前日の金曜日はお昼過ぎまで、尾張北部は結構な雨でした。
それでも夕方には薄日が差し込み始め、
到着した車中泊サイトは治郎兵衛のイチイ前駐車場、
夜空には西に半月が灯り、見上げれば満天の星空が広がって。
丘の下からは庄川のせせらぎが、
周囲の田んぼからはカエルの合唱が。
梅雨時の飛騨荘川、
雨上がりで涼しくも賑やかな夜は、
渓流釣り師が味わえる特権、明日の釣行にも期待が膨らみます。
良く眠る事の出来た翌早朝、今朝も爽やかに朝霧がお迎えです。
と、よく見ると・・・
田んぼのあぜ道の先端は庄川の土手縁、
一台の白いワゴンがドアを開けて何やら作業中、
こんな早朝に川の直ぐ縁で、あれはきっと釣り師です。
「しかし・・・エゲつない!」
こんな立派な駐車場があるのに、
あんな川の近くに停めずとも、
ご近所の都合も考えて、少しくらい歩いてもイイのでは?
身支度を行いながら、
些細なことで朝から立腹は小生、
我ながら、ほんと、器が小さいのです。
そんな小生の「心の叫び」が届いてしまったのか?
ワゴンからおじさんがこちらに歩いてこられます。
「おはようございます。」
とご挨拶を頂き。
器が小さく、隠し事が出来ない小生です、
つい心が顔に出てしまい、いつも以上のしかめっ面に。
それでも、
これが生まれ付いた星の性(さが)でしょう、
同性の歳上からはナゼか気軽に話しかけられるのです。
「お宅もアユ釣りですか?」
お話を伺うと、本日は何と、庄川のアユ釣り解禁日とのこと!
昨晩は暗闇で気が付きませんでしたが、
彼は昨日の夕方よりあの場所で待機、いわゆる「場所取り」のようです。
「そうですか、渓流釣りですか・・・
今日は難しいですよ、庄川での竿出しは。」
そう言い残し、駐車場のトイレへと向かわれました。
確かに・・・
周囲を良く見渡せば、遠く惣則橋の袂にも、既に何台かの駐車車両が。
これは困りました。
本日は雨上がりの庄川本流、
五連水車の裏手で久しぶりはオオモノ狙い、
長尺本流竿を振り回そうと画策していたのですが・・・
こりゃ、河岸を変えた方が、良さそうです。
<支流の一色川へ宗旨替え>
毎度の粗忽者は事前調査が成ってなく、
今日が庄川のアユ釣り解禁日とはつゆ知らず、なのでした。
恐らくそんな粗忽者は少数派で、
きっと、抜かりの無い、他渓流釣り師のご諸兄各位は、
ここ荘川近辺へのご出陣自体を見合わせられ、他河川に行かれるのでは?
そんな楽観的な憶測の元、
治郎兵衛のイチイからほど近い一色川、
その上流を目指してハスラーでさかのぼるのでした。
ここも久しぶりです、一色キャンプ場の少し下流。
きっと本日はご同輩も少なく、
このもう少し下流の橋からここまで、
対岸からの「釣り歩き」は可能なのですが、
本日のこの増水した流れ、まず渡河は不可能でしょう。
さすれば、ここを起点に、こちら側を釣り上がるとします。
開始早々・・・
お魚にピントが合ってなくてお粗末ですが、小物はヤマメの新子です。
本日、素直な瀬の流れからは、斯様な小物・新子が数知れず・・・
忙しい釣行になりそうです。
<それでも、お作法次第では>
お空は曇り空ですが、まま、薄日が差し込むタイミングも。
・・・夏の朝の渓流。
湿った風でも頬を撫でるは心地よく、
せせらぎの音と深い緑と空の青、
水の冷たさが足から伝わり、とても癒されます。
これだから毎週末での渓流釣り、止められません・・・
まともに仕掛けを流すと小物ばかりの釣果ですが、
岩裏や落込み横など緩めの流れを利用して、
仕掛けを十分に沈めれば・・・
何とか、塩焼きサイズが上がってきます。
・・・しかし、
小物を含めても本日のお魚達、
雨上がりの為か、引き具合が抜群!メチャ高活性!!
こんな大場所、もう、ウハウハなのです。
<あれに見えるは・・・ご同輩>
重なる釣果でいつも以上に歩みの遅い小生、
果たしてキャンプ場の橋までに何匹の釣果になるのか?
そもそも、こんなノロいペースで時間的に橋まで至れるのか??
