2022年7月18日月曜日

夏の渓流釣り~奈川・前川釣行

 

今シーズン初のお泊まり釣行は安曇野方面へ。
もっとも、車中泊を織り混ぜての最近の釣行です、
何をもってして「お泊まり」なのか、定かではないのですが・・・

いずれ、待ちに待った夏の遠出は二泊三日、
初日は三年ぶりの安曇野は梓川水系、夕まづめは乗鞍岳の麓まで。



今にも降りだしそうな曇り空の下、
中仙道は藪原からR19より分かれ、
渓巡ハスラーは笹川沿いに境峠を登ります。

曲道・細道の境峠越え、
途中で何ヵ所か災害復旧工事のため片側交互通行。

そんな険しい峠道なのですが、この道はその昔、
飛騨の女工さんが信州諏訪へ通ったルートとのこと。
奈川は寄合渡から梓川沿いに松本平野へ至るルートと、
もう一本がこの中仙道は藪原へ抜けるルートがあったそうです。


<釣り券までの、長い道のり>

ようやくにも、そんな峠道を越え、昼下がりの奈川は寄合渡。
橋の袂の雑貨屋&酒屋にて。
初回の奈川釣行は夕刻、閉店準備の中、ここで購入を。

しかしお店に入っても薄明りで人の気配は全く無し。
・・・ある意味で物騒な、その一方で、のどかな・・・

レジ台の上には置手紙、
「畑に居ますので、お電話を。 090-●●・・・」

いや、畑からお戻りに為られてまでは、そりゃ、申し訳なく。
それに当方も時間が惜しくて。


次の販売先は黒川渡の温泉旅館まで。
ここも以前は夜更けでの購入訪問でしたが、
それでもイヤな顔もなく釣り券を売ってくれました。

・・・いつか、泊まってみたい風情ある温泉宿なのですが、
「一人客」はプランが無くて、加えて結構なお値段・・・

と!
あっちゃ~・・・

玄関先には「本日休業」の掛札が。
でも、玄関の明かりは灯り、引き戸はカラカラと開きます。

「ごめんくださ~い」
お声がけに大女将らしき方が奥から。


「ごめんなさいね、今日は対応が出来なくて。
 そこを下ったところにガソリンスタンドがあったでしょ。
 あそこも扱っていますから・・・」

なかなか釣り券にありつけない本日です。

それでも宿の駐車場を出る際、大女将は玄関先で深々とお辞儀を。
いやいや、こりゃ、かえって、恐縮です。
当方も車内から会釈を。


3件目のスタンドで、ようやくの釣り券購入です。
スタンドのオヤジさん、彼は釣りは為されない様です。

それでも、
年上の同性からはナゼか親切にされる、斯様な「星の元」の生まれは小生。

そろそろ銀チャンの遡上の季節、
奈川ならこの近所、前川は下流より上流がオススメ、
今日・明日は頃合いの良い増水、小雨で調子が良いのでは?
などなど、いろいろと、おいしい情報が。

・・・まだ出発から150kmとガソリンは減っていませんが、
シブチンな小生も大盤振る舞い??珍しくここで給油です・・・


<奈川のオオモノ>

前回の車中泊サイトはこの対岸。
その時の山梨ナンバーのご同輩からも、この近辺は狙い所と伺っています。


誰も居ない本日。
小雨の中、釣りを始めます。

ブドウ虫にもミミズにも、アタリ&釣果はありますが、小物のヤマメばかり。

雨の降りが激しくなってきました。
カッパを着込んで、笹濁りは雨で見えにくい水面、目印を一心に凝視します。

突き出た半堰堤の向こう側、
堰堤を越えた川の水が複雑な流れを形成、
そこに対岸すれすれを狙って、仕掛けを振り込みます。


目印が半堰堤の向こう側、大きく・ゆっくり周回運動。

暫くして、アタリです。
アワせに返す反動は・・・
今までと違いズッシリ、大き目が掛かりました。

ところが、
この大き目のお魚、大きいなんてモノじゃなくて。。。

ピーンと張る0.7号天井糸と0.3号水中糸。
先調子の竿先も大きくお辞儀を。

お魚が定位から移動に移ります。
細糸と穂先に溜まっていた水滴、四方八方に飛び散り。

小生も半堰堤の真横は下流まで小走り、
流れの本筋、その川底で雨で荒れた水面に映る黒い影、
どうでしょう、
目測推定40cmクラス?勢いと走り具合からイワナか??

尺程度ならイザ知らず、こりゃ、いけません、仕掛けが想定外です。
お魚と対峙しながら、さあ、ど~する?

もう、ここは速攻!?
いや、ムリだ。
定石通り、持久戦に。

走り出したお魚、と思ったら、また川底で定位。
繰り返される「静と動」。

静の時は糸を張り気味に、動の時は糸を緩め気味に。
避けるは糸切れ、果たして、これで、イイのだろうか?

