熊本地震で被災された方にお見舞い申し上げます。
ご諸兄各位殿
「すみませ~ん、おはようございま~す!日券が欲しいんですが~」
寒狭川沿いで看板を出している遊漁券販売所、雑貨屋さんの様子です。
引き戸を開けて店内の薄暗い土間から大声を掛けますが・・・応答無し。
奥から聞こえるは大音量のテレビ音声のみ、で、誰も居ない?
時刻は朝9:00、決して早朝という訳でもなく。
実はその前に、大輪橋を渡って直ぐの販売所でも購入を試みたのですが。
ここは個人宅、お出迎えは庭先に繋がれたワンちゃんのみ。
商売っ気があるのか?無いのか?
「種鮎」の看板は大きいのですが・・・
前日の金曜日は関東方面へ日帰り出張、業務が手間取り帰宅は22:00過ぎ。
既に時間は遅く・・・明朝は釣行へ行くか、行くまいか・・・
悩んだ末に目覚ましを4:30にセット、でもって23:30に就寝。
やっぱ、今朝は少し眠いです。
・・・もう、この辺りから「ケチ」が付いています、今週末の釣行。
行き先は2月末にボーズであった寒狭川支流、その「落とし前」を着けに。
先週末は風邪で釣行はお預け、冒険心もうずき、初めて寒狭川本流はその上流へ。
ホント小生、我ながらヤクザでネチネチな性格です・・・
国道沿いの食堂で日券を買った後、寒狭川沿いの旧道を川沿いにさかのぼり。
絶対に車がすれ違えない狭いトンネル、それを幾つか越えた所に降り口が。
既に10:00少し前。
広目の路肩に軽巡を駐め、少し歩いてそこからのぞき込むと眼下には淵が。
「よし、今日はここにしよう」
ところが、準備を始めるとその少し上流にご同輩の車が2台、駐まります。
”え?オレっちがここで釣りを始めること、明確じゃん!何で?”
・・・「ケチ」、その第三幕が開幕です。
お二方はご老体、すでにスリムウエーダーを着込んでいます。
お年と装備からして、今日昨日の初心者では無さそうですが。
愛想良さそ~に、ニコニコと笑みを浮かべ、こちらへ近づいてきます。
ご老体 「いや~、寒狭川は初めてで、ここで始めて良いかね?」
川は小生だけのモノでもなく・・・無下にはイヤとも言えず。
小生 「参ったな~、じゃあ自分はここから下流に入ります。」
ご老体 「すまんね、私らここから釣り上がるから。」
でもまあ、先ほどの淵はここから下流側。
せっかくの週末、お天気も良いことだし、小さな事はサラりと川に流しましょう!
気分を替えて、イザ!
今日の選択は7m竿、流れから十分な距離を取り。
手前から始め奥側へ移動、中層・低層とタナ調整、ブドウ虫・ミミズと餌替え。
定石通りの攻め・・・でも、この淵自体からはお魚は掛からず。
代わりに、この少し上流の樹木下、日陰になった流れ湾曲部、沈み岩の間から。
25cmくらいでしょう。
アマゴさんのようですが、
管釣りのニジマスさんのように、
胸ヒレが極端に小さく。
・・・養殖放流モノとお見受け。
その後、ここで天然物20cm、
一匹を追加です。
「釣れますか?」
と、突然に背後からのお声掛け、振り返ると先ほどのご老体。
お約束では駐車ポイントから上流に向かわれたのでは?
ま・さ・か・・・釣り下ってきた??
・・・何を隠そう、「ケチ」の第四、五幕が同時に来るのでした。
小生 「はい、淵では出ませんでしたが、この日陰で2匹ほど。」
ご老体 「この辺じゃあそこの淵が一番の深場だで、良いかね、釣っちゃって?」
小生 「・・・ええ、まあ、どうぞ。」
表面上は「大人の対応」の小生、でも心の内は・・・
”オレっちが探ったのに出なかった淵、おもしれ~、じいさん、お手並み拝見じゃ!”
竿は5.4m、エサはイクラ・・・しかし、穂先が寸分もブレない鋭い流し方。
やっぱ、このご老体、今日昨日の初心者じゃない、猛者とお見受け。
・・・てことは、川の掟を知っているハズ!
ヘンだ!オレっちはその横の岩陰から、こっそりと竿を出したんだけれどね。
粘られたのですが、やはり出ず・・・座ってちゃ釣れませんよ、ご老体。
暫くして、
ご老体 「いや~、来ませんね。ワシは上へ戻りますわ。」
小生 「お気を付けて・・・」
表面上は「大人の対応」の小生、でも心の内は・・・もう名古屋弁。
”わかった、わかった、何でもえ~で、早よ~「約束の地」へ戻れや!”
しか~し、このご老体、ただでは元の鞘に収まらない御仁!
お別れの挨拶の後、上流に向け何と移動しながらポイント毎に竿を出す始末!
おまけにスリムウエーダーだから出来る芸当、ジャバジャバと川を中央突破!
オレっちがこれから釣るハズのポイントが・・・
ご老体、それは余りにもご無体でござりまする。。。
腹が減っては要らぬ事で腹が立つモノ。
少し早めの昼食、おにぎりを食べて、お茶を飲み、タバコを吸って・・・
・・・良い天気じゃないか!
ご老体に荒らされた上流側に見切りを付けて、他のご同輩に注意しながら、
慎重に下流に向けて移動します・・・幸い、しばらくは何方もご不在の様子。
それらしいポイントで糸を垂らすのですが・・・
揚がってくるのは数cmのこの類いばかり・・・小アマゴさんさえ、掛かりません。
僭越ですが、元々、アマゴさんの数が少ない川なのかも??
午後は時間の流れが速く既に14:00、風もあり今日はコレまでとします。
軽巡に戻ると先ほどのご老体の車がまだあります。
しかもご在車の様子、当方の帰参を察してか、こちらに来られます・・・
ご老体 「どうです、釣れましたか?」
小生 「いや~、午前中の2匹のみでした。」
ご老体 「ワシは小物ばかりでしたわ。」
熟練者の掟破りをもってしても、この有様・・・雑魚釣りは難しい川のようです。
帰り支度をしながら、ご老体としばしの釣り談義。
決して悪気があっての振る舞いではなかったご様子・・・話し相手が欲しくって?
些細な事で気を揉むな・・・山の神様、芽生えた若葉が、そう語っているような。
毎週末の小生の渓流釣行、いつも何かドラマがあります・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