が、その日の夕飯のおかずであったと。
ニジマス釣りのポイントも何カ所か教えて頂きました。
てっきり、元役場の方?と思っていたら、昔は大手化成メーカーに勤務、
営業部長まで勤め上げられ、海外の工場立ち上げにも参画とも。
・・・名古屋のネオン街も、ゲコな小生より詳しい有様でした。。。
その手腕を見込まれて?
里帰りは、傾いた地元施設の再建に一役、のご様子です。
「この秋は週末ごとに天候が悪く、思うように行きませんね。」
農林水産業に限らず、観光業にも今年の天気は影響を与えています。
「明日の朝は6時。
玄関を開けておきますので、まずは宿の直ぐ下の河原でやられては?
な~に、宿泊客か地元のモノしかヤリませんよ、そこの場所は。」
・・・ありがとうございます。
<犀川 道の駅の対岸にて>
朝5:00に起きたときのはザーザー降りの雨でした。
三度目の温泉に浸かり、おにぎりを食べた後に身支度を整え6:30。
出立とばかりにフロントへ行くと、お言葉の通り既にお宿の主が。
「もう雨は止みますよ。青空がチラホラと見えます。」
お礼と共にご挨拶をした後、宿の中の道を使わせてもらい犀川へ。
”急激な天候の変化・・・こりゃ、風が出るな。それまでが勝負時かな?”
朝霧とも雲とも言えぬ霞の向こう、紅葉がエメラルドの流れに映えます。
昨夜は日が暮れてからの到着で、川の様子が伺い知れませんでしたが、
この犀川・・・
今までの小生の拙い経験では、お目もじが無いタイプの川のような。
まず川幅がメチャ広く・・・いえ、そこは長良川も同じなんですが、
問題は流れの速さ・・・メチャ速い!
しかも、浅場も流速が速く岩と砂混じり、川幅の1/3くらいを締めて。
・・・入水は膝までが限界、魚が居そうな深場まで近寄れません。
もうひとつオマケが、濁りも何となく深いような・・・
これら全ての原因は昨夜半の雨なのか??
いずれ、非常に厳しい感じ、本日の犀川です。
10m本流竿をオーバースローで遠投しますが、流石にこの川幅、
ポイントを絞り込む、も満遍のない流れには、その判断も難しく。
・・・朝一番なんですが、全てが徒労、虚無に感じられます。
どうでしょう、500m程度の区間を2時間掛けて・・・
全くの沈黙、ウンともスンとも、アタリなく。
案の定、次第に風が出てきました。
こんな時は気分転換に、写真撮影に移行する小生なんですが、
本日の犀川、いえ、風景・色彩はバッチリなんですが、
何と言いましょうか、川の規模が大きすぎて・・・
<ルアー、フライ向きの本日?>
一通り竿を出した後、入渓ポイントに戻ってみると、
フライ師さんたちが、鋭い流れの落ち込み流心、その際を攻めています。
確かにこの川幅に水量・流速、「投げ釣り」の方に分が在るのかも・・・
ただ、こちら様も、風に煽られ思うように振り込めていないご様子ですが。
その中のお一人にお話しを伺ったら、
やはり本日はいつもより水量が多め・濁りも深め、とのこと・・・
「上流の”さざなみ”のヤナ近辺なら、エサ釣り向きでは?」
のご助言をいただきました。
<”さざなみ”ならぬ・・・>
常連さんの暖かいご助言に従って、場所を移動したのですが・・・
ここも流れは川幅一杯に広がっていて・・・
激し目の流れの中、ルアー釣りでしょうか?釣り人がまさに「点」の状態。
長竿とは言え、たかだか10mの延べ竿を繰り出しても・・・
トロくせ~!(出た、困ったときのお決まりは、名古屋弁)
そのもう少し上流、もうひと曲がりで発電所のダム、と言う、
川の婉曲はその河原で・・・
移動、移動の繰り返し。
先ほどから、代わり映えのしない風景に思われるかも知れませんが。
それでもここは、若干なりにも流れが緩く、川幅1/3くらいまで、
小生でも川の中に立ちこめそうです。
風の中、お昼は12:00まで、ここで粘ったのですが・・・
ますますもって、風が強くなり、おまけに陽が照っていても寒く。
ジ・エンドです。。。
やむなく道具を片付け、名古屋方面にR19をハスラー号は南下。
その直ぐ上流は、東電平発電所の様子。
あ・き・ま・へんは、こりゃ。。。
”元は必ず取る!”がモットーの小生。
信州は晩秋の風景、人との出会い、風情ある温泉は堪能出来たのですが、
残念ながら釣果だけは元が取れませんでした・・・
ここは、来季に捲土重来!ですね。
<データ>
11月11日 午前中のみ
エサ :太ミミズ
竿 :10m
仕掛 :針 吉村8.5号、 1号トオシ 9m
錘 B4+B3号
釣果 :ピクリも無く、完全ボ~ズ
気温 :6~11℃
天候 :小雨のち晴れ、回復と共に強風
表層水温 :未測定