2020年6月28日日曜日

梅雨アマゴは気分屋さん?~小坂川渓流釣行





「う~ん、今週末は久しぶり、こりゃ、ボ~ズかも・・・」

先週の石徹白川と同じく、年に1~2回しか来られない、ここ小坂川です。


昨夜は道の駅 はなもも にて車中泊、星空がとてもきれいな一夜でした。
せせらぎを枕にしての一泊・・・渓流釣師には乙なものです。

翌早朝、曇り空ですが雨の気配は感じられません。
いつものように赤沼田から林道を分け入り、藪を漕いで降り立った小坂川。


今年はその林道もぬれ落ち葉が重なり、道中の小道も蜘蛛の巣がたくさん。
様子からして、ここ最近は誰も訪れていない感じでした。
期待して釣り糸を垂れ始めたのですが・・・



<さわやかな初夏の小坂川>

降り立った正面はいつもの岩盤壁の直下、振り込みを繰り返せどもアタリ無し。


それから下流に向かい、少しずつ移動しながら、仕掛けを流します。

・・・落ち込み、岩裏の流れ、対岸は樹木下。
いつもなら結果に繋がるポイントを、丹念に、丹念に。

しかし、不思議なことにもアタリすらなし。
とうとう、これ以上は下れない、小坂の街並みを望む絶景ポイントに。


激流は落ち込みの向こう側、下り続ける小坂の激しい流れ。
遠方に白雲と青い山々、手前に鮮やかな色調は民家の屋根。
このポイントでは、これまで以上に粘ったのですが・・・

タバコを所望しながら、さて、一人作戦会議です。

「さあ、困ったな。
 小坂川は諦めて新規開拓、支流は大洞川、濁河川に逃げ込もうか?
 いずれにしても、まずは取って返して、降り口まで戻るか・・・」


後ろ髪を引かれながらも、今来た河原を引き返します。

・・・往生際の悪い小生です。
これから装備を収め、長い林道を退渓、車を運転して・・・を考えると、
どうしても、つい一時間ほど前に探りを入れたポイントへ、
ダメ元を承知で仕掛けを振り込んじゃいます。
 


<一体全体、何が、先ほどと違うのか・・・??>

エサはブドウ虫。
浅瀬に立ち込んで10m竿をブ~ン。
投入ポイントの狙いは、落ち込みの流れが直撃する岩盤壁の直下です。

・・・小生のお好みは短手尻。
10m竿に9mの糸、ポイントは外しませんよ。

直下の直撃流は複雑な流れ、それに揉まれて仕掛けはオロオロ。
時間稼ぎ、見えはしませんが、仕掛けは沈下。
良い頃合いで流れ始めます。

細糸0.3号ですが重めの錘、川底を撫でる手応えが微かに。


流れ下る目印が真横を通過、立ち位置より下流は川中央の岩、
その手前を通り過ぎるころ・・・

!!アタリです、待ちに待った!!

アタリと同時に伝わる手応えは良いサイズ!
いや、こりゃ、大きいわ!

中央の岩の手前を下流へ、そして上流へ。
川底のえぐれ、その一番深いポイントにピタリ、定位します。

川の流れも相まって、ずっしりと重たい手応え。
マズいな、こりゃ、糸が切れちゃう・・・

少し強引ですが、竿をより立てて、走らせ浮かせます。

浮いたところを水面をコロがし速攻!
たも網は間に合いません、もう岸に打ち上げます。


河原で砂にまみれたアマゴさん、たも網ですくって川で洗います。



小生のチンケなたも網は27cm枠、それから頭が少しだけ出ちゃう9寸超え。
・・・う~ん、良い面構えをしています。


しかし、このポイント、朝一番で流しに流した場所です。
ナゼに今になって釣果が?

朝一番と今で違うこと・・・何だろう??
・朝は薄暗く曇り空、今は日が差す日光
・お仕事でお疲れ気味、梅雨アマゴは朝寝坊??
・いや、単に家内と一緒、ツンデレの内弁慶なだけ!?


その後も先の川中央の岩、その向こう側の緩めな流れから・・・
この子も良いサイズ、「抜き」は叶わず、コロがしの打ち上げで。


もちろん、朝二番くらいで、この岩裏も探りを入れていました。
不思議です、何が一体、違うのか??


<これが梅雨の小坂川>

これなら本日、期待が持てます、小坂川。
何が起因かよくわかりませんが、一人作戦会議の案は却下です。

ここで、小坂川で、本日は粘ることに。
小坂川を赤沼田の集落に向けて、えんやこら、さかのぼります。




この川いっぱいに広がる深場。

押しの強い小坂川、淵にしては流れがあり、表層にはゆらぎが。
仕掛けを通すと判ります、川底にも良い速度でしっかりと。


長竿の長所を活かして、対岸の上流へ遠投、下流はギリ一杯での引き上げ。
その長~い流しの区間、喰いのポイントは2つ3つと。

・・・そこで、良いサイズが連チャンでした。




小生の広げた手の平は20cm、それに満たないサイズは即リリース。
それでも、これまたチンケな容量の小生の友舟は満員御礼です。


アマゴさんの三密状態、これはイケませんね。
新コロナ対策から、小さいものから順に、強制下車を頂く始末でした。



5年前の6月に初めて訪れた、ここ小坂川です。
それから毎年、今の時期か秋口での訪問を。
今回はその中でも、良いサイズの揃い具合は一番の釣果でした。

・・・そういえば最初の訪問時、あの時も前半の朝一番はサッパリ。


きっと中年の小生と同じく、2~3年物の良いサイズはアマゴさん、
老眼の近眼で朝の暗い間はエサが良く見えなかったのでしょう!?


