2022年7月31日日曜日

夏の渓流釣り~今年の石徹白川釣行

 

本格的に暑さが厳しくなる夏。

釣りをなされない方には意外かもしれませんが、
アユ釣りが佳境を迎える中、渓流釣りは厳しくなります。

アマゴ、ヤマメ、イワナの渓流魚は冷たい水を好み、
川の水温が上がってくると、積極的にエサを追わなくなるのです。

そんなことから、
今のこの季節から初秋にかけて、
渓流釣りの舞台は比較的に標高の高い河川に移ります。


今回訪れた石徹白川は九頭竜川の上流部。
標高は700mほどで遥か遠くに白山連邦を望み。

遠くて毎年は1~2回の訪問なのですが、
来る都度に素敵な渓相と山景色が楽しめ、ナゼなのか神秘性も感じさせます。


<夏バテ?ミスばかり>

夕立や深夜立?が多かった週の前半、
尾張北部は週中ごろから雨も無く暑い日が続きました。

郡上も同じような空模様であったご様子。

車中泊は道の駅 あゆパーク も、
夜になってもあまり気温が下がらずで。

その道中も、いつも以上に?ボ~っとして。

最初のミスは・・・
朝食に「どん兵衛」をと思い、水筒にお湯を用意したのですが、
その水筒の蓋はねじ込みが甘く、リュックサックと座席は水浸しに。

も~う、心がヘコみます。
そんなこんなで、寝つきの悪い・寝苦しい車中泊でした。


それでも翌早朝は、遥々と分水嶺を越えて石徹白川に。

未だに朝日が差し込んでいない川は、見ているだけで涼し気です。

お決まりのポイントは、キャンプ場の西側を対岸から。

お空は雲一つないピ~カン。
遠くの山々が綺麗ですが、標高が高いとは言え、今日もきっと暑くなります。


<本日、2つ目のミス>

ここまでの道中、
林道を歩き沢伝いに深い藪を漕ぎ、
体中は蜘蛛の巣だらけ、おまけに藪の朝露で衣服はびっしょりです。

まだ日の差し込まない、涼しい河原に降り立って、釣りの準備を始めます。

濡れた足元から伝わる、冷たい川の水温。
寝苦しい昨夜でしたが、これで、心も体もピリっと引き締まります。

さあ、竿を延ばそうか、
とカバーから竿を取り出すと・・・

あれ?
軽量本流竿は「渓峰本流」のハズが、
ナゼか重火器・剛竿は「SG パワースペックZR H+」、
それがカバーの中から顔を出します。

・・・しくりました。

2本とも同じ色柄は種類のカバー袋に納められ、
ハスラーの天井裏は竿受けから取り出す際、
竿栓まで確認したのですが。

後で気が付くはこの2本、竿栓の径は違えど、色柄は同じで・・・

さあ、ど~する?
蜘蛛の巣と朝露にまみれ、またハスラーまで戻るか?

・・・横を涼し気に流れるは清流 石徹白川。
きっと、川のお魚は小生を待っています。
心はウズウズ、ガマンできまへん!

幸いにも、重火器用?の0.7号トオシ仕掛け、それはリュックの中に。

「て~い!大は小を兼ねる!
 もう、今日はこのままイッテまえ!」

・・・名古屋者のお決まりは「エエころ加減」さ、
本日も、それがばっちり、前面に出ています・・・


<土用隠れ?見えているのに>

剛竿は重たいですが9.5mの長尺、その利点を生かして遠投、
対岸は石垣の直前、早い流れに仕掛けを打ち込みます。

振り込んでは流し、そして引き上げ。
上流へ少し移動して、また振り込んで・・・

この繰り返しですが、意外にも本日、アタリが全くありません。
100mほど釣り上がり、手を休めて一服します。

何なんだろう?・・・この手応えの無さは?

