2024年7月21日日曜日

木曽 奈良井川&木曽 末川 渓流釣行

 

久しぶりは金曜日にお休みを頂いて、車中2泊での釣行でした。


シーズンに幾度か、今まで竿を出したことの無い、
新しい釣り場の新規開拓に挑む小生です。

郡上や南飛騨で培った釣技、
それが未知の渓流で、どれくらい通用するものなのか?

慣れ親しんだ渓流での目利き・お作法、
この流れのあの際から、これくらいのお魚が出た。

さすれば、場は違えど、
似たような流れから機転応用を利かせ、
似たような、いえ、それ以上の釣果を引き出す!

・・・当の本人はカッコよく、
「武者修行」のつもり、なのですが、
毎度の如く、道場破りは蓋を開ければ返り討ち!?

今回の長ったらしいお題も、そんな経緯が見え隠れ、していますね。


<初日は木曽 奈良井川>

木曽路は鳥居峠のこちら側、
毎度は「ポツンとおトイレ」で目を覚ます朝なのでした。

中山道は鳥居峠をハイキングで超える方々に用意された、
きれいでシャワー・トイレが嬉しい車中泊サイト、
ほんの一晩とは言え、お世話になりました。

標高は1,000mくらいある場所なのですが、
蒸し暑い昨晩は車内温度は26℃で湿度47%と寝苦しく、
運転席側の窓に網戸を設置して、窓を半分ほど開けての睡眠でした。

身支度を整えて、早朝の新鳥居トンネルを日本海側に抜けます。

抜ければそこは中山道の奈良井宿。

初めて目にする奈良井川ですが、察するに本日は増水気味です。

今少し木曽路を北上は川を下り、地図から贄川と平沢の中間あたり、
民家集落の無い、渓流の雰囲気があるであろう、
そんなポイントに入り込みます。

・・・経験よる地図の読み込みから、
もう、武者修行は道場破り、スイッチはONなのです。


地図上では全体的に大きな蛇行の少ない奈良井川、
車窓からの眺めも瀬が中心の様子でした。

このポイントも、そのご多分に漏れず。
それでも、流れのカーブが深場・浅場を形成しています。


「奥美濃流 細糸0.3号派、ここに見参!」

まあ、早速にも、竿を出してみることに・・・

湾曲する流れは、早流れと弛み、その境界線下から、
「小手 一本!」と言った所、7寸のヤマメさんでした。

・・・ビミョ~な背掛かり、でしたが。

幸先よく思えたこのポイントも、
ナゼでしょうか、アタリはあれど、残念、針に乗らずで。

小一時間を粘りましたが、まだ一か所目です、次のポイントへ。


<奈良井川、やはり基本は瀬の流れ>

地図を見て次に入ったのは日出塩の手前、
連続する蛇行した流れ、その一つのポイントに。


頭上を木々に覆われた、当方が不得手とするポイントです。

それでも、「雰囲気&こりゃ、居るよ」感はバッチリ!

長竿の振れる場所は限られていますが、
対岸の岩壁直下の流れに仕掛けを流し、釣り歩きします。

・・・この~、
不得手とする分野での勝敗、
これが「真の実力」を如実に表すのでしょうね、
お魚を釣ることなく、木々・枝葉を釣るばかりでして・・・

結構な時間を費やしたのですが、
この「如何にも」って場所で、結果は無し。

イケません、面を一本、取られました。。。


<救世主はスクーターのおばちゃん>

次なるポイントは洗馬の近辺へ。

桔梗が丘をゆったり流れる奈良井川、
大きく湾曲した流れですが、基本は瀬が中心のご様子です。

・・・小継ぎ7m竿を8.5mの本流竿に持ち替えようか?

