箱庭でキンモクセイがいい香りを放っています。
移ろい行く季節は秋本番、昨今の朝晩は少し寒いくらいです。
今期は最終釣行でした秋神川。
その最中に気が付いたのは旧型は渓峰尖の7m竿、その#14が#15より飛び出していました。
以前は同じように#16より#15が飛び出して。
旧型は渓峰尖での#14~16は2段階のズーム機構を形成、これにより、竿の長さは6.3m、6.7m、7.0mと調整できます。
小継竿ながら最長7mはつぶしが効き、小生の竿の中では一番の稼働率。
・・・この飛び出し、酷くなると固着して、竿が収まらなくなるンです。
#16から#15が飛び出した際は、ラッカー系のプラモデル塗料で修理を。
その詳細は 新工法?渓流竿の伸縮機構の修理 にて。
施工の結果は良好でした。
・・・上の写真でもその名残、帯状の灰色塗装が見えますね。
収めたズームの固定が悪くて釣行中に何かの拍子でズームが出てしまう不具合、これは同じく小継竿の渓秀60で起きた事例で、同様な修理を施しました。
その詳細は 意外性の楽しさと延べ竿ズームの修理 にて。
渓秀は所有する中では一番に古い竿で、8年近く使っています。
ズームの納まりがスカスカにもなりますわな。
しかしこちらは良い結果が得られず、今でも収めたズームは若干スカスカです。
・・・渓峰尖では竿の全周に渡って灰色の塗装帯が残っていますが、上の写真の渓秀では部分的にのみ。ここまで塗った塗膜を落とさないと、残念ながら竿の組立が出来なかったのです。
シーズンOFFは深まり行く秋の週末、今回はこの2本の竿のズーム機構を修理しました。
<ズームが飛び出る渓峰尖について>
こちらは前回の他節での修理結果が良好でしたので、同じ方法で修理を行います。
左が#15で前回の修理で塗装したラッカー塗料が見られます。
右は#14となり、今回はこちらに塗膜を盛ります。
継ぎ目以外は新聞紙とテープでマスキングを施して。
あとはスプレーのラッカー塗料で塗膜を盛ります。
薄く塗ることを繰り返して。
塗料はプラモデル用のタミヤのスプレーです。
プラスチックに塗る塗料なので、竿の表面を傷めることはありません。
箱庭での施工、今週はここまでです。
数日間の放置プレーで完全乾燥を待って、次週にも塗面の研ぎ・膜厚の調整と被膜潤滑剤を塗ります。
<ズーム収納がスカスカな渓秀について>
こちらは残念ですが、この渓峰尖への方法では完治しませんでした。
何か新しい方法・工法が必要、改めて、竿の作りをよく観察します。
渓秀での不具合は、ズームの継ぎ目が飛び出るものではなく、収めたズームがユルユルで固定が不完全なことです。
左の2本が渓秀の継ぎ目、右が渓峰尖です。
竿としては渓秀が先行型、渓峰尖はその後継型です。
これはもう、稼働率の違いからなのか?はたまた、基本的に作り方が違うからなのか?渓秀の継ぎ目は未だに「表面粗さ」が確保されています。
・・・これは、塗料を盛るべきではありませんね。
ズームを収めた際に継ぎ目は、尻栓と最終節#12の終端、その内側に設けられた凸部、どうもこれで固定されるようです。
下の写真は尻栓の内側です。
こちらは最終節#12の内側です・・・若干で判りづらいですが。
内側に円周上は均等に凸部が見られます。
・・・恐らく、この凸部がすり減って、固定が弱くなったのでは?
して、工法としては・・・
この凸部の頂点に、同じくプラモ用のラッカー塗料を盛ってみましょうか。
この「塗料を盛る」という工法、実は幼いころの鉄道模型で培った技法です。
Nゲージはブルートレイン、その窓枠はステンレスを表現するのに、銀色の塗料を爪楊枝の先端で塗りました・・・塗料の持つ粘性・表面張力を利用して。
今回は尻栓・最終節内側の凸部へ、塗る、と言うより、差す、の要領で。
手塗用のラッカー塗料を用意します。
それを、爪楊枝の先端で・・・細かい作業です。
もっとも、鉄道模型は「見てくれ」の世界、子供ながらに息を殺しての作業でしたが、今回は竿の内側は「見えない」部分への塗装です。多少は凸部から外れても問題なし!
・・・と言いましょうか、寄る年波のため、目が見えなくて、幼少のころのようには行きませぬ。
まあ、この程度のエエコロ加減な具合で、ご勘弁を。