<兵どもが夢の後>
時が経つのは早いもので、もう10年も昔のことです。
四十の手習いとして始めた渓流釣り。
駆け出しのおじさんには真夏の吉田川では結果が得られず、
そこからほんの30分程は峠を越えた向こう側、
馬瀬楢谷での釣果には驚いたものでした。
せせらぎ街道を赤谷沿いに走る林道に折れた直ぐ、
馬瀬川に掛かる橋の袂から安全素直な入渓で、
塩焼きサイズのアマゴさんがポンポンと。
その年の7月は毎週末、このポイントへ通うことに。
冒頭の写真は橋の上からの当時の渓相です。
曲がりくねった馬瀬川の流れ、橋直下の淵は絶好な釣り場でした。
その翌年だったでしょうか、
道の駅 パスカル清見の駐車場も浸水するような大雨が。
馬瀬川も大きく氾濫。
その直後のこのポイントの状況は判り兼ねますが、
翌年のシーズンに訪れた際には大規模な河川改修工事が為されていました。
暫くの年月、このポイントへは足が遠のいて。
それでも自然の治癒力は目覚ましいのもで、
工事の影響も落ち着いたであろう数年前、
渓相が大きく変化したここでの釣果、
7寸程度のイワナさんでした。
・・・ただ、以前のようにポンポンとは行かず。
ネットでもこの場所、
フライ釣りの好ポイントとして紹介されています。
初心者でもある職場のAさんを案内する際も、
まずここに立ち寄るのですが、決まって必ずご同輩のお車が既に。
午前中は曇り空、午後から雨の予報は今回釣行、
久しぶりに覗いてみたら、
幸か不幸か、本日はまだ何方の影も無く。
僅かに残る往時の渓相・面影を感じながら、竿を出してみました。
本日の馬瀬川、
巷の情報から増水と思っていましたが、
その流れも上流も上流、ここまで登るとそれほどでも。
日中は暑い昨日でしたが、
涼しいパスカル清見での車中泊は就寝中、
車の屋根を叩く雨音が短時間に幾度かありました。
涼しい朝の川面を流れる朝霧。
瀬は無理なく渡河が可能な流れ具合です。
以前は岩盤で形成された淵があったポイント、
今でも淵は存在するのですが、当時よりも流れが素直で人工的?
全てを飲み込み自然がまとめ上げた素直な淵の流れ、
残念にも本日はお魚はお留守のご様子、
何度も何度も仕掛けを流しますが、手応えが無くて。
瀬を登った護岸壁横の流れから、
僅かにアタリがあるも、ここも残念、針掛かりには至らず・・・
改めて自然の対応力は驚かされますが、
千客万来の釣り人には、
小生の「腕の無さ」も手伝ってか、
お魚達はお疲れ気味、なのでしょうね?
<毎度の如く、谷に潜ります>
懐かしいポイントを後にして大原へ引き返す途中、
いつもの土斜面から熊笹をかき分けて馬瀬川のV字渓谷に降り立ちます。
ウエーディング・シューズには軽アイゼンを装着、
登山用のステッキを使用しての谷への降下。
それでも雨が本降りになると「登り」が心配、
渓谷から覗く狭いお空、それに注意を払いながらの釣行です。
一旦は行けるところまで、河原を下流に向かって。
その昔はこの狭所も徒歩で抜けられたのですが、
それは今は昔の物語です。
右岸の岩場をおサルさんか蜘蛛の如く、
慎重にへばり付いて抜けなければ無理なのです。
でも今回、
よく見てみると・・・何と!
誰かが垂らしたのでしょう、岩盤に遡行用のロープが。。。
あの狭所・難所を危険を冒して抜けてくる傾奇者は流石に居ないのでは?と、
これまで掟破りと知りながら、ここまで下っていましたが、
これからは、ここで「お上りさん」と遭遇するやも!?
・・・これも「時代の変化」ですね。
<曲者な蜘蛛の巣>
人間様のロープでは無いのですが、
川に張り巡らされた蜘蛛の巣、
それが本日はすごい事になっていまして・・・
蜘蛛の巣があるということは、
ここ暫くでのご同輩の訪問は無かったという証。
それはそれで、好釣果が見込まれる良い兆候も、
流石に程度の問題があります。
小生が使用する0.3号糸、
それと同じような太さの糸が、そこらじゅうの木々に!
いずれ近眼に老眼の身の上は小生、
光の加減で気が付くのもは回避するも、
釣り糸が着水しない、で気づくが大体でして。
蜘蛛の巣が絡まった状態では後々のトラブルの元、
出来る限りで糸や穂先から除去するのですが、
どうにもならなと糸交換のハメに・・・
・・・そんな交換作業の傍ら、しかし、不思議なものです。
蜘蛛の巣の中には、川のこちら側からあちら側まで、
流れのある川面の上を移動しなければ張れない巣も。
地下鉄車両をどのようにして地下に居れたのか?
ではないですが、
一体全体、どのようにして、
あの小さな蜘蛛があんな大きな巣を張ったのか?
・・・考え出すと、夜も寝られないですね。
<それでも、どうにか>
見えない敵、蜘蛛の巣が邪魔して、
川幅の狭い区間では大きな振り込みが効きません。
止む無く、そんな区間は「小振り」で対応します。
モグラたたきゲームやトランプは神経衰弱では無いですが、
お魚が居そうな、竿抜けされていそうな、
小さな落込みをひとつづつ、
丹念に丁寧にチョウチン釣りの要領で探っていきます。
その甲斐があって・・・
細身ながらイワナさん、長さは9寸あるのでは?