それにしても、ここまで下ると増水の本日、
点在する河原は僅かで狭くワン・ポイントのみ、
加えて・・・曇り空なのですがメチャ暑いのです。


梨ノ木橋と記された木製の橋、
その上で思案に暮れていると、一台のスクーターはおばちゃんから。

「どうです、釣れますか?」

・・・年上は同性から受けの良い小生なのですが、
まま、異性でもお歳上からは快くお声掛けを頂くのです。

頂けないのは、ご妙齢な異性からのみ。

斯様な星の元の生まれつきで、世の中を渡り歩いているのです・・・

「いや~、どうしようか、迷っているところで。」

「私も若いころは、釣りをしてね・・・」

え?意外なお言葉が。

「この辺りは、あんまりね~。
 本山宿においしいお蕎麦屋さんがあってね、
 その奥にキャンプ場があるのよ、
 あそこなら入りやすいし、今でも多分釣れますよ。」

ありがとうございます。
親切なおばちゃんに、いいアドバイスを頂きました。

・・・でも、これって、
道場の賄いのお女中さんから、
秘技・極意の所端を教えて頂いた、そんな感じが。
かたじけのう、ござる!

いずれ、頂いたお言葉に従って、本山宿まで引き返します。

そして、着いたポイントが・・・

キャンプ場なのでしょうか?
河原には焚火・飯盒炊爨をした跡が。

それでも親切なおばちゃんのアドバイスの通り、
グランド横は橋の袂から、防獣策の扉からの入渓はとても楽でした。

対岸の木々が曲者も、こちら側は頭上も開け、7m竿なら丁度いい案配。

ふっと目に留まったのが、対岸の枝から降りたロープ下。

増水で本日は誰も居ないのですが、
恐らくはご近所のチビっ子達、その川遊びの場なのでしょう。

ターザンごっこで飛び込むには丁度良い深さの淀みが。

奥美濃流 細糸派の勘が囁きます??

そこに向けて、槍を大きく振り回し・・・

よっしゃ、もう一匹。

う~ん、見事に「小手抜き面」が決まりました。


<午後は奈良井ダムの上流へ>

本山宿に次いで木曽路の旅は奈良井ダムの上流へ向かいます。

翌日は伊那 三峰川の予定なので、いずれ超えるは権兵衛トンネル、
その手前の渓谷になります。

R361は権兵衛街道、その脇を走る林道は、
恐らくがこちらが本家本元の権兵衛街道なのでしょう、
その橋の袂から、竿を5.4mの短竿に持ち替え入渓します。


午前の木曽路沿いの奈良井川とは大きく違い、
標高が高いせいもあるのでしょう、同じ奈良井川でもとても涼しいです。

流れる水も冷たくて、とてもきれいです。

暫しの間、修行を忘れ、ぼ~っと、渓涼み。

あまりに渓谷美がきれい過ぎ、撮影のカットばかりが重なります。

さて、気を取り直して、武者修行に。

仕掛は0.7号が2.5mのチョウチン仕様にて。

モグラ叩きの要領で、
ここはと思いポイントを、ひとつづつ、ひとつづつ、
下流から上流に向かって基本は対岸、丁寧に攻略・探りを入れて行きます。

して、結果としては・・・

アタリは幾度もあれど、ここも針掛かりが無くて。


遡行をすれば足元をさっと走る黒い影が。

間違いなく居るには居るのですが、
その技、使い手はまるで忍術は隠れ身の術?
酷いとブドウ虫のみ持っていかれ、もう、処置無し!?

・・・無念、胴を一本、取られました。。。

まあしかし、
負け惜しみでは無いですが、
今朝から暑い中で張り切り過ぎました、
少しここではクールダウン、今少し渓谷美を堪能して・・・


<権兵衛越えれば、そこは伊那谷>

ひとしきり、奈良井川の最上流部で涼んだ後、
明日の下見は伊那 三峰川へ向かいます。

R361の長い長いトンネルは権兵衛トンネル、
そこを抜ければ雄大な中央アルプスの中腹、
伊那谷の町が遥か眼下に見渡せます。

・・・面白いのは車外温度の変化なのです。

トンネルを抜けた直後は20℃、
長い急坂を下りながら、谷底の町が近づきます。

それと共に、温度は21℃、23℃と急上昇、
ものの10分で伊那市街まで下るのですが、
気温は何と28℃と一気に変化、谷底の町は暑いです。

その伊那市から高遠町経由で三峰川の黒川へ。

しかしながら・・・

残念ながら三峰川とその支流 黒川は河川工事の真っ最中、
色も濁りが入り、とても釣りが出来る様子では無さそうです。


恐らくですが、この広い石河原、
日光の照り返しが厳しく、こりゃ、暑さ的にもムリかな・・・

さて、困りました。

一旦、高遠町まで引き返し、今日の汗を流しに温泉へ。

温泉に浸かりながら、明日の釣行行先は「一人作戦会議」も、
その前にもうひと汗は車中泊準備を。

・・・海には「磯の香り」があるのですが、
渓流にも「川の香り」があると思うのです。

こう、何と申しましょうか、
寝袋の敷かれた座席下は防水マット、
そこに置かれた濡れたたも網や友舟から、
その「川の香り」が立ち登り、そんな中での就寝です。

蒸せる夜はまま寝苦しく、
冷える夜は熟睡も、お腹が冷えて翌朝の腹下り?

