「悪いけど、工事で通行止めなんですよ。」
時刻は夜の11時ころでした。
宮川下流の小生車中泊の定宿?はJR打保駅、
そこに向かう途中はR41とR360の分岐点は飛騨細江、
夜の国道で煌々と照らされる「通行止め」の看板の前でガードマンさんから。
「あの~、打保まで行きたいのですが・・・」
「国道360号は途中で行けないんですよ。
打保へ行くんなら、猪谷から入ってくださいよ。」
い・の・た・に??
・・・神よ!
私はあなたに問いたい!
週末の僅かなお楽しみは「川漁師」、
本日も残業を熟し、銭湯&吉野家で倹しく・急いで、
馳せ参じた小寒い夜中の奥飛騨にて、あろうことかこの仕打ち!
彼の平日の所業、
それが斯様に匹敵する程、悪行に満ち満ちたもの、とおっしゃるのか?
泣く泣く軽巡 ハスラー号は夜の寂しいR41を、
数河、流葉、神岡と高原川沿いに猪谷へ抜けるのでありました・・・
<毎度、朝一番は下呂行の各停と共に>
昨夜の思わぬアクシデントから車中就寝は午前様でした。
それでも日中のお疲れもあったのでしょう、
短時間でしたが比較的にぐっすりと眠れました。
簡単にカップ麺とおにぎりの朝食を済ませ、
上空をツバメが飛び交う朝もや・薄日差す駅前、
5:30の始発と共に、さあ、いざ、当方も出立です。
・・・これもゲン担ぎは恒例行事です。
いつも大釣り・数釣りで楽しませて頂ける宮川下流釣行、
この始発の下呂普通列車、それをファインダーに納めれば・・・
本日も好釣果は間違いなし!?
<増水のナリテ山のポイント>
いつもの釣り場はトンネルを抜けた山間のポイント、
本日も風が吹く予報ですが、このポイントは谷が深く、
そんな予報の日でも、降り立った川面は弱風が抜ける程度です。
昨夜の通行止めもあったため?
他のご同輩のお姿は無く、広い釣り場は小生の独断場!
しかしながら・・・
何度か訪れている場所ですが、これほどにも増水したことは過去に無く。
落込みからの白波が落ち着くことなく、どこまでも下流に続いています。
まあ、これも「川漁師」の修行のひとつ、
通い慣れたポイントでの、いつもと違う状況、
これへの対応力・適応力を高める精進、と考えて。
改めて河原に降り立ち、近くで見る宮川の流れ。
本日は緑が深く勢いもあり、岸に小波が打ち寄せています。
・・・竿は剛竿、糸は0.7号は9.5mの一本トオシ、
針は吉村8.5号で錘は5B号、これで行って見ましょう・・・
岸の手前は流石に流れが緩く、恐らくはお外道様の楽園が、
それでも、白波直下はいくら錘を重ねても流される勢い、
ここは白波激流と緩めの流れ、その際は間を狙うか・・・
狙いを定めての振り込みも、まま狙いを外します。
その場合は案の定、まずお外道様はウグイの釣果。
久しぶりの剛竿です、
徐々にその操作にも慣れてきて、
9.5mが思うように扱えるように・・・
白波の際へ着水、
振り込み直後は目印は早流れも、
進むにつれて・穂先を先行させるにつれて、
目印の動きが表層の流れよりゆっくり目はいい案配に。
・・・いや、素直ですね。
ここ宮川下流では小粒の部類、20cm中頃のニジマスでした。
次いで、今少しサイズUP頂けて。
<何を告げるのか?赤ムカデ衆>
本日の流れ、勢い・太さはありますが、
一匹の釣果の後に同じ場所・立ち位置での二匹目がありません。
居るには居るのですが、お魚の密度が低い?散らばっている??
釣り歩きでポイントを移動も、昨年のような「数釣り」には成らずです。
それから、気が付いたこと、もうひとつ・・・
水辺に近い河原の小石はその上、
至る所に色鮮やか・毒々しい「赤ムカデ」が・・・
この赤ムカデが流れの際、
岸辺にウジャウジャ、立ち位置に居るから気になります。
・・・何匹かは寄せる小波に流され、ぷかぷかと水面を漂っています。
こんなのがウエーダーに張り付いて、首筋まで登ってこられた日にゃ・・・
今回の宮川下流の釣行、
いつもの場所ではありますが「初めての経験」が多いです。
<これも初めてです、ハイ!>
昨年は渡河できたトンネルを出た橋の下のポイント、
もちろんですが、本日は渡河はとても無理、
白波は無くも深くてメチャ押しが。
ここを「4B+4B」でネジ込んでみます。
橋桁の後方は反転流、それを利用して仕掛けを沈めて。
押し・勢いのある本筋に仕掛けは流れ出します。
目印下は3.5mと深めにて・・・
数回の同じスジでの流しの後、来ました!
