新コロナの第三波が押し寄せています。
今シーズンはコロナの影響で、例年よりも釣行回数は半分程度でした。
毎年の秋はシーズンが終わった後もお楽しみが。
萩原オオモノ・マス釣り大会や信濃新町の犀川遠征です。
でも、マス釣り大会は漁協から、ご丁寧にも中止のお葉書が、
犀川遠征も大事を取っての自粛、と今年は寂しい限りでした。
良いことの少なかった今シーズン。
しかし、その反動と言いましょうか・・・
お父さんの僅かなお小遣い、それでも使う機会さえ減れば、
チリもツモれば何とやら。
渓流釣りはエサ釣りを嗜む小生。
所有する竿は5本で、これらで4.5~10mをカバーします。
しかしながら・・・
欲の深い性(さが)、もう一本、欲しいのデス!
叶うことなら、本流の長尺は剛竿が。
萩原の大会、犀川遠征、それに正月での気田川は、
これまでSG LONGで対応してきました。
取り逃がしたものの、犀川での40cm超のニジマスさん、
その巨体と犀川の押しの強い流れが重なって、
SG LONGはギュ~ンと弓なり、
若干の不安を感じて。
そんな、こんなで、目ぼしを付けたのが、
シマノの新型「SG パワースペックZR H+」でした。
しかしながら・・・
「ワシの小遣いでの買い物じゃ、誰に何の気兼ねがあろうか!」
と、豪快に行きたいのですが、残念、小心・恐妻にはチト荷が重く。
まもなく銀婚を迎える我が夫婦。
長年で培った仲良く暮らすその秘訣は「知らぬが仏」なんです。
ご諸兄がよく使われる、宅配便による高価な竿の購入、
ウチの場合は万が一、その受取が家内であったならば。
・・・とてもじゃないけど、真似できないのです、ハイ。
いつものように春日井の釣具屋さんで注文。
週の半ばにスマホへ納入のお電話がありました。
小道具を買いに行くとだけ家内に申し伝え受取りを。
問題は、あの長い約1.2mの本流剛竿、それをハスラーから、
如何に我が書斎(単なる趣味部屋)へ持ち込むか。
もちろん、隠密裏に・・・
万事お任せあれ!
そこは抜かりがありませぬ。
職業柄からチラ見、観察眼だけは鋭い小生、
ここ一週間、帰宅後は居間でスマホをイジるフリをしながら、
家内の行動パターンをじっくり・横目で追いながら・つぶさに観察をして。
・・・決して刑事、探偵、公安ではないですよ。
工場で働くフツ~のおじさんです、小生は・・・
その結果から、持ち込み作戦の決行は、家内の入浴時としました。
先に入浴を済ませ、居間のソファーでスマホを見る小生。
その前を着替えを抱えて、我が家内は入浴へ。
浴室の扉が閉まりました。
・・・いや、まだまだ。
観察では家内、まずは粘土細工ならぬ、洗面所でお顔の手入れです。
浴室から一旦、彼女は出てきて、次いでトイレへ。
・・・聞き耳だけは立てる小生。
用を済ませてトイレから、家内はまた浴室に入ります。
・・・いや、もう少しの待機。
中古の我が家は築30年。
彼女の動作が音で判るくらい、扉の開閉・廊下や階段がきしむ音、
それが大きいのです。
それすなわち・・・
浴槽で湯へ漬かっていると、こちらの動きが丸聞こえ、
渓流釣りでのサイト・フィッシング、その難しさと同じなんです。
それから待つこと、更に10分・・・
台所は給湯器の表示器、それが連続使用中を示しています。
浴室から聞き漏れる音からも、家内は恐らく洗髪中。
シャワーの音が全ての音をかき消します。
チャンスは今です!
いざ、作戦開始!!
廊下は忍び足で、玄関を素早く、かつ、そっと開け駐車場へ。
車のハッチバックを素早く、かつ、そっと開け、
全長1.2mの剛竿を取り出します。
その後は同じく忍び足、廊下を渡って階段を登って、我が書斎に。
大事を取って、箱からの開梱は明朝としましょう。
無事、作戦終了!!
居間に戻って再びスマホを、何気ない顔で見る小生。
入浴を終えて、パジャマ姿の家内、彼女が居間に戻ります・・・
昨夜は隠密行動を終え、今朝は家内との朝食時、
「ああ、もう!
どこにもお買い物や食事にも出かけられないと気が滅入るわ。
ねえ、今晩の夕食は美濃の郷へ注文にするから、取りに行ってよ。」
ねえ、今晩の夕食は美濃の郷へ注文にするから、取りに行ってよ。」
斯様なる家内のお言葉。
彼女にとって、それはささやかなるプチ贅沢。
恨めしきは新コロナ、家内もストレスが溜まっています。
若干、家内の小さな贅沢に、負い目・引け目を感じながら、
「はいはい」と答える、小寒い師走の朝は小生なのでありました。
<釣り風景は一昨年の萩原マス釣り大会から>