春の嵐の中、男達の雄叫びが尾張平野に春の到来を告げます。
師匠ノンタンさんの住む町、愛知県稲沢市。
そこには国府宮というお宮があります。
まだ肌寒い初春のこの時期、サラシ一枚をまとった男達が勇壮に町内を練り歩く、
儺追神事(はだか祭り)が毎年ここで開催されます。
実は今回、サラシと足袋をノンタンさんにご用意いただき、二人揃って出撃・・・
の予定でしたが、残念ながら朝から本降りの冷たい雨。。。
心は少年、でも、気力体力は年相応の我ら、早々とお祭りへの参加を断念。
それでも夕方からクライマックスの神男参入を見届けたく、降りしきる雨の中、
カメラ片手にカッパを羽織って国府宮神社まで繰り出しました。
境内の社道を本殿に向かって進む儺負人(神男)。
その体に触れると厄落としが出来るとの古くからの言われ。
はだか男達が神男の登場を今か今かと待ちわびます。
冷たい雨の中、それでもアドレナリンが全開の男達、熱気が伝わります。。。
昨今はこのお祭りも国際化?
中には外人さんの姿もちらほら・・・
午後5時過ぎ、社道の彼方から湯気の塊が近づいてきます。
神男に触れようと、もみくちゃになるはだか男達、それに桶で水を掛け・・・
冷たい水が、降りしきる雨が、瞬く間に蒸気に変わります。
ようやく湯気の塊、神男の一団が門の前に到達します。
このときの雨が今日一番に激しく、一瞬、嵐のように突風が吹き荒れます。
立ちこめる湯気が冷気の中で渦を巻き神秘的、これぞまさしく神事。
そして無事に社殿の中へ・・・いよいよお祭りは最高潮。
日が暮れた境内、真っ白に立ち上る湯気を背景に、何年も何年も、
はだか男達のぶつかり合いを見続けてきた松の木が。
ここ尾張地方にも、待ちわびた春がやってきました。