渓流釣りシーズンも一か月以上前に終わりを告げ、
最近の週末はのんびり、家で過ごすことの多い小生です。
そんな週末の夕方、
居間で横になりテレビを見ていると、
突然、隣のキッチンから家内の大きな雄叫びが・・・
「ひ~、ちょっと!ちょっと!!」
何事かとキッチンに駆け寄ると、
大きく目を見開いて血相を変えた家内、
お鍋の具材が盛られた白いお皿の上を指差しています。
その先には・・・薄緑の青虫さんが。
釣り餌でブドウ虫を扱う小生、
そのブドウ虫に比べたら細くて小さくて、
おおよそ釣り餌には成りえないサイズの青虫さんです。
怯える家内を横目に、
ひょいとその青虫さんを素手でつまみ、
優しく潰す事無く、箱庭はアジサイの植わる花壇まで。
お鍋具材のお野菜はキャベツにハクサイ、一体、何に付いていたのか?
今年は暖かい秋とは言え、
きっと今まで冷蔵庫の野菜室だった青虫さん、
白いお皿の縁では大人しく、控えめにモゾモゾしていました。
そんな小虫に家内はびっくり仰天、柄にもなく大きな悲鳴を・・・
でもこれって、考えてみると、不思議なことです。
青虫のような小虫、それが身体に危害を加えるとは思えませんが、
どうして、家内はびっくりするのか?
過日の事です・・・
動物好きな家内と見ていたテレビで、
サルに対してある「いたずら実験」をしていました。
内容はサルの背後にヘビのおもちゃを置き、
振り返ったらどのような反応を示すのか、と言うものでした。
予想はしていましたが、賢いサルもびっくり、大慌ての大騒ぎ。
その時の解説によると、
サルはヘビが危険な生物と認識していると。
その理由は進化の過程で得た先天的(遺伝)なもので、
サルによってはヘビに驚く個体もあれば、そうでない個体もあり、
ただヘビのような細長い物体を見つける・認識する速度はどちらも早かったと。
ヘビに驚くことは何となく解ります。
もし毒を持っていれば、それは生命への危機です。
それを素早く見つけ即座に行動に移すこと、
判断を仰ぐ前頭葉ではなく、
感情を司る偏桃体に直接で視覚情報が伝わり、
反射的に回避するは理に叶っているように思われます。
では、なぜ、人は人畜無害な青虫さんにもびっくりするのか??
・・・しかし、酷いですね。
自分の嫁さんを、こともあろうに、おサルさんと比較するなんて。
家内は青虫だけではなく、ゴキブリにも大慌て、
総じて「虫系」はその全般がダメなようです。
これは恐らく、先ほどのおサルさんと違って、
先天的なものでは無く、後天的(経験)な理由からでしょうね。
・・・幼いころに体に着いた虫が這いあがってきた、
気持ちの悪くなるような虫の映像をテレビで見た、
周囲からの会話や情報で虫に良い印象が無い、
見た目から何となく気色が悪い、とか・・・
・・・かく言う小生も、苦手な生物がありまして。
ただこれが、先天的なものなのか?後天的なのか??
エエ歳をしたおじさんが、カッコウ悪くも暴露してしまうと、
実は「チョウ」がダメなンです、ハイ・・・
色鮮やかでヒラヒラと舞う蝶々さん、
山の中の渓流釣りでも季節によってはお見掛けするも、
あれが徐々にパタパタ近づいてくると、
ナゼか背中がゾクゾク!?電気が走ってしまうのです(恥)。
スズメバチも見かけるのですが、あれは、へっちゃら。
これは後天的に、
こちらから何もしなければ害は無し、を知っているからでしょうかね?
・・・こんなお話を聞いたことがあります。
生まれたときに付いていた「ヘソの緒」、
それを土に埋めて、初めてその上を通った生き物、
それがその人の苦手なモノとなる。
ヘソの緒を土に埋めるって、一体、いつの時代のお話なのか?
でも、そのお話を真に受ければ、全てが上手く片付いてしまうのです。
小生のヘソの緒の上にはヒラヒラと蝶々さんが舞っていた?
家内のヘソの緒、その上には青虫小虫、果てはゴキブリの大行進が!?
いずれにしても、
先のおサルさんの実験結果では無いですが、
身に危険が及ぶ相手に即座に対応するは、大事な体の防衛反応かと。
・・・ただこれも、
クマさんに出会った場合、
即反応の背中向け逃走は禁物のようで。
世の中、誠に難しいですね・・・
その後、夕食で食べた野菜鍋ですが、
幸いにもあの青虫さん以外は居られなかったようです。
お鍋にミョ~な出汁が出ることも、
また「土座衛門」が浮かぶことも無く、
冷え込んできた夜は美味しく頂けました(笑)。
<渓流風景は皐月5月の長良川から・・・あの季節が恋しい!>