先週の六厩川釣行では久しぶりに「銀チャン」が釣れました。
「銀チャン」とは釣り師の間での俗称で、別名「シラメ」とも呼ばれます。
アマゴもしくはヤマメなのですが、お顔だけはそのままに、
体全体は銀色に光り、一見、別のお魚に見えてしまいます。
もう少し学術的に申し述べると・・・
魚体側面の小判模様はパーマーク、
それが薄くなり体全体が銀色になったマス類のこと、
そしてこの体の変化・変態を「スモルト化」と言うそうです。
変わるのは模様や体色のみでは無く、
エラで酵素が作用して血中のナトリウム濃度の調整ができ、
それはすなわち、塩水は海水でも生きて行けるようになるそうです。
・・・小生、珍しくも、にわか仕込みはWikiでのお勉強。
こんな、いつもと違う出来事、
それでもなければ、調べ事なんてしないンですがね。
それくらい、久しぶりの「銀チャン」でした。
毎年5月は長良川でサツキマス釣りをしますが、
こちらは残念なことに「銀チャン」以上にレアな対象魚です。
未だ釣れた試しは無いのですが、
このサツキマスも銀チャンと同じく、スモルト化したアマゴなのです。
・・・一見、肩の凝りそうな調べものでも、
自分に興味がある事は、めくるページも進むもので、
いろいろと面白いことが解ってきます・・・
スモルト化して海に下るお魚は、意外にも捕食能力が弱い個体とのことです。
反対にエサを取れる強いお魚は、川での居残りは残留組に。
弱くて川を下ったお魚は、海でたらふくエサを食べ、
強くて川に残ったお魚より何倍にも大きくなって、
再び故郷の川へ、繁殖を目的に登るそうです。
また、ダムなどで海に下れないお魚は、ダム湖が海の代わりになると。
六厩川の銀チャンも御母衣ダムがそれになるのでしょうね。
自然って、ほんと、上手く出来ています。
昨今の人間社会に例えれば・・・
どうでしょう、
「負け組」が努力して「勝ち組」に勝ってしまう?
スモルト化は社会福祉での「セーフティ・ネット・システム」??
また、スモルト化する個体はメスが多いとのことです。
どうでしょう、
窮屈な範囲ですが、我が家に例えれば、ズバリ、それは家内!?
昔は万事で控えだった彼女、
上手く染めてはいるようですが、最近は髪の毛が若干でスモルト化?
キャラが強いことは、もう、改めて申し上げる必要もなく・・・
Wikiには北海道でのヤマメを例に、要約では以下に記されていました。
2月頃に銀化兆候が現れ、
4月頃に背ビレ先端部の黒化が認められ、
パーマークは薄れて「前期スモルト」となる。
・・・存外に早い段階で「人生の岐路」に直面します。
5月は更に銀色が強く進み「中期スモルト」に。
そして6月には体色は銀白色となりパーマークは消失する。
・・・先週の銀チャンはこの辺りでしょうね。
背ビレは完全に黒くなり「後期スモルト」となりスモルト化は完了する。
銀化が完了すると体の厚みが薄くなり肥満度が減少する。
・・・確かに、先週の銀チャンも「細身」でしたが、
庄川本筋の銀チャンも、小生が釣った限りでは、皆がスリムでした。
それに加えて、
スモルト化した個体は体が薄く体脂肪量が落ち、
食味が悪化することから食用魚としては敬遠され流通せず・・・
・・・細身で8寸程度だから、とリリ~スして良かったです。
それでも、スプリンターの引きと走りは抜群でしたがね・・・
数年前に夏の北海道は道東・知床を旅しました。
斜里川の滝を懸命に登るサクラマスを見て。
銀チャンを釣ったことで始まった、
にわか仕込みはネットでのお勉強でしたが、思うことは実にいろいろと。
諸事の理由・経緯もありますが、
お魚も一生懸命に生きているンだな~、なんて。
さあ小生も、来週からお仕事、頑張りましょうか・・・
<渓流風景は春夏秋冬の庄川とその支流>
2 件のコメント:
こんにちは。
春先、長良川本流域で鎧を纏った
スモルトがまとまって掛かる事があります。18cm前後でヒレは黒くサンマを縮小した様な姿で、
パッと見、アマゴとは思えません。時期を考えると、河口堰あたりでスタンバイしているサツキと
すれ違ったりしているのでは?
などと空想してしまいます。
ここ数年の異常なサツキ不漁に
ついて昨年から京都大学チームに
よる調査が入っているそうです。
絶滅などという悲しい結果にならぬよう。学者さんにもシラメくん
にも頑張ってほしいですね。
morikyu
Morikyuさん、こんばんは!
これはまた珍しくも面白いお話です。18cm程度のスモルトが、しかもたくさん・・・晩秋ならいざ知らず、春先は季節的には登る時期ですよね。サツキも本当に数が減ったようです。岐阜市場の出荷数の推移を見るのですが、もう天然記念物に指定されてもおかしく無いような。小生も京都大学とお魚さんには、がんばってもらいたいです。
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