「あの、釣りなんですが、駐車場をお借りして良いでしょうか?」
西野川から白川が別れ、暫く登った一軒宿の温泉。
河原に降りるには、この温泉宿の駐車場がベストと見て。
時刻は6:30、今にも雨が降り出しそうな薄暗い朝。
宿の玄関先から顔を出されるご老体、その主にお声掛けを。
「いや~、構わんですよ。
多分、後から温泉代の数百円でも払っておけば。」
??・・・ご返答からお宿の主では無さそうな。
<お達者ですね>
聞けばこの温泉宿の宿泊客とのこと。
朝も早く、てっきり、お宿の方と思ったのですが。
「釣りですか?アユ釣りですか?」
「いえ、アマゴ釣りです。」
「ほ~、エサで釣られるんですか?」
釣りの支度の最中、お話しが進みます。
この方、お名前はオオキさん、御年87歳!
昭和6年生まれは小生のオヤジより3つ年上・・・
はるばる、小生のご近所は愛知県春日井から。
昨日は紅葉を求め、中央本線は木曽福島からタクシーで開田高原まで。
でもまだ時季が早すぎて残念、帰路、この温泉宿でタクシーを下車、
飛び込みで、ご一泊されたそうな。
失礼ながら、立ち振る舞いからも、とても87のお歳には見えず。
そもそも、お一人で電車に乗って、この山奥へ来られる辺り・・・
スゴいです、ハイ。
十数年前まではアユ釣りを為されていたそうですが、
さすがに、お歳を召され・・・
でも、一昨年前までは春日井の落合公園でフナ釣りを。
根っから、釣りが好きなんですね。
アマゴ釣りのご経験は無いそうで、
是非、小生の釣りを見てみたい、と一緒に河原まで。
・・・ギャラリーを背後にしての釣り。
別の意味で、今回もチビりそう・・・緊張です。
<捲土重来は木曽の渓!>
今季、何度も訪れましたが、大雨・濁流に見舞われて、
一度も釣り糸を垂れること無く、無念の撤退を繰り返した西野川。
初めての川。
他種目とは言え、年長は経験者の前で、良いところを見せられるか・否か?
案ずるより産むが易し・・・カッコウが付きました。
良い川です、西野川!
オオキさんとは後ほど、帰路はご一緒する約束でお別れをして。
その直ぐ後、雨が降り出しました。
雨具を着込んで・・・
<今シーズンを振り返り>
降りしきる雨の中、竿に張り付く細糸をシバきながら、
振り込みを繰り返します。
今年は空梅雨気味の初夏から一転、後半は雨続きでした。
今日もまた雨・・・しかも、大きな台風が接近中。
恐らく、午前中のみでしょう、釣りが出来るのは。
その雨も最近は、週末を狙ったかの如く、が多かったような。
宮仕えとは言え、お気楽な立場は小生。
土曜がダメなら日曜、
お疲れの月曜は根性で業務を乗り切る!
と、車中泊を織り交ぜ、融通を効かせてきました。
しかしご諸兄の中には、お天気はそのご気分次第、
泣く泣く、涙を飲まれたことが幾度か・・・
も、お見えになるのでは?
へんちょこりんな、シーズンでした、まったく。
来年は・・・
シーズン最後にいつも思うのですが、
全てのものに感謝、良いシーズンでありますように。
<竿抜けネライ??の絶壁下>
温泉宿から釣り上がり、西野川の対岸は岩盤をエグった岩壁が続きます。
急流・激流の向こう側、僅かですが白波の無い落ち着いた水域が。
・・・もう、ニオいます、プンプン。
幸い、竿8.5mなら、丁度の距離。
手前の白波に揉まれる事を想定、ガン玉は重めのB4号。
目印下は1.5mに調整。
狭い水域、対岸の岩肌にぶつけるくらいの勢いで振り込み。
繰り返し、繰り返し・・・
右側は上流に振り込むと、落ち込みの水勢、仕掛けが白波に飲まれます。
飲まれない程度に左側、下流を狙って。
良い具合!
飲まれず、吸われず、は反転流の中央に着水!
暫し、仕掛けがその場で滞留、馴染んでいき・・・
と、アタリです。
返す手応え、重量があり良い感じ!
慎重に浮かせて、白波はその水面を転がして。
8寸、あるかな?
お口の形状、頃合いからオスでしょうか?
よく見ると、その中にはミミズが・・・小生のエサはブドウ虫でした。
こやつ、先行者のエサを巧みに頂戴か??
はたまた、下ってきた天然ミミズを?
その後も、このポイントで6寸クラスを追加。
木曽のアマゴさん、いずれも朱点が鮮やかなオレンジ。
郡上のアマゴさんとは違い、それが全身を覆っています。
所変われば品が変わる・・・ですね。
<木曽路、旅は道連れ世は情け>
時刻は10:00少し過ぎ。
雨の降り方は、ますます激しくなってきました。
・・・チョっと早いけど、ここが引き際かな?今シーズンの。
B2号ガン玉仕掛けが根掛かりに糸切れ。
きっと、山の神様のお知らせです。
竿を納めて温泉宿に戻ります。
宿では既にオオキさんが主とお話しをまとめ、駐車のご了解と温泉の入浴が。
・・・降りしきる雨の中での釣り。
体が冷え切って、温泉の温かさが身にしみます。
その後はオオキさんを乗せて、名古屋方面へ雨の木曽路を南下。
山々に掛かる白い霧、少し肌寒さを感じる風景が旅情を高めます。
そんな中、オオキさんとの車内での釣り談義。
アユは昔ながら、短竿を使ってのお作法だったようで・・・
小生の8.5m竿、あんな長い竿は使ったことがないとの事。
庄内川は定光寺、古虎渓近辺での釣り。
アユは釣れれど、食べる気がしない・・・笑っちゃいました。
人目を忍んでのガリ釣り・・・時効とは言え、マズいっすよ、そりゃ。
そして、落合公園は冬、氷を割っての寒フナ釣り。
いつもは一人、貧果と渋滞に文句をタレながらの帰路運転ですが、
とても楽しかったです、ありがとうございます。
今年のシーズンも、これで終わってしまいました。
毎週末、「癒し」を求めての渓流釣り。
でも毎回、気が付けば、しゃかりきになっている自分がそこに。
もう少し、心に余裕を持って望んでも、イイのかも??