家内に言わせると、まるで罰ゲームみたい、
と車中泊釣行を笑うのですが、
自分はそんな車中泊釣行が面白くて楽しくて。

・・・そこは、感性の違い、なのかも知れませんね。


さて、明日の目的地ですが、「武者修行」を目的に旅へ出たものの、
本日の奈良井川、
素敵な旅情に渓谷美は楽しめましたが、
釣果・勝敗としては、今一つ、なのでした。

・・・ここは、やせ我慢を止めて、
勝手が分かるも久しぶり、木曽 末川へ転舵することに。
(もう、軟弱者の至り、なのです、ハイ。)


<木曽 開田高原 末川>

昨晩は一旦下った権兵衛トンネルを再び登り、
車中泊サイトは毎度の開田高原大見沢駐車場にて。


前夜と違って車内温度は24℃、湿度は高めの57%でしたが、
やはりそこは二日目の車中泊、疲れていたのでしょう、
運転席側から入る夜の高原の風は涼しく、
とても良く眠れました。

朝の身支度をしている途中から雨が降りだして。

渡合の集落はその少し上流、末川はやはり増水していました。

川面を流れる朝霧。
流れは太と目・激し目ですが、
そこは勝手がわかる末川のこの辺り、
無理の無い範囲で立ち込んでも釣りは可能です。

開始早々、朱点がハデ目な木曽アマゴ、5寸モノが・・・

勝手が判るからでしょうか、
昨日の奈良井川と違い、流れの変化が豊富で、
仕掛けを刺すポイントが分かり易いような感じがします。

・・・「突き」が一本、決まりました。


・・・つばぜり合い、一歩引いて、胴が一本!

・・・これは掛かった際に尺モノかと思えたくらい、
高活性の8寸モノのアマゴは、踏み込んでの「払い面」です。

改めて、川の勝手が判ると、とても有利です。

・・・いつもの渓流にいつものポイント。
それに固執してしまう理由、やっぱり納得ですよね。


雨も上がり、ちらほら、青い夏のお空が覗き始めました。
こうなると標高の高い木曽 末川も暑いです。


今回の武者修行は釣行の旅、
二日目の末川は勝手が判るも2年ぶり、
そんなことから、まあまあ、目的は果たせたのかな?

お盆休みにはまたどこか、未知の渓流で腕試し、いえ、運試し!?


帰路は開田高原を横切って西野川沿いに。
柳又の展望台からの御岳山、やっぱり半分雲に隠れて。

武者修行も良いけれど、眼下の西野川、ここにも来たいところです。


<データ>
●7月19日 奈良井川 
エサ   :ブドウ虫、ミミズ
竿    :7.0m  渓峰尖 
                :5.4m 天平(奈良井ダム上のみ)
仕掛   :針 吉村7号 
      錘  B号 
               天井糸   0.7号 1.5m
               水中糸   0.3号 4.5m
             :0.7号    2.5m(奈良井ダム上のみ)
釣果   :ヤマメ    7寸    1匹
           6寸    2匹
気温   :20~24℃ 
天候   :曇り
表層水温 :18℃ 
月齢   :13.2

●7月20日 末川 
エサ   :ブドウ虫、ミミズ
竿    :7.0m  渓峰尖 
仕掛   :針 吉村7号 
      錘  2B号 
               天井糸   0.7号 1.5m
               水中糸   0.3号 4.5m
釣果   :アマゴ    8寸    1匹
           7寸    2匹
           6寸    3匹
                               5寸以下    数匹
      イワナ    7寸    1匹
気温   :18~22℃ 
天候   :雨まま曇り・晴れ
表層水温 :16℃ 
月齢   :14.2