「もう、お天気が良い中、一人だけ川に行って楽しんで!」
冬の渓流巡りをした先週は土曜日の夕食時。
天候に恵まれ、紅葉も楽しめたことを告げると、家内から斯様な恨み節が。
確かに、家内も風邪を引いたり、家事都合が重なったりで、
先月の白川郷以来、週末のお出かけはご無沙汰です。
どこかへ、近くでも良いから・・・
それじゃあ、と言うことで、先週末の日曜日は午後、
お隣は犬山市、木曽川河畔にある継鹿尾 寂光院へ行ってきました。
前日に引き続き、お天気は快晴、暖かい小春日和でした。
この寂光院、地元では「もみじ寺」として親しまれ、
晩秋から12月上旬の初冬までが紅葉の見頃な名刹、
寒かった今秋では今週末辺りがその刻限でしょうか。
毎年、結構な参拝客で麓の駐車場は満杯。
過去にも何度か訪れている経験から、車は少し遠方の成田山に駐めて。
モンキーパークのちびっ子達を横目に・・・中年夫婦は歩きます。
本堂は継鹿尾山の中腹にあり、麓から階段を登ると息が切れます。
少しひんやりとする薄暗い紅葉のトンネル。
でも、見上げると陽に透かされた赤と黄の見事な天井。
でも、見上げると陽に透かされた赤と黄の見事な天井。
成田山から歩いたこともあり、途中はフーフーのハーヒーです。
本堂への登り階段の横には、昨今、小型のモノレールが設置され。
しかし、そんなモノを使っていたら、参拝の御利益が薄まります。
信心深い家内もそのことは承知・・・中年夫婦は登ります。
ようやくお寺の本堂がある山の中腹に。
回廊を潜れば・・・眼下は木曽川、遠くに犬山・鵜沼の町並み。
快晴の青空の下、今季最後は紅葉の山々が広がります。
夫婦揃って神妙に本堂でお参りをして、次なるは「鐘つき」です。
日本の鐘は ”ゴ~ン” の ”~ン” で、この余韻に浸ることがミソ。
ガンガラと打ち鳴らす西洋のそれとは ”ワビ・サビ” 、
味わいが違うのです。
味わいが違うのです。
・・・我が家内、大きく振りかぶって!
流石は酉年生まれ、その守護神は不動明王だけあって力強く、
「ゴ~ン!!」と大きな音色が継鹿尾の山々に響き渡ります。
が、反動で突き棒が大きく引き返し、返す勢いでまた鐘へ。
ここでヒモを保持して、再突入を防ぐのがキモなんですが、
既に仕事が終わったと、家内は手を放している始末・・・
二度打ちで、結果、「ゴ~ン、ごん!!」
・・・聞きようによっては、これ、和洋折衷、
鐘を打つ順番を待つ周囲の皆様のお笑いを誘います。
・・・聞きようによっては、これ、和洋折衷、
鐘を打つ順番を待つ周囲の皆様のお笑いを誘います。
ひとしきり境内を散策、別院もお参りした後は、
先ほど登ってきた階段を、今度は下って山を降ります。
時刻は15:00ころ、既に初冬の陽は大きく傾き始め、
西日が紅葉を鮮やかに照らします。
・・・行きの登りとは、また違った趣です。
階段を降りきると、そこには一風変わった丸い石の置物が。
・・・七福神が描かれています。
「あの石を回すと良いことがあるそうよ。
でも、煩悩が多い人は回せないんだって・・・」
どちらかのご婦人が、ささやかれます。
そんなことを聞くと、試してみたくなるのがウチの家内、
ハリキって挑みます。
・・・僅かでも、もらったばかり冬のボーナス。
その使い道で、頭がいっぱいのハズな我が家内。
さしずめ、年内いっぱいは、その煩悩の塊・・・
”ムリだって、回せないって、きっと・・・”
と、恐れ多くて口には出さず、密かに心でほくそ笑む小生。
案の定、家内が阿修羅、いや、不動明王の化身が如く形相で、
リキんでも、フンばっても、ピクりともせず。
「ちょっと!ニヤついていないで、ヤって見せてよ!」
と、今度は小生に八つ当たり。
いや、もちろん、小生にも人並みに煩悩があります。
”年末ジャンボ、いや~、ミニもあるでよ~。”(名古屋弁で)
”来季は40cm、いやいや、その前に長良川でサツキマス!”
”寂しい頭上、もう少し生えてこないか・・・ああ無情。”
でも、そこは男の体力と筋力。
これくらいの石、どうとなく、弁財天に手を掛けて・・・フン!
・・・冷え込む昨今。
小春日和とはいえ今は冬、油断は禁物なのです。
若干、丸石が回ったその瞬間、腰の辺りにピリっと電気が・・・
我が所業、観音様はお見通し・・・南無阿弥陀仏。