未だ日陰は川面の涼しい風、ゆらゆらと煙が流れていきます。
そんな川面を凝視すると、川底でキラりっと光る銀影が幾つか。

・・・お魚、居るには、居るンです。

でも釣れない・・・一体全体、何がマズいのだろうか?

針先から錘までの位置、
錘から目印までの距離、
錘をB2からBへ変更、
針は吉村8号を7号へ、
いろいろと変化を付けてみるのですが。

0.7号トオシがマズいか?
でも、こればかりは剛竿が故、変更が効かなくて。

そんな試行錯誤の中、ようやく掛かりました。

8寸程度はイワナさん。
お出ましの位置は、先ほどからの繰り返し、早めの流れの底から。

・・・ただ、3回ほど、同じスジを流した後に。
こりゃ、きっと、「食い気」が無いンだ・・・

本日、厳しい展開が予想されます。


<陽が登ってきました>

涼しかった日陰の河原、そこにも徐々に日が差し込んできます。

岩だらけの流れ、慎重に遡って、次のポイントへ。

背中に当たる夏の太陽、容赦がありません。
川の冷たい水に足元だけでも漬かりながら、釣りを・歩みを、進めます。

それでも、フツ~の流れからは、やっぱり残念、音沙汰がなく。


そんな中、石垣の直下はエグれた深い流れ、それが目に留まります。

その手前は人工川底でしょうか?コンクリ・ブロックの川底が。
それと石垣との間、幅にしたら1m程度?気になります。

・・・軽量本流竿なら、斯様なピンポイントも容易なのですが、
夏バテ?粗忽者の彼、本日の装備は重火器・9.5mの剛竿です。

とは言え、この流れ、ニオイます。
もう、ここは、剛竿でスナイパー!

竿は9mにズームを縮め、糸も1mだけ短くして。

して、その結末は・・・

細くて深い流れ、その落込み直下から、7寸のアマゴさんが。

・・・サイズは7寸でしたが、
このアマゴさん、とても良く引き走りました。
流れの勢いも乗じて、最初は尺モノ?かと勘違いするくらい。

「まだ居るな、この流れ。」

次いで再度で剛竿スナイパー!
してして、その結末は・・・

またしても7寸くらい、今度はヤマメさんです。

どうも本日は深くて早い流れ、少しでも水温の低いポイントに、
皆さまは屯(たむろ)為されているような。


<本日は3つ目のミス>

小生には珍しくも、イワナ、アマゴ、ヤマメの五目釣り。
・・・後に、アブラハヤも加わって4種!?
このポイントで数を稼ぎました。

次なるポイントを目指し、川をさかのぼります。


大岩・小岩が流れの間、点在する登り区間です。

・・・この岩に身を委ねてイイものか、
一歩ずつ判断を下しての進出、慎重に・慎重に。

片手には仕舞った剛竿を、もう片方の手にはお魚の入った友舟が。
しかし小生、岩と岩との渡り歩き、えらく身軽だな・・・

・・・そのハズです、
気が付けば小生、リュックサックを背負っていません!

先ほどで好釣果を得た石垣際のポイント、
釣果が良すぎて?河原にリュックを置き忘れ・・・

困ったモンです、ハイ。
その間は200mほど、折角にも慎重に渡った岩瀬を後戻りして。

依る年波?夏バテ?はたまた、寝不足?
いずれ、これは良くない兆候、本日は早めに切り上げます。。。



色彩は碧と緑が支配的であった石徹白川。

その今年の訪問は夏の厳しい渓流釣りでしたが、
どの季節に訪れても、その時々の魅力を感じさせてくれます。


川から上がり、着替えを済ませ、林道を安全運転にて。
白山神社の境内で、今日の昼食はランチ・パックを頂きます。

神社の境内も、石徹白の村内も、
ここでも碧が主役、アジサイがとても綺麗でした。


<データ>
 ●7月30日 石徹白川 
エサ    :ミミズ、ブドウ虫
竿     :9.5m SG パワースペックZR H+
仕掛    :針 吉村8.5号
       0.7号 9m トオシ 
       錘 B~2B号
釣果    :イワナ 8寸 1匹
       ヤマメ 7寸 1匹
       アマゴ 7寸 1匹
       小ヤマメ、小アマゴ 数匹
       アブラハヤ  数匹
       ※毎度、寸表記はリリ~ス
気温    :18~20℃  
天候    :晴れ
表層水温  :19℃
月齢    :1.4












