ここ暫く活躍の無い、渓流竿は渓峰尖(旧型)の7m。
・・・あえて「旧型」と記しましたが、現行機に7m仕様は無く。
シマノさん、7mモデルは出さないのかな?
実は手尻の#16と#15のズームが壊れかかちゃって。
以前にもスカスカになったズームをメーカー修理したのですが(下記ご参照)、
http://sidestarwinderjpn.blogspot.com/2016/10/vs.html
今回はズームが出過ぎる始末です。
写真は「▲70」と記されたのが手尻の#16。
思うに#15の継ぎ目・オス側が摩耗し過ぎた様子。
・・・写真では#15継ぎ目部が1cmほど顔を出していますが、
ヒドいときには、これが2cmくらい飛び出して。
こうなると、いわゆる固着状態。
竿を縮めるとき、河原の岩でコンコンと栓尻を叩いて収めていました。
5本ある竿の中では、一番の稼働率&酷使・・・さも、ありなん。
釣具屋さんに修理をお願いしたのですが、待つこと2週間。
で、診断の結果が、もう#15の交換より手が無いようです。
お高く付きます、数千円・・・
・・・じゃあ、ど~するの??
竿の素材は、ほぼカーボンと僅かな樹脂か・・・
・・・小生の書斎??何のこと無く、ほぼ単なる趣味部屋、
ゴソゴソと探し回ると、プラモデルとその塗料が出てきます。
エエ歳をコイたおじさんが、恥ずかしい限り。
「摩耗で細くなった継ぎ目部はオス側に、硬めのラッカー系塗料を塗る。
ラッカーなら下地の樹脂への食いつきも良さそうだし。
それをコンパウンドで研いて磨いで・・・トドメは被膜潤滑剤!!」
「しかし、失敗して#15の購入、かも知れないけど。」
・・・工法と覚悟は決まりました。
まずは塗装です。
塗料はスプレー缶、プラモデル用のラッカー系のアクリル樹脂。
・・・ゼロ戦52型は翼下の色、灰色です。
竿の継ぎ目部のみ残して、テープと新聞紙でマスキングします。
そして箱庭で新聞紙を広げて塗装。
コツはスプレー缶を竿から20cmくらい離して、薄く均一に。
丸めた新聞紙の場所でスプレー開始、その後に平行移動で継ぎ目部へ。
一回目の塗装は下地の継ぎ目部が薄くスケる程度。
30分の放置プレー、表面が乾いたら2回目、3回目と塗り重ね。
塗装前の継ぎ目部の太さは直径23.15mmでした。
ちなみに、#16のメス側の内径は23.30mm。
・・・デジタル式ではなく、安いメモリ式のノギス測定、おおよそです。
3回の塗り重ねで太さは23.25mmに。
6回塗り重ね、メス側と同じく23.30mmになりました。
・・・ほんと、エエころ加減な測定、おおよそです。
この状態で塗料の完全乾燥を期待して、3日間の放置プレー。
して、斯様な案配に成り候(そうろう)。
ここからコンパウンドでの研ぎ・磨き、して、寸法調整に入ります。
ボロ布にコンパウンドを付けて。
・・・かわいらしいミョ~なボロ布ですが、誰かさんのパンツ、
ではありませぬ。
これで竿に塗った塗装面を、竿を回しながら磨いて。
・・・塗面が細いですが、ズームのストッパー部にも施行しました。
して、磨き上げると斯様な様子に、ツルツルのピカピカ。
#15を研きながら・拭きながら、#16との出し入れで調子を確認します。
最初は固くて塗装面に#16の内径保持具、その筋が付きました。
この筋を消すよう、研ぎ・拭き・出し入れを何度も繰り返して・・・
そして、もうここは感覚、出し入れが良い頃合い・良い調子になったら、
全体をカラ拭きしてコンパウンドを完全除去します。
この「感覚」が本工法最大のポイントかも。
そしてトドメの被膜潤滑剤。
速乾性で吹き付けると粉をフイた様な状態になります。
・・・何となく、研き作業前に工程が戻った感じがしちゃいますが。
でも、この被膜潤滑剤を吹くと、しっくり、伸び縮み作業が決まルんです。
ズームのストッパー部は斯様な出来具合・・・完成です。
残る懸念は耐久性でしょうか?
塗料はあくまでもプラモデル用のラッカー系。
・・・とは言え、硬さを求めての自動車用の焼き付け塗装はムリ。
残り少ない今シーズンですが、様子見かねがね、使ってみます。
・・・結果が良ければ、オフシーズンに渓秀6mにも。
<レシピ>
下記1.は在庫品、2.3は模型屋、4.はアマゾンより
1.タミヤカラー ラッカー系(ミニ)
竿の継ぎ目の色、それ以外なら何色でも。
「研ぎ」を行うので、ツヤ消しがおすすめです。
2.タミヤコンパウンド(細目)
3.タミヤマスキングテープ
4.乾性被膜潤滑剤 ドライコート2400:住鉱潤滑剤(株)
ノギスと古新聞紙、ボロ布
<渓流写真は昨夏、宮川支流の小鳥川より>