お盆休みも残すところあと二日。
前半戦の高原川&双六川は、まずまずの釣果でした。
行く夏を惜しんで、涼しげな川風に吹かれたく、後半戦は馬瀬川上流へ。
<早朝は朝霧に濡れる馬瀬川>
通い慣れた馬瀬川上(かおれ)は出合橋から上流。
馬瀬川のこの辺り、国道はトンネルを走り、旧道だけが川沿いに。
邪魔にならない大きめな駐車帯にハスラー号を駐め。
昨夜はこの上流は大原で数十mmの積算降雨量。
心配しながらパスカル清見、老谷近辺と馬瀬川の水位を見てきましたが、
それほどでも無く、かえってアマゴ釣りには良い案配です。
全てをしっとりと濡らした朝霧の中、エメラルド色の流れは力強く。
陽も未だ山影、予想通りの涼しい風が心地良いです。
いかにも釣れそうな雰囲気なのですが、
残念ながら今までここで、良いサイズにお目に掛かったことは無く。
・・・でも、流れだけ見ていると、ど~しても、竿を出したくなっちゃうんです。
案の定、お迎え頂いたのは、小アマゴさん。
ん!良い引き具合!こりゃ・・・
やっぱり君か!
サイズだけは申し分ないのですが・・・
晩夏の馬瀬川上流。
小アマゴさん、
お外道様はウグイさん。
五感から感じる風景、感触、香り以外にも、
その引き具合が、
移りゆく季節を味合わせてくれます。
入川口近くの流れを諦め、今日もまた、旧道を上に向かって歩みを進めます。
<増水時、渡河はご慎重に・・・>
次の入川口。
ここの流れはトロ場、対岸へ渡河して上流へ向かうのが上策。
でも残念、今日のこの入川口の脇、既にご同輩のお車が。
「この少し上の”落ち込み”は絶対に外せないな。
”二番煎じ”でも良いから、がんばるか・・・問題は先行ご同輩の”お作法”かな?
ルアーさん、フライさんなら、まだ当方にも勝機あり。
同じエサ師さんだと・・・小生の技量じゃ”技術的”にツラいな~。
まあ~、そんときゃ、そん時!!」
河原に降りても、そのご同輩のお姿は無く・・・既に上に登られた?
お目当ての”落ち込み”は左手の岩の向こう側、早速にも渡河に・・・
ところが、今日の馬瀬川は雨上がりの増水。
いつもは渡れるポイントが・・・少々、キツ目。
下を望むとトロ場を終えて始まる早瀬。
経験上ですが、水の動きが速くなる、その直前に砂・小石は溜まりやすく。
・・・やっぱり、一旦、早瀬の始まる際まで大きく迂回。
身長175cmの小生、釣りベルトまで水に浸かれば、何とか渡河は可能。
・・・当然、ウエットの中のパンツはビッチャビチャ。
夏の渓流釣り、濡れることを臆していては楽しめません!
<ご同輩のお姿は・・・>
どうにか渡河を終えて、お目当ての”落ち込み”へ。
何年か前、師匠ノンタンさんと、ここで爆釣でした。
さあ、始めましょうか・・・の前に、今少し上流を確認。
先行のご同輩が居られないか?居られればお声掛けを・・・
屈曲する川の流れの向こう側をのぞき込み。
あっ、見えます、人影が・・・ご同輩です。
ところが・・・
ご年配とお見受けするそのご同輩、緑豊かな山の中の河原、
下は白いお尻丸出し、上は下着一枚です。
まだ当方の存在に、お気づきに成られていないご様子。
・・・ご老体の身の上に、何が起きて、なぜ斯様な仕儀なのか?
おおよそ、察しは付くのですが、ここは、あえて「武士の情け」。
お声掛けは差し控え、屈曲する川の流れのこちら側、釣りを始めます。
<本日のハイライト>
ご老体の脇には長竿・・・エサ師さんの模様です。
”アッチャ~、こりゃ、厳しいな。”
ともあれ、
B1号の錘に付け替えて、落ち込みから加速する激しめな流れに。
白泡が消える近辺、目印が落ち着いて・・・
と!アタリです!
アワセで返す引きは良い具合!
加速された流れが加わっている、と仮定しても!
流れに沿って下流側に逃げるお相手。
しかし、食い込んだスレ吉村は、そう易々とは放しません。
・・・いつものように、スリリングで、かつ、チビりそうな、短くも長いお時間!
慎重に引き寄せて、落ち込みの段差越え、あと僅か2m程ですが、抜きます。
たも網に収まり頂いたお相手。
お腹の膨れた良いサイズのアマゴさんでした。
<ご老体、余りご無理を成されずに・・・>
このアマゴさんを友舟に納めている最中、
「こんにちは」
とお声が掛かり。・・・先ほどのご年配はご同輩です。
・・・既にパリっと上下は釣り姿。
ご老体 「いや~、河原で転んで、ずぶ濡れですわ・・・」
ああ、やっぱり。
ご老体 「良いのが釣れましたね・・・もう上がりますんで、ここ、どうぞ。」
ビクの中身を拝見しましたが、7~8寸が5匹ほど。
・・・先ほど小生が釣り上げたアマゴさん、ラッキーでした。
小生 「ありがとうございます。お気を付けて・・・」
その後、小生と同じく、キツ目な瀬始めをゆるり、ゆるり、渡河されるご老体。
いや、こんなことを申し上げては、非常に失礼なのですが・・・
なんか、こう、危なっかしくって。
見ているこちらがヒヤヒヤ・・・
流れ行く当方の目印なんか、とても見てられません。
しばし、行く末を注意深く拝見。
・・・それでも、無事に渡河を終えられたご老体。
でもまあ、小生も、実は、あのご老体と同じなのかも知れません。
いくつになっても、歳を重ねても。
冒険心、探究心・・・あの岩裏には、向こう岸には、一体、何があるのか??
川でひっくり返って、ズブ濡れになって、お尻丸出し・・・それでも、なお楽しい。
人様にご迷惑をお掛けしては、それは流石にいけませんが、
遠間から小生がヒヤヒヤ・ドキドキしながら見守るくらい。
ご老体、がんばってください!
<データ>
8月19日 7~11時
エサ :ブドウ虫、ミミズ
竿 :8.5m シマノ 渓峰本流
仕掛 :針 吉村7.5号、 水中糸 0.3号 4.5m
天井糸 0.6号 3m
錘 1~B1号
釣果 :アマゴ 27cm 1匹
小アマゴ ウグイ 十数匹 リリース
気温 :20~25℃
天候 :晴まま曇
表層水温 :17℃