2022年7月24日日曜日

渓流釣りの ち・り・ぬ・る・を~庄川支流一色川釣行

 

飛騨荘川の天然記念物は「治郎兵衛のイチイ」。
昨年の夏も、このトイレ付駐車場でお世話になりました。

目覚めた早朝、朝の荘川は空気もひんやり。

川のせせらぎとカエルの合掌、
昨夜もとてもよく眠ることが出来ました。


<今回は渓流釣り事始め、その第二弾!>

同じ職場のAさん。
今月の初めに人生初の渓流釣り、それを馬瀬川でご経験されました。
その時は初めてにもかかわらず、塩焼きサイズのアマゴさん2匹の釣果を。

今回は河岸を変えて、ここ庄川の上流にて。

2回目の渓流釣りです。
いろいろな場面・流れに馴染むことも大切なのでは?
・・・などと、先生面した小生であります。

しかしながら、人様にご指導するなんて大それたこと、とてもとても。

これはもう、川が・山が、渓流釣りとは何なのか、教えて頂けるのでは?
それなら庄川支流は一色川、ここなら間違いなし!

勝手気ままは適当に理由をこじつけて、
自分の行きたい渓流をゴリ押しするのでありました。


<まずはキャンプ場下にて>

朝一番は一色のキャンプ場、その直ぐ下流は小生行きつけの場所で。

今回は初心者用の市販は仕掛けセットを手渡します。


竿もAさん、お父さんの使われていた年代物の6m竿をご持参です。
でもこの竿、「硬調」の表示があることから、
渓流竿とお見受けするのですが、銘柄は伺ったことの無い名前です。

・・・きっと、かなりの年代物かと、手にするとズッシリ感が。
それでも、竿の状態はメチャ綺麗!
恐らく上手に・丁寧に使われてきたのでしょう・・・


小生もAさんの下流側、少し距離を置いて始めます。

本日の一色川、水量もあり、まずまずの状態かと。
お空も曇り空で暑さも凌げて。

そして、幸先よく・・・


<トラブルあれこれ>

暫くするとAさんが、こちらへ下って見えました。

「いや~、木を釣っちゃって・・・」

上流域での渓流釣り、そこではよくあるお話です。
自称中級者の小生、でも未だに、木釣り・枝釣りはしょっちゅうです。

仕掛けは上手く回収出来ましたが、ハリスから先は残念ながら。

・・・この仕掛けセット、
「針結び」の出来ない方向け、良く出来ています。
ハリスにコブを作って、ハリス止めに引っ掛けるだけです。


暫くして、またAさんからお声がけが。

「いや~、仕掛けが飛んでっちゃって・・・」

ん??
状況を伺うと振り込みで、
ナゼかリリアンからチワワが抜けて、飛んで行ってしまったと!?

