GWは普段の週末では行けない、遠い渓流に行って見よう。
そんなことから、
4年前は降りしきる雨の中、木曽 末川・西野川・黒川へ。
3年前はコロナ禍もあり、家でおとなし~く過ごしたものの、
一昨年は大井川の遥か上流は寸又峡へ、
(この釣行、ピクリも無い全くのボ~ズだったので、ここには記さず)
昨年は大台ケ原の北山川へ赴きました。
今年はどこに行こうか・・・
そんなことをシーズン当初から考え、今年は南アルプスの麓は甲斐 早川へ。
5年前にもここ山梨県へ来る機会があり、
そのときは早川か大門川(須玉川)と迷った挙句の八ヶ岳山麓でした。
思い描くは・・・
井上 聡さんが手にする「タイ焼き」のような本流太アマゴ!
・・・世の中、シロウトの腕前じゃ、そんなに上手くは行かないって、ね!
<雨後の早川は、こしあんスム~ジ~?>
「我が軍勢、西へ向かう!」
斯様な下知の元、信玄公は京都を目指し甲斐を出立。
三方ヶ原の合戦では徳川勢を見事に撃破・・・までは良かったのですが。
当方も雨降る新東名を逆方向、
軽巡ハスラー号は巡行速度80kmで東に登るのでありました。
程よい雨降りの後は「タイ焼きアマゴ」がお出迎え!
・・・が、しかし・・・
午後2時に到着の早川、雨は上がっているものの・・・
もう、ドロドロの流れ。。。
いや、富士川との合流点に近い下流はこんな案配でも、
上流に登れば少なくとも水は澄んでいるのでは?
こんな心もとない願いの元、南アルプス街道を登る事、西山温泉まで。
ダメだ、こりゃ。
もう、笑うしかありません。
・・・拙い釣行経験ではありますが、
これまで幾つもの「休日」の川の濁流を、悲しくも拝見してきた小生です。
高原川、西野川、庄川・・・
恐らくこれは地質の影響なのでしょう、
上記河川の濁流はいずれも茶色はコーヒー牛乳、もしくはカフェ・オレでした。
でも、ここ早川の濁流はセメント色と申しましょうか、
灰色に若干の茶色を混ぜたような。
上述の如く、飲み物に例えるなら、そうですね、
小豆の「あんこ」を濾した「こしあん」、そのドロドロはスム~ジ~??
フォッサマグナは花崗岩や石灰岩から形成され、きっとその色が濁流の色に。
・・・何が一体、「タイ焼き太アマゴ」なのか?
川の色はその中身、お上品な「こしあん」とくりゃ、
いずれにしても、本流釣りは、とてもムリです、ハイ。。。
もう、こうなれば、開き直りです!
遥々と、ここ、甲州まで来たのです。
温泉にでも漬かって、痛んだ心、それを癒すことに。
<毎度、生まれ付いた星の元>
こちらの温泉、湯温は40℃と温くもなく、熱くもなく、のんびり露天の下で。
源泉かけ流しのお湯は透明も、ほんのり硫黄の香りが。
当初はポイントと目星を付けた早川の各所、それらを巡る予定でしたが、
それらの事前準備は呆気なくも、全てが徒労となってしまった今、
急ぐ旅でもありません・・・一時間ほど堪能しちゃいました。
温泉から上がり湯冷ましに園内を散策していると、
メンテナンスでしょうか?
バンガローの引き戸、それを修理されているおじさんが。
「こんにちは、雨は上がりましたね。」
と小生。
「いや、本当によく降りましたよ。」
・・・どうも新東名での降り方と、こちらのそれは違った様子です。
「釣りで来られたのですか?」
・・・小生が着ている釣りチョッキ、それを見てのご判断でしょう。
「はい、でも、この状態じゃ・・・釣りは諦めました。」
「そうですね。
本筋はこの状態だと早くて明日の夕方頃でしょうかね?
濁りが取れてくるのは・・・」
・・・もう、完全に今回の釣行はアウトです。。。
「それでも、支流に入れば割と早く濁りは無くなるんですよ。」
・・・お?一縷の望みが見えて来たか!
もう少しお話を伺うと、おじさん自身は釣りは嗜む程度とのこと。
それでも地元の事は良くご存知、
ご親切にも早川の特徴や雨後の経過など、諸事諸々と教えて頂けました。
「先日も釣り人の事故があったんで、もっと下流の方が安全ですよ。」
・・・自分より年上の同性からは親切にされる、
良くも悪くも斯様な運命、星の元の生まれは小生なのです・・・
さて、ここは一旦で山を下り、麓は身延の町で夕食と車中泊。
明朝は早川の本流は諦めて、下流から支流を見て回ることに。
<道の駅 みのぶ で迎えた明朝>
道の駅で迎えた朝は、雲があるものの無風、まあまあのコンディションかと。
出立の用意もできました、いざ、早川の支流巡りの旅へ!