先ほどの20cm台とは明らかに違う重たい手応え!
深い緑の底の流れ、
高速で移動する銀色の物体
竿の穂先もその動きに同期します。
暫しのやり取り、恐らくは尺上、0.7号なら行ける!
強引にお魚へ浮上を促して、構えたたも網にイン!
久しぶりは今シーズン初、ハラ・ドキな尺モノとの対峙、お時間でした。
その後、橋桁の上流は同じような深くも押しのある流れへ。
ここは橋桁利用の小細工は利かず、
まずは上流遠方へ仕掛けを遠投、流れへの馴染みを待ちます。
川中央本筋は流れが早く、岸側手前は緩い流れ、
その間の「丁度いい案配の流れ」は意外と幅が狭くて。
何回かの振込・回収の後に・・・来ました、また!
この子も力があり、走りも早いです!
「竿長さ+糸長さ」は都合20m近いですが、
やり取りでは自分の移動も含めて結構な距離を要します。
お魚の勢いと流れの勢い、それが重なると0.7号でもヤバめ・・・
時間を掛けて、体力を消耗させて、さあ、寄せの段階へ。
たも網の納め・・・ん?
やたらと背の茶色が濃いお魚、ニジマスで無いような。
薄っすらとパーマークもあり、ヤマメ?アマゴ??
いずれ、ここ宮川下流では初めてのニジマス以外の尺上!
うれしいですね。
<消えた尺上ヤマメ・・・>
小生の小さな友舟、
尺上が二匹もご乗船されたら窮屈です。
尺未満の御仁には川にお帰りを頂きます。
・・・ただ、これが、後ほど貧乏クジに。
その後、欲張りな粗忽者は一層の尺上を求め、宮川を徒歩で上流へ。
先ほどの橋桁を利用での「小細工漁法」、
その二番煎じ・二匹目のドジョウを求め、高山本線の橋脚下にて。
シャッターには納められなかったのですが、
最近、特急「ひだ」号の車両、新しくなったのですね。
橋脚の上をガタン・ゴトンと、新型車両が走って行きました。
ただ、残念なことに、
こちらの橋脚下は浅め・緩めの流れにて、釣果はお外道のウグイ様のみでした。
時刻はまもなく10:30、
遠い釣り場は宮川下流、そろそろお開きのお時間。
本日の尺上釣果は2本、小生的には出来過ぎ!
河原でおみやげのお魚を捌きます。
まずはニジマスさんから。
久しぶりは暴れる大型魚、ナイフを持つ手も慣れません。
この作業に結構なお時間を要して。
その間、もう一匹のヤマメさんは、
たも網に納め包めて、川から数mの河原でお待ち頂き。
さあ、ようやくニジマスさんの「お捌き」が終えられました、
ついでヤマメさんに・・・
と、たも網を上げたら、
え?
お魚が、居ない??
いえ、水辺からは数mあります。
たも網に納める段階で、既にヤマメさんはかなり弱っていました。
ここから川まで飛び跳ねて帰られた?
はたまた、トンビかカラス、サルの仕業?
・・・いや、気付くよ、そりゃあ、流石に。
いずれ、楽しみにしていた尺上ヤマメ、残念にも居なくなってしまい・・・
これだったら、
20cm台のニジマスさんも取って置くべきでした。
・・・ああ、神よ、今週末も無情なり。
<データ>
5月13日 宮川下流
エサ :ミミズ、ブドウ虫
竿 :9.5m SG パワースペックZR H+
仕掛 :針 吉村8.5号
糸 0.7号 9.5m トオシ
竿 :9.5m SG パワースペックZR H+
仕掛 :針 吉村8.5号
糸 0.7号 9.5m トオシ
錘 5B号
4B+4B号
釣果 :ニジマス 36cm 1匹
9寸 1匹
8寸 1匹
ヤマメ 11寸 1匹
ウグイ 数匹
気温 :9~18℃
天候 :曇り 微風
表層水温 :13℃
月齢 :22.9