・・・流石の小生も、これは、あまり、経験しない、不具合です。。。

でもこの時は小生も丁度、「枝釣り」で仕掛けが外れた状態でした(笑)。
この時点で小生もAさんも、塩焼きサイズが各一枚。


<場所を変え、林道深くに>

いいタイミングかな?移動する。
入渓が容易なキャンプ場下のポイントです。
小生もその一匹を挙げたのみで、その後はお後が続かずでした。

一旦、車に戻り、少しだけ上流は貯木場から林道を分け入ります。


コンディションの良さげな今朝の一色川。
徒歩で分け入るご同輩、既に2組ほどお取込み中でした。

その林道から上流、雰囲気は山岳渓流。
仕掛けは小生のお手製を「ちょうちん」にして。


このころから、お空は晴れたり・曇ったり。
晴れ間から覗く日差しは容赦がありません。

標高の高いこの近辺、抜ける風の涼しさ、それだけが幸いです。

でも、釣果は先ほどより、宜しいような。


川沿いに登りに登り、少し広めなテラス状は早瀬に。


<Aさんはきっと、何か「持って」います。>

そんなテラス状の受棚は早瀬、その落込み・岩中の流れにて。

またぞろ、木釣りと格闘中は小生の元、
Aさんもまた、こちらに下って見えました。
・・・竿に仕掛けが付いていないご様子で。

「いや~、恐ろしく大きなお魚を掛けちゃって・・・」

結果として、大きなお魚、
それに仕掛けを切られてしまった様ですが、

「あの瞬間はホントにスゴいね。
 こう、何というのか、体中のアドレナリンが沸騰しちゃって。

 お魚は流れの中を2回3回と廻って走るンだけど、
 それを何とか挙げよう、って、もう必死も必死。
 あれは、中毒症になっちゃうよ・・・」


・・・Aさん、
逃がしたとは言え、たった2回目の釣行で、
そんなオオモノを掛ける人、そうそう居ないですよ・・・



「いろはにほへと ちりぬるを」は「色は匂へど 散りぬるを」、
ご存知の「いろはかるた」の出だしです。

色香鮮やかな花も、いずれは散ってしまう、という意味のようで、
一説には「諸行無常」、万物の常での変化、を表しているのだとか。

オオモノのとんでもない引き具合、その味を知ってしまったAさんです。

もう、元には戻れない、
渓流釣りは「諸行無常の世界」なのであります・・・



<データ>
7月23日 一色川
エサ    :ミミズ、ブドウ虫
竿     :6m 渓秀
仕掛    :針 吉村7号
       天井糸 0.6号 0.7m 
       水中糸 0.3号 4.5m
       錘 B1号
釣果    :ヤマメ   7寸    2匹
       イワナ 7寸    1匹
         小ヤマメ  3匹
気温    :16~22℃  
天候    :曇り時々晴れ
表層水温  :17℃
月齢    :24.1













2022年7月20日水曜日

夏の渓流釣り~高原川&ソーレ谷

 

お昼過ぎまでは乗鞍岳の東側、安曇野は前川での釣行でした。


奈川は黒川渡でのスタンドのオヤジさん、
そのアドバイスに依れば前川は、
ダム湖に近い下流より乗鞍高原の上流が良いとのこと。

しかし、毎度、思考と素行が天邪鬼な名古屋者、
彼の結果はその真逆にて、前川下流で一匹のみ、尺上イワナを頂きました。


<二日目の夜は民宿で>

午後も夕方近くなり、今宵のお宿を目指して、
ハスラーは安房トンネルを奥飛騨に向け潜ります。

トンネルを入る手前は小雨だったお天気。
それがトンネルを抜け平湯温泉に出てからは土砂降りの雨に。
平湯川は見事なコーヒー牛乳です。

R471を神岡方面に下り宝橋、蒲田川の増水はさほどでもなく、
茶色の平湯川と無職の蒲田川、
その水が混ざり合い、高原川は程よい笹濁り。

いつものポイントは高原川の見座、
駒止橋から見下ろす高原川は見覚えのある水量に水勢です。

明朝一番は、まずここで・・・

蔵柱川をさかのぼり、初めて泊まる今夜の宿に入ります。

150年前に建てられた母屋とのことです。
でも、その中は今風にアレンジ、とても、おしゃれな民宿。

女将さんはとても気さく、
朝食の代わりにおにぎりをお願いしたらご快諾を。

夕食は我が人生初めて、取れたばかりの鹿肉、その唐揚げでした。
きっと、お料理上手なのでしょう、臭みも全くなく、美味しかったです。


<ご同宿はフルカワさん~ソーレ谷のアマゴ>

女将さんのお話では、本日はもう一人、釣り客がご宿泊と。

この方、シーズン中は毎月のようにここで宿泊。
女将さん曰く、今晩も降りしきる雨の中、
夕食の直前まで川でがんばって居られるのでは?とのことです。

鹿肉に舌鼓を打っていると、その方が食堂に来られました。
お歳の頃はどうでしょう、小生より少し上、ご定年されたか・否か、くらい?