川から上がり時間は正午。
お昼ご飯を頂いて、都合3時間の下道運転、帰路につきました。



<データ>
6月27日 小坂川
エサ    :ミミズ、ブドウ虫
竿     :10m SG ロング
仕掛    :針 吉村7号
       錘 3B号
       天井糸 0.6号 4.5m
       水中糸 0.3号 4.5m
釣果    :アマゴ 29cm、28cm 各一匹 
           8寸   2匹
           6~7寸 3匹
           小アマゴ 数匹
気温    :16~25℃
天候    :曇りまま晴れ
表層水温  :16℃













2020年6月21日日曜日

梅雨の中休みに~石徹白川渓流釣行




金曜日の雨は夕方少し前に上がりました。



日中もさほど気温が上がることも無い雨の一日、
降り方も若干の控え目でした。

その金曜日の晩は車中泊、今週末は郡上白鳥のあゆパークにて。
翌朝の行先は積算降水量30数mmの石徹白川です。


夜中も雨が降ることは無かったのですが、少しだけ冷え込み。

長袖に長ズボン(ズボンって言わないか、最近は。)を着て、寝袋での就寝です。
寒さを感じることは無かったのですが、翌朝のハスラーの窓は露だらけ、
ドアを全開にした状態で朝食を頂きました。



「さあ、がんばって峠を越えるか。」

日本海へ注ぐ九頭竜川の上流は石徹白川、細道曲道の分水嶺は桧峠越え。
ハスラーのギヤをスポーツ・モードに変えます。



<石徹白橋は曇り空>

昨年の石徹白川釣行も朝方は曇り空でした。
その道中も小雨が降っていましたが、本日は深い霧が立ち込めています。

石徹白橋からの眺めは今年も残念、遥か遠方に臨む青い山々はお預けです。


でも目論見通り、石徹白川は増水はしていますが、然したるものでもなく。
途中、峠川のC&R区間では早くもご同輩の駐車を拝見します。
今年も、こりゃ、イケそうです!


石徹白川の西側を走る林道。
舗装のされていないその道を、4WDはゆっくりと北へ進みます。

今年もやってきました、昨年と同じポイント。
藪を漕ぐのは危険です、前回同様、枯れ沢を伝って入渓します。


対岸の少し下流にはキャンプ場が。

深山幽谷な石徹白川、人の気配が少しでも感じられるものがあると、
一人っきりでの渓流釣りです、薄暗い早朝は何となくの安心感がありますね。


<朝一番、一投目はご用心>

対岸は護岸壁、その直下は深さもあり、流速も良い案配です。


エサはミミズさん、目印下を1.5mくらいにして。
ブ~ンと本流竿を振り込み、うねった水面に仕掛けを投入します。

お空は曇っていますが、東の山からはお日様がちらほら。
朝一番は川面を走る風も心地よく涼しいですが、
流石に6月も下旬は夏至の前日、日中は暑くなるかな~。


そんなことを考えていたら、
上流に振り込んだ仕掛けが真横を通過した辺り、目印に変化が。

アワせます。
すぐで返す手応えは、どうだろう、6寸程度かな?

しかし・・・お魚は走り出します。
上流へ下流へ、次いで護岸壁へ、取って返して手前へ。

「違う、こりゃ、6寸程度じゃない。」

ピ~ンと張った0.3号糸。
お魚に馬力はありますが、でも、それはこの糸の範疇です。
手前に走ってきたお魚の上半身が水面上に。

目の前で刹那に伺えた大きな胸ヒレ、そりゃ泳力もあるわ。
目測8寸以上は間違い無し、よっしゃ!

お腰のたも網に手を掛けたその瞬間、
急に無くなる竿からの手応えと、視界から消えるお魚の上半身!

何じゃ?
チモトが切れたか??

いずれにしてもバラシです・・・
くっそ~、良いサイズを。(汚い言葉ですね、ご容赦を。)


でも、水中糸の結び、目印、錘と、
上から順番に確認しても針先まで異常はなくて、
無いのはエサのミミズさんの半分だけ・・・

針ハズレ?
あれだけ、縦横無尽に走られて??