・・・データが示すが如く、
河川環境へのインパクトがミニマムな釣り師は小生。
そんなことを言っていたら、ますます来年は釣れないかも??
<データ>
9月29日
エサ :ブドウ虫、ミミズ
竿 :8.5m 渓峰本流
仕掛 :針 吉村7号
天井糸 0.6号 3.0m
水中糸 0.3号 4.5m
錘 B2~B4号
釣果 :アマゴ 8寸 1匹
リリース
アマゴ 16~18cm 3匹
もろ、針を飲まれ・・・
気温 :15~17℃
流石にドライのウエーダー
天候 :雨
表層水温 :10℃
流石に木曽の渓!冷たい!
来年もまた、是非、来てみたいです。
4 件のコメント:
今シーズンの渓流釣り、お疲れ様でした。
釣果は、来シーズンに・・・・ということでよろしいのでは(笑)
落合公園でのフナ釣りは、興味があります・・・年齢的にいつかは、渓流釣りを引退することになるのでその後は、実家の春日井に住んでいる予定なので落合公園の釣りは、セカンドステージと考えています。
大山川も子供頃にナマズ、フナ、シラハエを釣って楽しみましたが、今では釣れるような気がしません。
ちなみに落合公園の池、整備される前、子供の頃に何度か釣りに行ってフナを釣りましたが、水深がその頃より随分と浅くなったような・・・。
その影響で冬に凍るではないかと思いました。
来シーズンは、良くも悪くも釣りに行けることを願って日々を過ごしています。
サイドワインダーさんと釣り場でご一緒できる日を夢見ています。
アサシンさん、こんにちは!
いつも拙い文章&貧しい釣果に暖かいコメントを頂き、ありがとうございます。
恥ずかしげも無く毎週、小アマゴさん数匹での釣果を高々と披露する、
こんなブログも珍しいのでは?と自負しています。(笑)
今回は帰路、オオキさんというおじいちゃんとご一緒でした。
狭くノロいハスラー号の車内。
釣り以外にもいろいろ、自身のご病気、亡くなられた奥様のこと、免許の返納と一人暮らしなど、人生先達のご経験・お知恵を勉強をさせて頂きました。
来シーズンはアサシンさんも是非、釣りにご復帰頂けること、願って止みません。
またこれから半年ほど、ぽつりぽつりの、これまで以上に詰まらない記事が続きますが、お付き合い頂けると幸いです!
こんばんは。鮭一です。
西野川ですか。木曽方面から南飛騨方面へ向かう際に何度か通り過ぎたことがあります。
「今日は別の川に入る予定だからまた今度」とか「来シーズン本流が釣りにならないときに入ってみよう」と思いながら、未だ嘗て竿を出したことがありません。
僕のブログに「拘り」についてコメントを頂きましたよね。
あれなのですが、ギラギラしていなくても拘りのせいで窮屈な釣りになってしまうなと感じることは自分自身でもあります。
そう感じていてもやめられないので、多分僕はこういう釣りしかできないのだなと諦めています。
サイドワインダーさんはいつも肩肘張らずに心休まる釣りをされていらっしゃるじゃないですか。
「拘りは無ければ無くてよい」とは思うのですが、実はそうやって自然体で心休まる釣りをすることが拘りだということであれば、是非ともそれを続けて頂きたいです。
天候と水況に悩まされた2018年のシーズンお疲れ様でした。
これからもよろしくお願いします。
鮭一さん、こんばんは。
コメントをありがとうございます。
あれから、自分の渓流釣りへの拘りについて、考えてみました。
少し乱暴かも知れませんが、拘り=嗜好=欲求 そんな感じがします。
実は、それが欲張りな小生、少し多いような・・・
大きなお魚が釣りたい。
綺麗な流れで癒されたい。
素敵な景色を感じたい。
冒険心を味わいたい。
美味しいモノ、温泉も。
旅先は人情!
そして、イメージとおりに釣りたい・・・これは大きいです。
でも、余りにも拘り=欲求が多すぎて、結果、それらが無に帰する。
有るような・無いような、拘り、になってしまう。
西野川はイメージとおりの川でした。
イメージとおりのポイントから8寸サイズが。
も少しだけ、オオモノが掛かれば、より良かったのですが。
本流にしては狭く、谷川にしては広い。
吉田川、馬瀬川、小坂川・・・小生好みは大小折衷の流れ。
来年もまた、自然体で心が安まる、
でも、今年は少なかったですが「イメージとおり」、
そんな釣りが出来たら。
も少しだけ、オオモノが掛かれば、よりイイのですがね。
ありがとうございました。
当方からも、よろしくお願いします。
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