「今日はどこでヤラれたね?」
お国言葉は関東方面かな?多少、ぶっきらぼうで。

小生の安曇野での釣果・結末をお話した後、
彼、フルカワさんの話題は、ここ、高原川に移ります。

もう何年も高原川に通われていること。
源流釣りがもっぱらで、跡津川の上流は打保谷について。
いつも、一人が好きな方の様です(人様のこと、言えませんがね。)。
漁協の関係者にお知り合いが居られ、釣り券を買ってからの釣行であるべし。
などなど・・・

「・・・ところで、ソーレ谷へは行ったことあるかい?
 高原川を上流に向かうと、ガソリンスタンドがあるだろ。
 その手前の橋を渡って、丹生川に続く道を暫く上ると、
 川底一体が一枚岩になっとる。
 その最後の大淵は、アマゴが良く釣れる。」

伺った釣り歴からは、アマゴとヤマメの区別は大丈夫なご様子です。
でも、小生の知る限りでは、高原川とその水系はヤマメが主流。
アマゴもいますが、それは僅かで漁協の放流ものかと。

また、丹生川に続く道は過去に一回だけ通たことが。
それはとんでもなく細道・山道で辺鄙な所です、
そんな奥にお魚を放流するものなのか?

小生、念押しで、
「ヤマメじゃなくて、アマゴですか?」

フルカワさん曰く、
「ああ、川の雰囲気はイワナだが、アマゴでね。」

う~ん、まか不思議なお話です・・・

「道が本格的に険しくなる手前が大淵だから、明日、行かれてはどうだね。」

お宿の女将さんも過去に「一枚岩」の川へ、水遊びに行かれたとのこと。
「ソーレ谷は気持ちが良いですよ。」

・・・酔狂な感じもしますが、モノは試しです。
明日、行って見ますか、双六出会いでの本流釣りの後に。


<雨上がりの朝、高原川本流で>

夜半まで降り続いた雨ですが、朝は雲間から少しだけ薄日が。
それでもやはり、今にも降り出しそうな空模様です。

双六川の出合い、高原川の大きな河原、ポイントへ歩みを進めます。

川の様子は・・・若干、濁りが濃いかな?

雲なのか、霧なのか、山に霞が掛かる今朝の高原川。

駒止橋下から流れ下る水勢が、ここで湾曲、緩みが見られます。
以前は大淵でしたが、今は流れの早い深瀬の様相です。

そんな大きな落ち込みの、流れと流れの間、
またはその脇の渦・反転流に大き目の錘で仕掛けをねじ込みます。


こんな流れ、狙うはオオモノ、なんですが・・・

う~ん、本日の高原川、釣れるのですが、如何せんサイズが。
こんな早瀬・深瀬ですが、揚がるのは小さめの塩焼きサイズばかり・・・

途中、雨が本降りに。
それも2時間ほどでお空からは強い夏の日差しに。

忙しい天候の変化です。
カッパを着たり、脱いだり、小生も忙しく。

時刻は9:00少し過ぎ。
まだ時間は早いのですが、今日の本流は難し目。
はたまた、ここも「腕の無さ」?