ガツんとくるアワせへの返し、
小回りの利いた素早い走りは逃避行の後、
取り込みの際、大きく開かれた赤い口が印象的でした。
曇り空が優勢な本日も、
まま、時間によっては日が差し込む場面も。
そんな日差しの下ですが、
川面を流れる風は適度にお湿り、
とても涼しくて、気持ちが良いです。
蜘蛛の巣が無い、こんな開けた踊り場から、
気持ちいい大振りの振込にて。
この辺りのポイントはアマゴとイワナの混生区域、
昨年、一昨年とアマゴが優勢でしたが、
先のイワナさんにはこのアマゴさん、サイズが及びませんね。
もう一匹、小イワナさんを追加して。
<相変わらず、悪運だけは、宜しいようで>
いずれ蜘蛛の巣が凄くて「糸紬作業」に終始した本日、
先ほどまでは日が差し込む渓谷の世界でしたが、
狭いお空を見上げると、今は雲が優勢、
直ぐにも降り出しそうな厚い雲です。
「渋めの釣果だけれど、今日はこれまでかな」
入渓ポイントは退渓ポイントなこの場所、
急いで軽アイゼンを装着して、リュックの紐を締め直して。
熊笹に覆われた急斜面を慎重に登り切り、
ハスラーのハッチバッグを開けた段でポツ・ポツと。
パスカル清見でのお昼時は本降りの雨でした。
<データ>
7月6日 馬瀬川
エサ :ミミズ、ブドウ虫
エサ :ミミズ、ブドウ虫
竿 :7.0m 天平
仕掛 :針 吉村7号
錘 1号
仕掛 :針 吉村7号
錘 1号
天井糸 0.7号 1.5m
水中糸 0.3号 4.5m
釣果 :イワナ 8寸強 1匹
5寸 1匹
アマゴ 7寸 1匹
気温 :18~22℃
天候 :曇り
表層水温 :18℃
天候 :曇り
表層水温 :18℃
月齢 :0.2
8 件のコメント:
こんばんわ.
パスカル清見付近は夜になると,真っ暗ですよね.
なんか薄気味悪いって思います.
又飛騨萩原に抜ける道は狭いし,暗いし,シカが飛び出してくるし,良い思い出有りません.
パスカル清見の上流ではルアーで釣った事が有ります.
友人が結構良い岩魚やニジマスを釣りました.
春先に放流が有るのですか?
萩原へ抜ける道沿いの川はどこから入川するのか皆目判りませんでした.
懐かしいです.
お疲れ様でした。
雨に降られる前に退渓出来たのは良かったですね。
名古屋から近い川は、どこも昔のように数釣りが出来るような感じでは無くなりましたね。
高速が開通してから日帰り釣行が可能になったので釣りきられるのも早くなったような気がします。
高原川も安房トンネルが出来てから関東の方が多くなり大変だった記憶があります。
私は、暑さでエアコンの効いた部屋から出られずゴロゴロと過ごしました。
patchitup さん、こんにちは。
もう慣れっ子だからでしょうか、深夜のパスカル清見、遠くから何かの遠吠えが聞こえると、ナゼか郷愁を感じてしまいます(笑)。
飛騨萩原経由と郡上八幡経由で行ける馬瀬川なのですが、概ねいつもは郡上経由です。萩原からはトンネルを抜ければ直ぐ馬瀬川なのですが、上流の大原はそこから距離がまだまだ在って・・・確かに、シカが飛び出しそうな道ですね。
アサシン さん、おはようございます。
昨日はこちらもメチャ猛暑、小生もエアコンの下、家から出ることが出来ず過ごしました。。。土曜日は雨で早めの切り上げだったのですが、それでもやっぱり渓流釣り、疲れますね。猛暑の理由もありますが、疲れてぐったり、が本音です。
高速道で行きやすくなったポイントは場荒れが早い、確かにそうかもしれませんね。そして、高速道で行きにくいポイント(益田川、木曽川・・・)は釣り券がメチャ高い?
釣り師には受難の時代になりました(笑)。
こんばんは!
馬瀬川渓流釣行
お疲れ様でした
水が出た後の
週末でしたがなかなか
厳しい感じでしたね
小生も7/6は釣行のつもりでしたが
急遽の休出となり行けませんでした
何とか7月も1回は
釣行出来ればと思っています
白いワゴンの男
おはようございます
馬瀬川釣行お疲れ様でした
馬瀬川、鮎釣りのイメージが濃いですが🙄
上流部だと、蜘蛛の巣が張るくらい人が来てないんですね〜
綺麗な渓相で、癒されましたね✨
それこそ熊は、大丈夫なんですか⁈
そんな余分な心配しなくては、いけませんね😅
もっさん
白いワゴンの男さん、こんばんは。雨降り後の釣行でしたが、思ったほど水位は高くなく、それでも雰囲気だけは良さげ、しかしながら・・・での釣果でした。新子の小魚に翻弄されることも無く、毎度、な小生の釣行です。
お仕事がお忙しそうですね。突然のご出勤、おつかれさまでした。梅雨も明けると暑さも本番です。お体、ご自愛ください。
もっさんさん、こんばんは。馬瀬川も大原近辺ではまま、アユ師さんを見かけますが、主戦場は川上(かおれ)より下流ですね。大原より上流は谷も深く、恐らくはアユの放流は為されていないのではないでしょうか?川上より下流も川幅が開け、本流竿が存分に振れる良い渓相なのですが、流石に多勢に無勢、やっぱりこれからの季節は控えちゃいますね。
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