南アルプス街道を本日もまた、上に向かって登ります。
昨日の温泉のおじさん、彼の言われた通り、今日も早川本筋はスム~ジ~です。
その流れを横目に、最初の支流は・・・米無川。
流れは澄んでいますが、雨上がりの今でも流れは細め、パスします。
次いで・・・春木川。
ここも流れが細く、頭上が木々に覆われてチョウチン戦の様相、パスです。
その次が・・・雨畑川。
勢い・太さは良いのですが、ナゼか濁っています。
地図で確認すると上流にダム湖が、期待を持って川沿いの県道を登ってみます。
崖の際の細い県道、それ沿いに集落が幾つか。
ただ残念、登っても登っても川は工事中の様子、濁りもこの為でしょうか?
川の雰囲気や渓相、釣りの触手が延びず、都合往復30分のロス・タイムでした。
・・・今朝の支流巡りの旅、なかなか「これは!」に出会いません。
でも、いよいよ、早川沿いに再び街道を登り、中学校を過ぎた辺り、
流れに勢い・太さがあり、水も笹濁り程度の支流が。
待ってました!
・・・その名は「保川」とのこと。
街道を折れて直ぐのダム工事事務所、
その前に駐車させて頂き、今少し状況を確認します。
先行者らしき川崎ナンバーのRVが気になるも、
宜しいのでは、ないでしょうか?
早速着替えて、もう、うずうず、作戦開始です!
<早川支流 保川はアマゴの渓>
南アルプス街道の橋の下、そこから上流へ釣り歩きます。
流れはイイ案配も、果たして如何な支流なのか?
雰囲気は「イワナの渓」も、早速の結果は5寸程度のアマゴさんでした。
なんとなくですが・・・少しやせている、ような?
最初の堰堤まで釣り上がり、釣果は痩せたアマゴが一匹のみ。
宜しいのか・宜しくないのか、判断が難しく。
一旦、川から退渓をして、「私有地」と示された区画を回避、
その奥の吊り橋から再度、保川の河原へ設置された梯子で降り立ちます。
その吊り橋の上からの景観・・・こりゃ結構、期待が持てるのでは??
小生のような「一見さん」が期待する渓相です、
リピーター、はたまた本流がペケの際の逃げ場を知る御仁、
居てもおかしくはありません・・・先ほどのRV車の持ち主かな?
でも、不思議とこの先行者の足跡なんですが、
ナゼなのか、川下に向かっています。
気にしても詮無き事、ようやく見つけた支流です、ここで頑張るしか道は無い!
<川虫が少ない保川>
ミミズとブドウ虫を用意してきた小生ですが、
試しに川底の石をひっくり返して、川虫を採取してみます。
ところうが・・・
たも網に落ち葉・小石の類は入るのですが、
川虫の数は少なくて、居ても小さなサイズばかり。
これも地質の影響なのでしょうか?
主に花崗岩や石灰岩からなる川底の白い石。
ポイントと思しき場所、そこからまず挙がるアマゴさん、
そのスリムな、小生のような?細い体形に納得、
色は姉川のように白が引き立ちます。
・・・お魚の数は居るのですがね。
ブドウ虫に食らいつく良い引き具合、それでも6寸程度かな。
ゆっくりとカーブする保川、その見えない先から轟音が聞こえます。
ゆっくり・ゆっくり釣り上がると、木立の陰から見えて来たのは・・・
高さはどうでしょう、10mくらいの大堰堤!
水しぶきが、まだ距離はありますが、ここまで飛んできます。
マイナス・イオンのシャワー、気持ちいいです。
・・・先ほどの先行者の足跡、
この堰堤のコンクリ下の砂地から始まっていました。
登り方向には、このお方の足跡は無し。
岸から離れた木立の中を、大場所目指して一直線?
はたまた、釣り人では無くて、ダム・土木の建築関係者?
ヘボな腕前の小生でも、今回は斯様な釣果匹数です。
・・・いずれもサイズは小さめの細め、ですが。
察するに、後者の可能性が高いかな。
いずれ、大場所の堰堤下は溜まり場、
探りを入れても残念、反応はなし・・・
本流釣りを願って訪れた南アルプスは早川でしたが、
毎年のGWは天候と日程が噛みあわず、今回は(も?)支流で渓流釣りに。
それでも苦手科目の「チョウチン釣り」にならない程度の川幅に、
今週末はどうにか、数は良い結果を残せました。
所変われば品も変わる、は、雨降り後の川の色。
それでも渓流釣りの「お作法」は、国内ならどこでも通用するようですね。
またいつか、やってきますか、早川の本流へ。
<データ>