・・・それに、昨夜のソーレ谷、あのお話が気になります。


<川底全体が一枚岩、駆け抜ける流れ>

川から上がり、一旦、高原川を車で鼠餅まで登ります。
高原橋を渡って、県道は細い山道に。

登り始めて直ぐ、まだこの辺りの川底は普通の岩底です。
車を走らせては停め、川底を確認、また走らせて・・・

細道がつづら折れになる手前、
あれ?確かに川底の様子が妙だぞ。

つるつる(この言葉、イヤですね。身に沁みます。)の、のっぺり、
川底に岩や小石が見当たりません。

・・・これがソーレ谷か?

今少し、今度は道を下り、降りられそうな所から入渓します。



いや、確かに、川底が一枚岩。
そこを水流が勢いよく流れ下っています。
まるでウオーター・スライダーが出来そうなくらい。

こんな区間がどうでしょう、都合1~2kmほど。

ただ、残念なことに、
暫く水に浸りながら川を下るのですが、
この流れの最後は大淵、それがどうにも見つけられません。

・・・きっと、夏の木立と草木で見通しが利かず、
逆に普通の川底だった下流から、
川伝いに登って行けば見つけられるのかも・・・


暫くの間、釣りは諦めその滑り行く流れの中、
不思議な川景色と行く夏を感じながら、
その心地よさから立ちすくむのでありました。



●7月17日 高原川 

エサ    :ミミズ、ブドウ虫
竿     :10m SG ロング
仕掛    :針 吉村8.5号
       糸 0.7号トオシ9m
       錘  5B号 5B+4B号
釣果    :ヤマメ 6寸  2匹
           5寸  4匹
       ウグイ 6寸  2匹
気温    :15~20℃  
天候    :雨まま曇り
表層水温  :18℃
月齢    :18.1














2022年7月18日月曜日

夏の渓流釣り~奈川・前川釣行

 

今シーズン初のお泊まり釣行は安曇野方面へ。
もっとも、車中泊を織り混ぜての最近の釣行です、
何をもってして「お泊まり」なのか、定かではないのですが・・・

いずれ、待ちに待った夏の遠出は二泊三日、
初日は三年ぶりの安曇野は梓川水系、夕まづめは乗鞍岳の麓まで。



今にも降りだしそうな曇り空の下、
中仙道は藪原からR19より分かれ、
渓巡ハスラーは笹川沿いに境峠を登ります。

曲道・細道の境峠越え、
途中で何ヵ所か災害復旧工事のため片側交互通行。

そんな険しい峠道なのですが、この道はその昔、
飛騨の女工さんが信州諏訪へ通ったルートとのこと。
奈川は寄合渡から梓川沿いに松本平野へ至るルートと、
もう一本がこの中仙道は藪原へ抜けるルートがあったそうです。