これでは打つ手なし、かえって諦めが付きますし、
良い手応え、楽しませて頂けました。


<その後は快調!>

川に沿った長~い護岸壁です。
2~3回仕掛けを流したら10mほど上流へ移動して、その繰り返し。



その間、6~7寸のヤマメ、アマゴさんが間を置くことなく。
楽しいです、ありがとうございます、石徹白川。




<上流は林道側にも、似た流れが>

ひとしきり探りを入り終えた後、キャンプ場脇の護岸壁から移動、
その上流のガレ場にて本筋を渡河します。

木曽の末川、飛騨の秋神川でも感じるのですが、
一抱え程度のコケ蒸した岩が多く、滑りやすい上に大岩と違い軽くて、
粗忽者には非常に難儀、慎重な遡行が要求されます。


そんな湿った小岩の集団は生き物の楽園です。


さあ、ようやく渡河も終わり、上流にまた護岸壁が見えてきました。



<快調!その第二幕>

時刻は9:00を過ぎて、まま雲間に日は隠れるのですが、
高く上ったお日様に照らされて、川面がとても眩しいです。
もちろん、そんな時は背中もジリジリと・・・


先ほどのキャンプ場脇の流れと同様、
ここも護岸壁の際、良い流速と深さを併せ持つポイントが。


同じく、数回の振り込みと10m間隔の平行移動、
その繰り返しの間にポカリとタバコを所望する、
小生の自称「カニ歩き戦法」を展開します。


昨年の漁協の巡回さんからのお話では、
ここ数年はアマゴの放流は行っていないとのことでした。

でも本日は挙がるお魚の概ね半分は、良いサイズ・2~3年物のアマゴです。
放流されたアマゴさんが居ついて、きっと繁殖しているんですね。

それにしても、昨年も今年も、いわゆる小アマゴさん、
10cmに満たないような新子には御目文字が叶いません。

・・・釣り人にしては「弱い者いじめ」のように後味が悪くなく、
釣りエサの消費も抑えられ、とても良い傾向なんですがね・・・


引き続き、粗忽・不器用・加えて色気なしのオジサンにも、
良いサイズのヤマメ・アマゴさんが飽きることなく掛かります。




<さあ、今週も新天地へ!>

時刻は11:00です、まだ多少のお時間が。
この上流は未だに未開拓なのですが、確かまた遡行が難儀なガレ場があったような。

まあ、無理のない範囲で、行ってみますか新規開拓へ!


楽しませて頂きました、護岸壁よ、ありがとう、そして、さようなら~。


ガレ場の流れは複雑です。
よ~く観察をして、深場・急流は回避して、上流へ上流へ・・・


遥かに望む白雲と青い山々。
緑の木々と眩しい水面(みなも)。

これぞ石徹白川!
遠くまでやってきた甲斐があります。

・・・よく見ると、川岸にはご同輩がお一人、フライさんです。
こりゃ時間的にも、粘ってもあそこまでかな?丁度いいや。
それに恐らく、退渓口もあるハズです。


よし、この落ち込みを本日の最後としましょう。
その前に、腹ごしらえを・・・


< 内緒の話は あのねのね>

・・・その昔、幼稚園でこんな童謡を習いました。

♬ないしょ ないしょ 内緒の話は あのねのね・・・♬

教えて頂いたのは、きれいなきれいな「すみれ先生」でした。
(しかし我ながら、そんな古いことを覚えているね~。)


「コロナが怖いから、手をよく消毒してから、お昼は食べてよ!」

そんなこんなで、
家内から手渡された消毒用アルコールは「手ピカ・ジェル」です。
ランチ・パックをパクつく前に。

しかしながら・・・
ミミズの針掛けで、手の爪の中は真っ黒です。
果たして、アルコール消毒をしても、意味があるものなのか?

加えて・・・
そんな汚い指先で、絞めたお魚の解体処理です。
真っ黒な人差し指で、お魚の背骨に沿って血合い抜き。

夕食で、おいしい美味しいと、お土産のお魚を食べる家内。
彼女もミミズ、イモ虫が釣りエサなことは承知ですが、
ここまでに至る「工程の詳細」までは知りません。


・・・いやそれに、
毎週毎週で旦那が、川の深みにハマって危機一髪だったり、
落ちたら死んじゃうような岩崖をよじ登っていることなぞ、
彼女は知る由も無く。

家族へも話せない「秘密の出来事」が繰り返される渓流釣り。

♬ないしょ ないしょ 内緒の話は あのねのね・・・♬
ほんと「罪づくり」なことです、渓流釣り。


昼食の後、先ほどの落ち込みで頑張ったのですが、
既に先行するフライさんがお上手だったのか、
無釣果で根掛かりが2回でした。


・・・きっと何でも知っている、山の神さまからの思し召しです。

「もう今日は十分に楽しんだじゃろうに。
 早よう帰って、あげたらどうじゃえ??」(ナゼか名古屋弁)


年に一回の石徹白川釣行ですが、今年も楽しめました。




<データ>
6月20日 石徹白川 
エサ    :ミミズ、ブドウ虫
       今年もミミズに軍配でした。
竿     :8.5m 渓峰本流
仕掛    :・針 吉村7号 
       ・錘 B1~B2号
                  ・糸 天井糸 0.6号 3m 水中糸 0.3号 4.5m
釣果    :アマゴ 7寸 2匹
           6寸 3匹
       ヤマメ 7寸 1匹
           6寸 5匹
       *全リリース
気温    :13~23℃ 
天候    :曇り後晴れ 風
表層水温  :13℃