まあ考えても詮無き事。
素敵な水景色の元、釣れるンだから、イイじゃん。
そんな状況の中、ふと、下流に目を移すと、
釣りを開始したポイントの対岸、
下流からご同輩が釣り上がってきています。
どうも、小生と同じく、エサ師のご様子です。
まあしかし・・・
本日の増水した一色川、
ご同輩には申し訳ないですが、
あのポイントを渡ることは出来ないでしょう。
ところうが・・・
かのご同輩、竿を畳まれたかと思うと、何と!
この激しい流れをずいずいと、果敢に横切られています。
げげげ・・・
ここ最近は「追われる立場」が多い小生。
「いや~、まいったな~、今週末もまた”二番煎じ”かよ。
しかも、ありゃ、きっと、相当な”強者”だぞ・・・」
どうにか無事に渡河されたご同輩、
当方との距離は100mもないくらい、
彼も小生の存在に気が付いているハズです。
そんな彼なのですが、
ここの地理を良くご存知なのでしょう、
小生に気を利かせてなのか、横の分流の枯れ沢に入られます。
・・・この枯れ沢の本筋との合流点、それは数百mほど上流です。
本日の小生のカメさんのような「釣り速度」、
きっとその辺りが当方の退渓ポイントかと。
丁度でお互いに、ご都合が宜しいような。
出来る・勝手知ったる、かのご同輩に感謝して・・・
<渓相が変わったような>
昨年の夏にも訪れたここ一色川ですが、
その際は職場のAさんとご一緒で、
入渓はキャンプ場より上流の林道を分け入った奥でした。
久しぶりの本日のポイントも、
何となくですが、前回より川の様子が変化したような気がします。
流れ着いた流木・倒木が目につき、
頭上を覆っていた木々が減った感じ、開放感があります。
・・・ある意味で、竿の長いエサ釣り向きの変化。
剥き出した地層や、今にも落ちて来そうな木々や土石。
一雨ごとに「崩壊」しているのでは?
・・・ミミズのエサにお魚が好感触なこと、納得です。
でも、あまり対岸には近づかない方が賢明でしょうね。
しっかりと、粗忽者は近づいちゃっていますが・・・
そんな渓相の変化と、
雨上がりの増水、出来るご同輩など、
好条件が重なって、急遽の宗旨替えで赴いた一色川での釣行でしたが・・・
尺上は流石に無いモノの、
正直、本日は正確なサイズと匹数、
そのカウントが不可能なくらい好釣果なのでした。
<帰路はのんびり>
釣りを終えての帰り道、スマホで地図を確認すると、
この一色川横の県道はひるがの高原の東側を抜け、
郡上 鷲見川の最上流部に続いている様子です。
・・・山深い道なのでは?
午後からは雨の予報ですが、まだ雨は降っていません。
高速代の節約に、また、見分を広げる意味からも??
無理をしない程度で、この県道を郡上へ抜けてみることに。
キャンプ場から真直ぐ南下する一本道、
勾配は結構な急でしたが道は舗装され、意外にもまま地元ナンバーの対向車も。
着きました、どうもここが、名もなき峠、標高は1,100mくらい。
車外に出ると一層に涼しい風が吹き抜けています。
ここから急坂・曲道を駆け下るのですが、
程なくして、小さくも細い、しかし、とてもきれいな流れが。
長良川支流 鷲見川の源流部の様です。
近くにはキャンプ場があり、意外にも民家・集落もあり。
そして・・・
イワナ狙いでしょうか、ご同輩のお姿もちらほらと。
その後は「やまびこロード」と合流して、
正面は大日岳のスキー場、鷲ヶ岳スキー場を横目に、
更に進むと今シーズンの初渓流釣行の阿多岐川が眼下に。
・・・今週で梅雨も明けるの予報です。
次週はきっと、暑さが戻った、厳しい釣行になるでしょう。
それでも止められない渓流釣り。
さて次回、どちらへ、向かいましょうか・・・
<データ>
7月13日 一色川
エサ :ミミズ、ブドウ虫
竿 :6m 渓秀
仕掛 :針 吉村7号
天井糸 0.7号 0.7m
水中糸 0.3号 4.5m
錘 1号
釣果 :アマゴ or ヤマメ 8寸 1匹
7寸 3匹
小ヤマメ ツ抜け、間違いなく
※朱点がビミョ~で判断付かず
※7寸以下はキリが無くテキト~です
気温 :16~22℃
天候 :曇りまま晴れ
表層水温 :16℃
月齢 :7.2