<釣り券までの、長い道のり>

ようやくにも、そんな峠道を越え、昼下がりの奈川は寄合渡。
橋の袂の雑貨屋&酒屋にて。
初回の奈川釣行は夕刻、閉店準備の中、ここで購入を。

しかしお店に入っても薄明りで人の気配は全く無し。
・・・ある意味で物騒な、その一方で、のどかな・・・

レジ台の上には置手紙、
「畑に居ますので、お電話を。 090-●●・・・」

いや、畑からお戻りに為られてまでは、そりゃ、申し訳なく。
それに当方も時間が惜しくて。


次の販売先は黒川渡の温泉旅館まで。
ここも以前は夜更けでの購入訪問でしたが、
それでもイヤな顔もなく釣り券を売ってくれました。

・・・いつか、泊まってみたい風情ある温泉宿なのですが、
「一人客」はプランが無くて、加えて結構なお値段・・・

と!
あっちゃ~・・・

玄関先には「本日休業」の掛札が。
でも、玄関の明かりは灯り、引き戸はカラカラと開きます。

「ごめんくださ~い」
お声がけに大女将らしき方が奥から。


「ごめんなさいね、今日は対応が出来なくて。
 そこを下ったところにガソリンスタンドがあったでしょ。
 あそこも扱っていますから・・・」

なかなか釣り券にありつけない本日です。

それでも宿の駐車場を出る際、大女将は玄関先で深々とお辞儀を。
いやいや、こりゃ、かえって、恐縮です。
当方も車内から会釈を。


3件目のスタンドで、ようやくの釣り券購入です。
スタンドのオヤジさん、彼は釣りは為されない様です。

それでも、
年上の同性からはナゼか親切にされる、斯様な「星の元」の生まれは小生。

そろそろ銀チャンの遡上の季節、
奈川ならこの近所、前川は下流より上流がオススメ、
今日・明日は頃合いの良い増水、小雨で調子が良いのでは?
などなど、いろいろと、おいしい情報が。

・・・まだ出発から150kmとガソリンは減っていませんが、
シブチンな小生も大盤振る舞い??珍しくここで給油です・・・


<奈川のオオモノ>

前回の車中泊サイトはこの対岸。
その時の山梨ナンバーのご同輩からも、この近辺は狙い所と伺っています。


誰も居ない本日。
小雨の中、釣りを始めます。

ブドウ虫にもミミズにも、アタリ&釣果はありますが、小物のヤマメばかり。

雨の降りが激しくなってきました。
カッパを着込んで、笹濁りは雨で見えにくい水面、目印を一心に凝視します。

突き出た半堰堤の向こう側、
堰堤を越えた川の水が複雑な流れを形成、
そこに対岸すれすれを狙って、仕掛けを振り込みます。


目印が半堰堤の向こう側、大きく・ゆっくり周回運動。

暫くして、アタリです。
アワせに返す反動は・・・
今までと違いズッシリ、大き目が掛かりました。

ところが、
この大き目のお魚、大きいなんてモノじゃなくて。。。

ピーンと張る0.7号天井糸と0.3号水中糸。
先調子の竿先も大きくお辞儀を。

お魚が定位から移動に移ります。
細糸と穂先に溜まっていた水滴、四方八方に飛び散り。

小生も半堰堤の真横は下流まで小走り、
流れの本筋、その川底で雨で荒れた水面に映る黒い影、
どうでしょう、
目測推定40cmクラス?勢いと走り具合からイワナか??

尺程度ならイザ知らず、こりゃ、いけません、仕掛けが想定外です。
お魚と対峙しながら、さあ、ど~する?

もう、ここは速攻!?
いや、ムリだ。
定石通り、持久戦に。

走り出したお魚、と思ったら、また川底で定位。
繰り返される「静と動」。

静の時は糸を張り気味に、動の時は糸を緩め気味に。
避けるは糸切れ、果たして、これで、イイのだろうか?