いつもは長くて短い、おチビりしそうな時間なのですが、
今日のこの時間、く~、ほんと、漏れそうに長いです。。。

結末は、お魚が半堰堤の裏側、そこへの走り込みは逃げ込み、
案の定、0.3号が持ちませんでした、錘下から糸切れ。。。


<乗鞍高原で車中泊>

夕まづめは奈川でのハラドキなひと時。
都合、開けてみれば残念先行、いつもの小生的な釣果でした。

雨脚も激しく日暮れ時、
川から上がって車中泊の予定地、乗鞍高原に登ります。


残雪の残る乗鞍岳は目の前。
まずは簡単に夕食(カップうどんとコンビニのおにぎり)を取り、
蒸し暑かった釣行、その汗を流しに温泉へ入ります。

すぐお隣は御岳山周辺の温泉、そこの色は茶褐色なのですが、
ここ乗鞍岳周辺は乳白色です。

温泉で暖まった後、静かな・涼しい、高原の夜で眠ります。。。


<乗鞍高原 朝一番は前川の上流にて>

翌早朝、日の出とともに活動開始です。

でもほんと、
雨の車中泊釣行は、狭い車内がやたらと所帯じみちゃって。

予報が外れ、幸いにもイイお天気です。

果たして、このお天気、いつまで持つのか。

白樺橋の上から覗く前川は彫の深い渓谷でした。
その手前は林道?ハイキング道から、前川へアプローチします。


どこからも、乗鞍岳が良く見える乗鞍高原、釣場へ向かう足も軽やかに。

林道が川に掛かる橋、その袂からの入渓。

頭上が木々に覆われた、ミャク釣りには若干、不向きな渓相です。
それでも、珍しくも粗忽者、彼は仕掛けの損失も無く釣り上がります。

・・・仕掛けの損失もですが、釣果もナゼかゼロ。


とんでもなく、良い渓相、なんですがね。

スタンドのオヤジさん、彼のアドバイスとは裏腹、
朝一番の清々しい高原の渓流で、森林浴と撮影会が続きます。

これは、きっと、小生の腕前の無さ、それが主原因かと。。。

2時間ほど粘りましたが、
残念、おいしい空気を頂いたのみで、素晴らしい渓谷を退渓します。。。

駐車ポイントまで戻ると、入れ替わりはフライ・マンさんが準備中。

彼も前川は初めてとのこと。
ご挨拶かねがね、小生の貧果と橋から上の状態をお伝えして、
ご無事とご武運をお声がけします。


<朝二番 午前中は前川の下流にて>

さて、どうしたものか・・・

山を越えて岐阜県側は高原川、向かうにはまだ早すぎます。

・・・何より、本日はここの釣り券、
そのお代が、もったいなくて・・・

スタンドのオヤジさん、
彼によると前川の下流はイマイチ、とのことでしたが、
自分で竿を出してみにゃ、ものごと、分別は付かないような。

乗鞍高原を車で下り、
大野川隧道、その少し上流から、徒歩で林道を分け入ります。

出たポイントの前川、目の前には大場所、素晴らしい大堰堤が。

・・・入渓ポイント、その近くの大場所か。。。

お歳も後期中年な小生、最近は物事を悲観的に捉えるクセが。

いけませんね。
これじゃ、良い運気も逃げちゃいます。
折角の人生です、もっと楽観的にならなくちゃ・・・


ハイ!
ほんと、もっと、物事を良い方向に捉えなきゃ、ね!

大場所の堰堤からお出ましは、尺上のイワナさんでした。

昨日の取り逃がし、その二の轍を踏まぬよう、慎重に慎重にやり取り。
最後はまた足元で糸切れ。

しまった!と思ったのですが、
落ちた浅場の入り江は岩の下、僅かにお魚の尻尾が。
入り江をたも網で塞ぎ尻尾を引っ張ったら、お魚はたも網へ。

・・・これって、釣ったことになるのかな??

またまた、スタンドのオヤジさんのアドバイスとは裏腹。

それでも、前川の下流、釣果はこの一匹だけ。
やっぱり地元の方のご意見は正確ですね。

安曇野側は奈川・前川での釣行はここまで。
翌日は2年ぶりの奥飛騨、高原川へ・・・


<データ>
●7月15日 奈川 
エサ   :ブドウ虫、ミミズ
竿    :7.0m  天平 
仕掛   :針 吉村7号 
      錘 1B号
天井糸0.7号1.5m 
水中糸0.3号4.5m
釣果   :
    ヤマメ       5寸    3
    小ヤマメ              数匹
気温   :20℃ 
天候   :雨まま曇り
表層水温 :16℃
月齢   :16

●7月16日 前川 
エサ   :ブドウ虫、ミミズ
竿    :上流 5.4m  天平
      下流 7.0m  天平 
仕掛   :針 吉村7号 
      錘 1B号
天井糸0.7号 上流 0.3m
        下流 1.5m 
水中糸0.3号 上流 2.5m
        下流 4.5m
釣果   :上流 ボ~ズ    
      下流 イワナ  32cm  1
気温   :15~20℃ 
天候   :曇りまま晴れ
表層水温 :15℃
月齢   :17.1