お正月はニジマスの燻製つくりで過ごした今年の年初でした。
相も変わらず、下手くそな包丁さばきでの「三枚おろし」、
一生懸命も悲しいかな、お魚の身も小生の心も、ボロボロでした。
・・・人は、特に小人は、
己が不始末を起こすと、他に原因を被けるようです。
「しかし悲惨な三枚おろしだ。
このトホホなお魚の身は、「孫六」の切れ味、それが悪いのでは?
いや、間違いない、きっとそうなんだ!」
と、言った具合、我自身に暗示を掛けるが如く・・・
そんな理由もありまして、また、あと一か月もすれば渓流釣りも解禁です。
今週末は釣ったお魚を川で捌くナイフと「男の料理」のお供は「関の孫六」、
その刃物研ぎにチャレンジしました。
・・・小人は毎度、何事もカタチから入ります。
河原で使用するナイフを以前に研いだ際は、仕上砥石だけでした。
今回はオオモノは「関の孫六」もお相手です、荒砥石・中砥石も用意して。
まずは洗面器に水を張り、砥石を沈ませ水を吸わせます。
プクプクと砥石から出る気泡、それが落ち着いたら・・・
まずはナイフから、荒砥石で研ぎます。
新年早々、心落ち着かせるは「書初め」の心境・・・
ナイフの刃は見ての通りの湾曲刃、加えて両刃です。
必殺仕事人?のように、砥石表面に水を垂らして、ゆっくりと往復。
進行方向は刃先と砥石が当たる角度、
それを15度で一定に保って(のつもり・・・)、
湾曲した刃先が順次で砥石に接触するよう左右方向は角度を変えて。
・・・これが結構難しく、メチャ、神経を使います。
次いで白い砥石は仕上研ぎの段階です。
スリスリ・・・鉄粉混じりは黒い研粉が浮き出てきます。
一応は完成のつもりです。
確認テストは紙質の均一なコピー用紙、
それに刃先を差して、ス~っと紙を切り下ろします。
う~ん、あかん、納得がイキません(涙)。
改めて「荒→中→仕上」の研ぎ工程を、一層に神経を集中して再トライ!
その甲斐あってか、うん、まあ、この切れ味なら・・・
次いでオオモノは「関の孫六」に着手です。
刃長の長さからナイフより難しいのでは?
そう思っていましたが、こちらは両刃ではなくて片刃です。
刃先のミョ~な湾曲も少なく、
砥石への刃面の密着、それさえ素直に留意すれば意外と簡単でした。
・・・プロがお仕事で使うモノ。
お手入れのしやすさ、それも考えてあるのでしょうね。
確認テストの切れ味、うん、申し分なく。
・・・しかしながら、この孫六の切れ味が良すぎて、
先ほどのナイフの仕上がりが気になり始めます。
もっとも孫六は鋼材、ナイフはステン材と差があって当然なんですがね。
孫六の用紙裁断の手応えが覚めぬうち、今一度、ナイフでも裁断を・・・
イカン、刃先に紙の破片が残っとる!
やっぱ、こんな仕上げには納得できん!
・・・イケません、Mで凝り性な我が性分、それに火が付いちゃいました。
机の前で前かがみ、ナイフの柄とエッジ、刃先の際に両手を添えて。
老眼・近眼のメガネ??ンなもの、しゃらくさい、外しちゃえ。
三度目の正直、これを期して、また荒研ぎから始めます。
先ほどより入念に、刃先が同じ角度で、順次に全刃長に当たる様に。
ゆっくり、ゆっくり、慎重に、慎重に・・・
砥石を中・仕上に交換して、同じことを繰返し、繰返し・・・
都合、小一時間・・・ああ、肩が凝りました。
して、確認の用紙裁断、その結果・切れ味は??
手応え的には若干、孫六に及びませんが、ここがもう限界かな??
釣ではないですが、久しぶりに「集中」した作業、
こんな「心のメリとハリ」って、まま人生には必要ですね。
・・・じゃあ、毎日の会社でのお仕事、それはど~なのよ??
<渓流風景は根尾西谷川から。
ここ数年、こちらもご無沙汰です・・・
毎年で訪れる高原川、小坂川も昨年は行けず仕舞いでした。
もうすぐ解禁、今年こそは世の中も落ち着いた暁には行きたいです。>