いつもは長くて短い、おチビりしそうな時間なのですが、
今日のこの時間、く~、ほんと、漏れそうに長いです。。。

結末は、お魚が半堰堤の裏側、そこへの走り込みは逃げ込み、
案の定、0.3号が持ちませんでした、錘下から糸切れ。。。


<乗鞍高原で車中泊>

夕まづめは奈川でのハラドキなひと時。
都合、開けてみれば残念先行、いつもの小生的な釣果でした。

雨脚も激しく日暮れ時、
川から上がって車中泊の予定地、乗鞍高原に登ります。


残雪の残る乗鞍岳は目の前。
まずは簡単に夕食(カップうどんとコンビニのおにぎり)を取り、
蒸し暑かった釣行、その汗を流しに温泉へ入ります。

すぐお隣は御岳山周辺の温泉、そこの色は茶褐色なのですが、
ここ乗鞍岳周辺は乳白色です。

温泉で暖まった後、静かな・涼しい、高原の夜で眠ります。。。


<乗鞍高原 朝一番は前川の上流にて>

翌早朝、日の出とともに活動開始です。

でもほんと、
雨の車中泊釣行は、狭い車内がやたらと所帯じみちゃって。

予報が外れ、幸いにもイイお天気です。

果たして、このお天気、いつまで持つのか。

白樺橋の上から覗く前川は彫の深い渓谷でした。
その手前は林道?ハイキング道から、前川へアプローチします。


どこからも、乗鞍岳が良く見える乗鞍高原、釣場へ向かう足も軽やかに。

林道が川に掛かる橋、その袂からの入渓。

頭上が木々に覆われた、ミャク釣りには若干、不向きな渓相です。
それでも、珍しくも粗忽者、彼は仕掛けの損失も無く釣り上がります。

・・・仕掛けの損失もですが、釣果もナゼかゼロ。


とんでもなく、良い渓相、なんですがね。

スタンドのオヤジさん、彼のアドバイスとは裏腹、
朝一番の清々しい高原の渓流で、森林浴と撮影会が続きます。

これは、きっと、小生の腕前の無さ、それが主原因かと。。。

2時間ほど粘りましたが、
残念、おいしい空気を頂いたのみで、素晴らしい渓谷を退渓します。。。

駐車ポイントまで戻ると、入れ替わりはフライ・マンさんが準備中。

彼も前川は初めてとのこと。
ご挨拶かねがね、小生の貧果と橋から上の状態をお伝えして、
ご無事とご武運をお声がけします。


<朝二番 午前中は前川の下流にて>

さて、どうしたものか・・・

山を越えて岐阜県側は高原川、向かうにはまだ早すぎます。

・・・何より、本日はここの釣り券、
そのお代が、もったいなくて・・・

スタンドのオヤジさん、
彼によると前川の下流はイマイチ、とのことでしたが、
自分で竿を出してみにゃ、ものごと、分別は付かないような。

乗鞍高原を車で下り、
大野川隧道、その少し上流から、徒歩で林道を分け入ります。

出たポイントの前川、目の前には大場所、素晴らしい大堰堤が。

・・・入渓ポイント、その近くの大場所か。。。

お歳も後期中年な小生、最近は物事を悲観的に捉えるクセが。

いけませんね。
これじゃ、良い運気も逃げちゃいます。
折角の人生です、もっと楽観的にならなくちゃ・・・


ハイ!
ほんと、もっと、物事を良い方向に捉えなきゃ、ね!

大場所の堰堤からお出ましは、尺上のイワナさんでした。

昨日の取り逃がし、その二の轍を踏まぬよう、慎重に慎重にやり取り。
最後はまた足元で糸切れ。

しまった!と思ったのですが、
落ちた浅場の入り江は岩の下、僅かにお魚の尻尾が。
入り江をたも網で塞ぎ尻尾を引っ張ったら、お魚はたも網へ。

・・・これって、釣ったことになるのかな??

またまた、スタンドのオヤジさんのアドバイスとは裏腹。

それでも、前川の下流、釣果はこの一匹だけ。
やっぱり地元の方のご意見は正確ですね。

安曇野側は奈川・前川での釣行はここまで。
翌日は2年ぶりの奥飛騨、高原川へ・・・


<データ>
●7月15日 奈川 
エサ   :ブドウ虫、ミミズ
竿    :7.0m  天平 
仕掛   :針 吉村7号 
      錘 1B号
天井糸0.7号1.5m 
水中糸0.3号4.5m
釣果   :
    ヤマメ       5寸    3
    小ヤマメ              数匹
気温   :20℃ 
天候   :雨まま曇り
表層水温 :16℃
月齢   :16

●7月16日 前川 
エサ   :ブドウ虫、ミミズ
竿    :上流 5.4m  天平
      下流 7.0m  天平 
仕掛   :針 吉村7号 
      錘 1B号
天井糸0.7号 上流 0.3m
        下流 1.5m 
水中糸0.3号 上流 2.5m
        下流 4.5m
釣果   :上流 ボ~ズ    
      下流 イワナ  32cm  1
気温   :15~20℃ 
天候   :曇りまま晴れ
表層水温 :15℃
月齢   :17.1